お節介だと思ったんですが、つい黙っていられなくて注意してしまいました。言ってから後味の悪い思いをした分だけ、損だったのかもしれません。実は以前から目にしていて、気になっていたのですが、なかなか言い出せなかったんです。
散歩コースの途中にある河川敷の芝生で、よく食パンのミミらしきものを、カラスやトンビに投げて与えている老人を見ました。近くの林のような小高い木々の枝に留まっているカラスは十数羽いるでしょうか、芝生に降りてきては、子供の落とした駄菓子などを熱心に探してはついばんでいます。
年の頃なら七十歳くらいでしょうか、スーパーの袋に入れた食パンのミミをつかみ出して、頭上高く放り投げます。すると、近くの木のてっぺんに止まっていたトンビが舞い降りてきて、上手にパンを嘴でキャッチします。地面に落ちたパンはカラスが地面に降りてついばみます。
「あなたは、カラスが害鳥だと知っていて餌を与えているんですか?」私は、老人に近づいて行き、単刀直入に聞きました。すると、「カラスに餌をやってはいない。トンビにやってるんだ。」という無愛想な返事です。いきなり、自分が楽しんでいるところに、不躾な質問を浴びせてこられた老人は、怒ったような表情に変わりましたが、私は構わず、「先ほどから見ていると、おこぼれを狙ってカラスが何羽も降りてきているではないですか。あなたはカラスがどれほど町民に迷惑をかけているのか知ってますか?」
老人は、意外だと言う顔をしながらも、不機嫌さはますます増長し、ブスっとしています。私は、追い討ちを掛けるつもりで、「町内あちこちのゴミの集積場は、カラスの被害にみんなで悲鳴を上げているんですよ。うちの近くの電柱にはカラスが巣を作り、漏電になりかけたこともあるんです。あなたは、そういう害鳥に餌を与えているんです。」
老人は、「うるさいなあ・・・」と言う表情で、「ハイハイ、じゃあ止めますよ。どうもすみませんでした。だけどね、西の山間部に行けば、トンビに餌付けをしている人たちがいて、みんなで餌を投げ与えるところがあるんだぞ。」とすごんできました。
「じゃあ、あなたもそこに行って思う存分餌付けをすればいいじゃないですか。ここでするのはすぐ止めてください。しかし、私はそもそも野生の鳥を餌付けするのには反対ですがね。」私がそう言うと、老人はプイっと帰っていきました。
先日の日曜日、そこを通りかかったら、同じ老人がパンを空高く投げている姿が見えました。
散歩コースの途中にある河川敷の芝生で、よく食パンのミミらしきものを、カラスやトンビに投げて与えている老人を見ました。近くの林のような小高い木々の枝に留まっているカラスは十数羽いるでしょうか、芝生に降りてきては、子供の落とした駄菓子などを熱心に探してはついばんでいます。
年の頃なら七十歳くらいでしょうか、スーパーの袋に入れた食パンのミミをつかみ出して、頭上高く放り投げます。すると、近くの木のてっぺんに止まっていたトンビが舞い降りてきて、上手にパンを嘴でキャッチします。地面に落ちたパンはカラスが地面に降りてついばみます。
「あなたは、カラスが害鳥だと知っていて餌を与えているんですか?」私は、老人に近づいて行き、単刀直入に聞きました。すると、「カラスに餌をやってはいない。トンビにやってるんだ。」という無愛想な返事です。いきなり、自分が楽しんでいるところに、不躾な質問を浴びせてこられた老人は、怒ったような表情に変わりましたが、私は構わず、「先ほどから見ていると、おこぼれを狙ってカラスが何羽も降りてきているではないですか。あなたはカラスがどれほど町民に迷惑をかけているのか知ってますか?」
老人は、意外だと言う顔をしながらも、不機嫌さはますます増長し、ブスっとしています。私は、追い討ちを掛けるつもりで、「町内あちこちのゴミの集積場は、カラスの被害にみんなで悲鳴を上げているんですよ。うちの近くの電柱にはカラスが巣を作り、漏電になりかけたこともあるんです。あなたは、そういう害鳥に餌を与えているんです。」
老人は、「うるさいなあ・・・」と言う表情で、「ハイハイ、じゃあ止めますよ。どうもすみませんでした。だけどね、西の山間部に行けば、トンビに餌付けをしている人たちがいて、みんなで餌を投げ与えるところがあるんだぞ。」とすごんできました。
「じゃあ、あなたもそこに行って思う存分餌付けをすればいいじゃないですか。ここでするのはすぐ止めてください。しかし、私はそもそも野生の鳥を餌付けするのには反対ですがね。」私がそう言うと、老人はプイっと帰っていきました。
先日の日曜日、そこを通りかかったら、同じ老人がパンを空高く投げている姿が見えました。
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