孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

もはや世も末の、英語教育早期化

2017年09月03日 | 英語関連
最近多くの自治体では、小学校の教員の採用試験に当たって、英語の資格があったり、英語に関する試験を受けた経歴があったりする受験者が有利になるよう加点をしたり、あるいは特別枠で採用されているとネットの産経ニュースで読んだ。

2020年(あと2年半)から全面実施される小学校の英語の授業は、3・4年生が「外国語活動」というお遊び時間を週1回設け、5・6年生は正式科目となって、こちらは週に3回ほど算数や国語と同じように試験や成績も付けられることになる。

英語教育の専門家たちは、概してこの教育改革に関しては否定的な見方をしているようだが、かといって政策に異を唱える反対運動を仕掛けるような動きはまったく見られない。

馬鹿馬鹿しくてそんなことすらする気も起こらない。といった感じではないかと思う。

私が中学高校生の頃から、よくテレビやラジオで見聞きしてきた、英語教育者の鳥飼玖美子さんなどは、短く「英語を小学校3年生から始めることで効果が上がる、という科学的データはありません。」と皮肉っぽく言うだけのようです。

多分、この分野の専門家の方たちは、英語教育の早期化は、そうすることで金儲けのネタが増えることだけを目論んだ、商人(あきんど)どもの「国家特別戦略」などという策略であるに過ぎないと、分りきっているからなのだろう。

研修生などという名目で、途上国からド安い労働力を入れたり、学生が足らなくて大学経営が青息吐息の学校に、小遣い付きの留学生をじゃかじゃかつぎ込んで、アルバイトもOKにしてあげたり、もう派遣業者みたいな商人(あきんど)どもには至れり尽くせりである。

福岡県の西日本新聞のWEBニュースでは、この夏休みに、不安に駆られた小学校教員たちが、大手英会話スクールが主催した、小学校教員向け「指導力・英語力向上セミナー」に参加した教員たちの様子を記事にしていた。

こういう公務員向けのセミナーはもうむちゃくちゃ儲かることでしょうな。

少し西日本新聞の記事を抜粋すると。。。

【イーオン講師が、授業で使える「クラスルームイングリッシュ」を伝授。子どもには、簡潔で、短く、明確な英語を使うことや大きな身ぶり手ぶりを付けて話すことが大切だ、などと指導した。教員たちは2人一組になって講師から学んだクラスルームイングリッシュを繰り返し練習。ALTとのコミュニケーションに役立つ表現も学んだ。

 イーオン主催

 福岡県筑紫野市の小学校で6年生を受け持つ石橋剛教諭(50)は「ALTがいると安心して、自分も発音などがあいまいになっていた。でも『教科』になると、1人で授業する時間がぐんと増える。わらにもすがる思いでセミナーに参加しました」と話した。

 イーオン九州本部によると、セミナー終了後、学校に来て教えてほしいという要請が複数あったという。】

ALT とは外国人の英語授業アシスタントのこと。各自治体単位で採用し、地区の学校で使い回す若者のことで、2017年1月14日の当ブログに『JETのALT倍増がワイズスペンディングなのか?』という題でアップしたので、関心のある方は見てください。

他にも、GT(ゲストティーチャー)と呼ばれる、日本人OKのアシスタントもいるようで、小学校の児童たちは何がなんだか分らんでしょうね、かわいそうに(笑)。

 教師とGT

西日本新聞の記事によると、いかに現場の教師たちがうろたえているかが分って面白い。例えばこんなふうに・・・。

【福岡県教育センターで外国語教育の研修を担当する宮田久美子指導主事(46)が“出前授業”を行い、全教員が参加。宮田指導主事は、5、6年生の「外国語活動」と、これから始まる「教科」との内容の違いや、ALTとの上手な役割分担の仕方などを動画を交えながら説明した。

 「下手な発音でも授業ではたくさん英語を使った方がいいのか」「授業中、気づいたら日本語で話している。どうしたらいいのか」-。質疑応答では多くの教員から疑問や悩みが飛び出した。

「教科としてどう教えるか、まだ手探りで中核教員としても自信がないところがある。他の先生の不安はもっとだろう」と吐露する。

宮田指導主事は「英語が得意ではなく、心配している中核の先生は多い。ただ、そういう先生が研修を受け、学校内に広げていくことにこそ、意味があるのです」と話した。】  =2017/08/31付 西日本新聞夕刊=より抜粋(写真も)


この最後の福岡県の宮田指導主事の一言は、自分たちが取り組んでいる意義を主張しているだけで、「無駄なことをやってるんじゃありません」と自分に言い聞かせているだけ。これを聞いてドン引きしない教師たちがいたら、私は「やっぱりあんた教師だな」と苦笑いするだけだ。 

犠牲者は子供たちであり、この国の将来である。

ひたすら、マレーシアとかフィリピンとかインドネシアのような、欧米の旧植民地みたいになることを目指しているようで、この教育政策でホクホクなのは、イーオンやベネッセ、COCO塾みたいな大小の英会話スクール。

それに、近隣の外国に短期英語留学を、などとすでに以前から動き始めている大手派遣会社など(Pで始るあの会社など)が、ここぞとばかり甘言を弄してヤングママたちから金を巻き上げようと企んでいるのである。

そのうちスマホを使えば、何ヶ国語でも即座に翻訳できる時代が間違いなくやってくる。それで何が不満だと言うのか。

グローバル化とは欧米の植民地になることだと心得よ!


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