孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

富士山で避暑した年

2016年07月16日 | 趣味の世界
今週から富士登山のシーズンが始った。



私は過去に二度、富士山の登山口で外国人登山者の登山指導をするアルバイトをした経験がある。

登山指導といっても、登山の仕方ではなく、これから登山をしようとする登山客の装備や服装を観察して、不適切な場合はアドバイスをしたり、登山計画を確認して無理がないかを確認したりする業務だった。



また、下山してきた外国人登山者の交通機関などの問い合わせに答えたり、観光案内をしたりすることもあった。

 静岡県富士宮口の案内所

夏休みが始り、週末や盆休みなどは登山客が集中して大変な賑わいになるが、そうでない日は特にすることもなく暇を持て余す事も多かった。

案内所は夏の間、静岡県警の臨時派出所を併設し、毎日9時頃から5時まで警官二名が常駐していた。話を聞くと、彼らは富士宮市内の派出所に勤務する警官で、毎日違う二名が持ち回りで駐在していた。



駐在するといっても特に何をするわけでもないが、主な業務は午前と午後の周辺巡回と、それに拾得物の受け付けのようだった。

高山病になると、注意散漫になり、信じがたいが下山途中で休憩した山小屋にザックごと忘れてきてしまい、駐車場に止めた車のキーもその中に入ったままで、家に帰れないと啼きついてきた登山者(日本の若者)もいた。

富士登山に来る登山客は、たとえ日本人といえどもマナーが酷い連中がかなりの割合でいたように思う。ゴミは平気で捨てていくし、タバコの吸殻などあちこちに捨てられている状態。

最悪なのは緊急用の駐車スペースに置かれていたバリケードを勝手に移動して自家用車を止め登山してしまう不届き者もいた。

緊急用の駐車スペースは登り口の石段に一番近いところにある。

登山者が遭難した、怪我をしたという一報が入ると、それは県警と消防署の山岳救助隊に伝わり、赤い消防署の車やパトカーが猛スピードで駆けつける。

 消防署山岳救助隊員

サイレンを鳴らして五合目の登山口まで駆けつけるわけだが、救助隊員たちは普段はそれぞれ通常任務をしているそうで、一報が入るとそれぞれの勤務地から相乗りして馳せ参じるわけだ。そのため、装備は常にクルマにつんであるようだ。

 県警山岳救助隊員

通常平地から五合目(海抜2400m)に着いたら、登山開始まで1時間ほどは体をその標高に慣らさないと高山病にかかってしまうものだ。

しかし、彼らを見ていると、到着するや否や靴を履き替えてからサッサと登っていく。その手際の良さは見ていて気分がよくなるほどだった。

私が登山案内をしているとき、県警山岳救助隊の隊員登録している警官が、臨時派出所に勤務してきたことがあった。

それまで臨時派出所にやってくる警官たちは、奥の和室に篭って週刊誌を読んだりしていて、電話が鳴っても出ようともせず、明らかにサボっている連中がほとんどであった。

私は、業を煮やして、「奥の部屋に篭っていないで、少しは表に出るなり周辺を巡回するなりしてみたらどうだ。あなた方の警官の制服は立派な犯罪や不正行為の抑止力として機能するはずだ。」と、啖呵を切ったことがあった。

しかし、山岳救助隊員の警官は見事だった。詰め所にジッとしていることはほとんどなく、周りを歩き回っては登山者に声掛けをし、我々にも「何かあったら、遠慮せずになんでも言って下さいね。」と言ってくれたので、実に頼もしかった。

しかし、救助隊員の話を聞くと、怪我をした、をしたと連絡があって駆けつけても、一人で下山できないほどでもないことが多く、救助隊をタクシー代わりに考えているような登山者も多いそうだ。

その年は猛烈な猛暑の年で、下界は連日煮えたぎるような暑さだったようだが、7,8月の二ヶ月は標高2400mで快適に過ごせた最高の経験であった。


【蛇足】

五合目のトイレに掲げてあったトイレ利用者に寄付金を促す看板より。英語のまちがいを発見。[ a few ]とは通常「2~3」という意味。つまり、[ a few yen ] とは、
「2~3円」という意味になるのでは?

  a few yen ??







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