孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

文明の礎、言葉

2015年04月18日 | 日記
以前、日本に滞在中の外国人に街頭で、「あなたの好きな日本語は何ですか?」という質問をしている番組があったが、今でも記憶に残っているのが、確かドイツの方だった女性の言った、「なつかしい」という答えだった。

確か、「もったいない」を挙げた人もいたが、ドイツの女性が応えた「なつかしい」は、自分の経験を交えて説明してくれて、なかなか味のある回答だった。彼女によると、子供のころ訪れた場所に行ったときなど、一言で心情を表す適当な言葉がドイツ語には見当たらないのだという。

郷愁を誘う何ともいえないいい気分になれる心情を、一言「懐かしいなあ」と言い表せる日本語は何とすばらしい言語だろう。実は、この歳になって最近始めて覚えた日本語がひとつある。それは、「花筏(いかだ)」だ。小雨の中、船で川沿いの桜並木を鑑賞した観光客らしき老女が、「少し天気が悪かったけど、花筏がとってもきれいでした。」と、少し興奮気味に語っていた。

桜にからむ言葉は、この他に「桜吹雪」とか、「桜トンネル」、「花霞」など、たくさんあるが、日本人の感性の豊かさを表す言葉はまだまだたくさんあるだろう。

20年くらい前に、アメリカの政治学者、ハンチントンが著した「文明の衝突」のなかで、彼は世界をいくつかの文明圏に分けていた。西欧文明、イスラム文明、中華文明などに世界を分類していくのだが、日本はどの文明圏にも属さない、一国だけの日本文明と分類していた。

まるですべての文化が半島を経由して日本に伝来されたのだ、と主張をし続ける隣国があるが、無理なこじつけばかりで誰も相手にされないのは見ていて憐れである。それどころか、かの国の言葉は極端に語彙が少ないため、自分の感情をスムーズに表現できず、その鬱憤が蓄積してしまう「火病」という半島独特の風土病さえ生む結果になっている現実を彼らは直視した方がいい。

幼稚園年中組に進級した初孫のなっちゃんも、毎日新しい日本語を覚えているようだが、その過程を先日ひょんなことから垣間見た。

なっちゃんが、トランプ手品を見せるというので眺めていると、トランプを四つの山に分けて何やら細工をしているようだった。やがて、準備が整ったらしく、山の一番上にあるカードをめくれと言う。

ハートの5が出た。すると、次の山の一番上のカード、その隣の山・・・と順番に指図した。めくったカードはクラブの5、ダイヤの5、スペードの5、、、4枚すべてが5であった。実は手品のタネを知っていたのだが、そこは知らないフリをして、「えぇー!なぜだろう。すごいね!不思議だね!」と大仰に驚いてみせた。

なっちゃんは興奮して飛び跳ねながら、「ふしぎでしょ。ふしぎでしょ。」を大喜びで連発していた。しかし、考えてみるとなっちゃんがこの「不思議だ」という言葉を使ったのをこれまで耳にした事はなく、恐らくたった今遭遇した場面で覚えたまさに覚えたての日本語だったようだ。

別の部屋にいたおばあちゃんにまで、「おばあちゃん、ふしぎでしょ!!ふしぎでしょ!!」と、はしゃぎまくっていたなっちゃんは、この、普通ではあり得ない、説明できないような場面で使う「不思議だ」という抽象的な日本語を、見事体得したようだった。

「マジ?」「かわいい!」「ヤバイ」を連発するだけの若者が増殖する現代、大人たちはもっと真剣に、なっちゃんを見習って、この現象を食い止めるべく行動を起こさないと、誇るべき「日本文明」は消滅してしまうぞと、ジジ馬鹿はカンカンと警鐘を鳴らしたくなるのです。



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