映画時々お酒

心と体に栄養を♪

白いカラス

2004-06-30 21:54:00 | 映画
久々に骨太の人間ドラマを見た、と言う感じです。主演アンソニー・ホプキンス。二コール・キッドマン、ゲイリー・シニーズ、エド・ハリスと役者も充実。監督は「クレイマー、クレイマー」のロバート・ベントン。

古典文学の大学教授は、授業中の不用意な言葉を差別用語だと同僚から激しく糾弾され、大学を辞めることに。その日、妻が急病で亡くなると言う悲劇にも見舞われる。失意の彼が出会ったのはまだ若いながら隠遁生活を送る作家。彼との友情を育む一方で、暴力夫から逃れ、子供を火事で亡くし、いくつもの仕事をかけもちする女性と恋に落ちる。秘密を抱え、孤独に耐え続けてきた二人は、環境も年齢差も超えて愛し合う。しかし教授には、まだ更なる秘密があり、それを打ち明ける決心をしたあと、二人には悲劇が訪れるのだった・・

内容は深刻で重いです。それに終始音楽や舞台設定からも、厳しいほどの孤独感が漂います。
「コールドマウンテン」のややぶりっこ演技の二コールより、断然こっちのほうが良いです。ポイントとなる教授の青年時代がきっちり描かれ、それを演じる俳優さんの演技がまた良いので、声を出して大泣きするのではなく、心の中で涙を流してしまうような作品です。

原題は「Human Stain」-人間のしみ。映画の中では「人間の傷」になってましたが、「しみ」、のほうが的確な感じです。

薔薇の素顔

2004-06-27 22:04:00 | 映画
なーんて、邦題聞いたこともない人多いのでは?実はこれは「ダイ・ハード」刑事、ブルース・ウィリスの主演映画。’94年作で共演は「愛人ーラマン」のジェーン・マーチ。

精神分析医ビルは、ある日自分の患者が自分の目の前で、オフィスの窓を突き破り、飛び降り自殺して以来、赤い色が見えなくなる。彼はそのショックで仕事をやめ、友人で同じく精神科医の家に滞在する。しかしその友人は惨殺され、やむを得ずビルは彼の患者の治療の続きを引き受けることになる。それぞれ傷を抱えた男女のグループ。そんななか、ビルは彼の車に車をぶつけた若い娘ローズと親しくなるが、今度は彼が引き受けた患者も一人二人と殺されていく。いったいこれにはどういう意味があるのか?

これ、なかなか面白いサスペンスなんですよ。時代を先取りしたエピソードもあるし、ラストの意外な展開もすごく良い。事件はそんなに単純ではありません。それなのになんとなく話題になってない(たぶんあまりヒットしてない)のは、主演二人の不必要とも思える長ーいラブシーンにあるみたい。確かにあれがなければ、もっと緊迫してはらはらしたかも。で、それはおいといて、肝心の話だけを追って見て下さい。面白いです♪

シベリアの理髪師

2004-06-27 00:25:00 | 映画
紛らわしいけど、オペラの「セビリアの理髪師」とは関係ない映画。「黒い瞳」や「太陽に灼かれて」の二キータ・ミハルコフ監督作品。外国人美女役で、一時期ハリウッドでもてもてだったジュリア・オーモンド(「サブリナ」)が出ている。

仕官候補生のアンドレイ・トルストイは、アメリカからやってきた美女に一目惚れする。その美女は上官である将軍にも気に入られていて、青年の激しい純粋な思いは、邪推を生み嫉妬を引き起こし、取り返しのつかない事件を起こしてしまう。彼は有望な仕官から囚人となり、流刑地へ。女はアメリカへ帰ってしまい、再びロシアに戻るのは10年以上たってから。青年を探して彼女には伝えなければならないことがあったのだが、青年とは再会を果たせず。さらに年月がたって、再びロシアに来た彼女の目には、成長した彼女の息子の姿が見えるのだった・・

実はタイトルは、美女の連れが発明した木の伐採機の名前。内容とは正直あまり関係ない気も・・
ロシアにはまだ皇帝がいて、士官学校の様子も古臭い、けど、厳しい上官、面白くて気のきく上官がいて、何よりも仲間同士がすごく仲が良くて、ピンチの時に親身になって助けるのが泣かせます。
雪の大地、ロシアのお祭り、士官学校の訓練や余興のオペラ(仕官候補生たちが演じる)、お酒(ロシアだからもちろんウォッカ)を飲むと大変身する真面目な将軍。メインであるはずの恋物語よりも、そちらの方に目が実は行きっぱなし^^;
ラストはとてもオーソドックスな恋物語なのでした・・

ボイス

2004-06-20 21:38:00 | 映画
ブームの韓国映画だけど、最後まで見れたのはこれが初めて^^;
ホラーで、最初はやや退屈だったけど、後半からは楽しめました。

嫌がらせの電話のために携帯を買い直すが、その後異様なことが起き続け、その携帯に隠された秘密を追っていくと、意外な事実が。

映画館での予告編では、女の子が白目むいて叫んでるシーンばかり強調されていたので、てっきり、「エクソシスト」みたいなオカルトと思いきや、実はクラシカルなホラー。そうそう、ホラーの原点は「怨み」なんですよねー。
死体の隠し場所がポイント。昔の小説や少女マンガには、こういうのがあったなあ・・
正体は幽霊、だけでは終わらず、ちゃんと犯人を教えてくれます。それにちゃんと伏線が張ってあって、最後も納得。

日本映画やハリウッド映画と大きく違うところは、ヒロインを助けてくれるヒーローがいないことですね。若い刑事さんがちらっと出てきたような気もするけど、ほとんど目立たず。