孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

烏来(ウーライ)とは温泉のこと

2018年01月08日 | 外国ネタ
台北に深夜に到着した時は、雨は降っていなかったが、翌朝外を見たら予報どおり小雨が降っていた。予定では、台北からバスで小1時間の山中にある、烏来という台湾原住民の街に行くつもりだったので、どうしようか迷った。

烏来では街を散策して、原住民博物館を観て、台湾最大の滝をみるつもりであったが、雨の中、傘をさしながら散策するのは少し気が引けた。

しかし、温泉宿が多いので、日帰り温泉を味わうなら天気は関係ないと思って、烏来に行くことに決めた。

ガイドブックに従って、バス停で待っていると烏来行きのバスがほぼ時間通りにやってきたので、傘をたたんで飛び乗った。台北の街を過ぎると、曲がりくねった山道をバスは高速でぶっ飛ばした。約1時間で終点の烏来に到着した。

 烏来の玄関口

まだ、朝早かったので、土産物屋はほとんど開いていなくて、予想していた賑わいはまったく見られなかったが、日帰り温泉の看板を掲げる温泉宿は数件営業していた。

料金は、1時間2名で300~400台湾ドル(1500円ほど)。私が立ち止まって看板を眺めていると、中から宿の従業員の男性が出てきて何か話しかけてきた。

私は、「1人で利用してもいいのか?もし、1時間を少しオーバーしたら料金はどうなるのか?」などと相手の言うことを無視して、英語で聞き返した。

すると、その男性は少し困ったような顔になって、中のレジのところにいた中年女性の方を見ていた。すると、その女性は私に向かって手招きをしながら、流暢な英語で「こちらに入ってきたら?」と言うではないか。

彼女は、どうも経営者らしく、私の質問にテキパキと回答してから、「実際にどういう温泉か見てから決めたらどうか?」と私を風呂のある小部屋の一つに案内してくれた。

そこは、部屋というより風呂場といった感じで、脱衣スペースに反対側の川沿いに1坪ほどの風呂があって、温泉源泉と水道水のパイプが2本引かれていた。赤い方のレバーを開くと、温泉が飛び出し、青いレバーを開いて水を出して湯音を調節する。

壁には液晶テレビが掛かっていて、窓の外は川が流れていた。シャンプー・石鹸・タオルもあり、シャワーも合ったので、私は迷わずそこに決め、300台湾ドルを前払いで払った。

 烏来、日帰り温泉

黒いゴム製の栓をして、赤いレバーを開くと、湯気と共に温泉が噴出した。その半分くらいの勢いになるように、青いレバーも開くと水面はぐんぐん上昇して行き、栓に鎖で繋がっている黄色のアヒルがプカプカ浮かんできた。

私はどちらかと言うと烏(カラス)の行水だが、この日はたっぷり30分は入っていたと思う。

「カラスが来る」と書く烏来(ウーライ)とは、タイヤル族の言葉で「温泉」を意味するのだそうだ。烏来のいいところは、温泉だけではなく、その風景が山あり川ありの自然に満ちていることがあげられる。

 山あり川ありの烏来

さらに、タイヤル族の女性は、どこかエキゾチックな感じがして、美人が多いそうだ。一昔前、日本のお笑い、ウッチャン・ナンチャンの番組に出て、確か「タイミング」とかいう歌を歌って人気者になったビビアン・スーも母がタイヤル族の方だったそうだ。

バス停への帰り道、タイヤル族の博物館に立ち寄った。タイヤルとは漢字で、『泰雅』と書き、英語では別名のアタヤル族をアルファベットにした Atayal people と呼ぶようだ。

このタイヤル族は、主だった台湾の原住民族、16民族の中でもアミ族・パイワン族に次いで人口が多く、9万人弱だそうだ。

展示を見ていくと、最後の方に首刈りの風習についての展示があった。どくろが並んだ展示は一瞬ギクッとするが、そこに書かれていることを読むと、「そんなにしょっちゅうやってた風習ではなく、儀礼的なものに過ぎなかった。

現代の戦争に比べれば、どちらが残酷だと言えようか?」とあった。(確かにそうだ・・・)

 ヘッドハンティングの風習

日本の占領時に台湾の原住民を総称して、「高砂族」と呼んだ。私も以前、台湾の首刈族と何かで読んだ記憶があるが、それがタイヤル族のことだったとは今回初めて知った。

今回は雨だったので、滝を見るのは諦めたが、次に機会があったら、トロッコに乗って滝を観に行こうと思う。


コメントを投稿