孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

お気に入りのコラム・・・

2015年04月22日 | 日記
思い出すと、私が高校生だった頃は、誰からだったか、朝日新聞の天声人語を読むように薦められたことがあった。家では朝夕刊セットでいくらという、安いローカル新聞を購読していたので、ほとんど天声人語など読む機会はなかった。

大学に進学して、賄い付きのアパートに住み始めてからは、みんなで話し合って、全国紙4紙を購読し、みんなで読みまわしたものだった。そのとき、初めてお目にかかった朝日新聞の天声人語は、確かに面白いコラムで、毎日読むのが楽しみだった。

ただ、朝日新聞の天声人語だけが突出していたわけではなく、「余禄」や「編集手帳」も同じようにワクワクしながら読んだものだ。それまで読んでいた地方紙の一面コラムとは、文章の練り具合に段違いの差があったように思う。

コラムと言えば、今はもう廃刊となってしまった「諸君」という月刊のオピニオン誌は長いこと私の愛読誌で、海外赴任していたときも、帰国する人や、出張に来る同僚たちに無理を言って、よく買ってきてもらった。いつも真っ先に読むのが、「紳士と淑女」という巻頭コラムだった。4~5ページのコラムは、切り口が鋭く、筆者のバランスの効いた正義感で溢れた実に読み応えのある文章だった。

廃刊になるちょっと前だったか、このコラムの筆者宛に「ファンレター」というか、「ファンメール」を送った事があった。すると、コラムの筆者から、一枚の直筆葉書きの返事が届いた。それは、私のファンレターに対する謝辞と「これからもよろしく」という簡単なものだったが、万年筆の直筆で、印刷されたものでは味わえない、温かみが感じられた。

ほどなく、諸君は廃刊となったが、私はこの巻頭コラムに替わるすばらしいコラムを見つけた。それは、週刊新潮の「変見自在」という1ページのコラムで、大好きな高山正之さんによるものだ。毎週、週刊誌は買わなくても、このコラムだけは立ち読みする。このコラムは1年分をまとめて単行本、文庫本として出版される。この本を、トイレに置いておくと、あっという間に読みきってしまうのだ。

メディアリテラシーとは、メディアの真贋を見抜く目を磨くことだそうだが、紳士と淑女氏、高山正之さん、それから、今は亡き山本夏彦さん。私はこの三氏にこの点で、随分お世話になったと思う。その所為で朝日新聞嫌いになったのかもしれない。


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