虫くん魚くん

サラリーマンの昆虫採取とフィッシング日記

これが本物の「源頭イワナ」だ!

2012-01-05 00:06:09 | フライフィッシング
皆さん「源頭」という言葉をご存じですか?

山登りをされる方であれば、聞いたことがあるかもしれません。

「源頭」とは、川を遡り最初の一滴が始まる場所のことを言います。

本当の天然岩魚を釣ってみたいという欲望は、渓流釣りをやられる方であれば感じたことがあるはず。
しかし、放流事業が盛んになった今、古来から生き延び、居着いて来た在来岩魚やヤマメなどは遡上してきた放流魚と交配し、ハイブリッド化しているものと考えられます。

そこで究極は混ざり化のない“天然魚”を求めて、放流の手が入り込めないであろう山奥の小さな渓や魚止めを目指して遡上しながら釣りをする“源流釣り”となるわけです。

どこか登山の魅力と似た世界がありますが、常に危険と背中合わせ。
道があるわけでもなく、時には「魚止め」と呼ばれる“滝”を登ったり、川の両端が崖になった“淵”と呼ばれる場所を泳いだり…。
また、近年の異常気象による“ゲリラ豪雨”に襲われてしまえば、目の前の川が一気に氾濫する恐れもある、まさに命がけの世界なのです。

そんな危険な魅力に取りつかれた友人から届いた一枚の小さな写真。
これが 源頭の完全な「天然居着き大岩魚46.5センチ」。
5年前に細く高度のある源流の枝沢の魚止を何ヵ所も超した稜線近くで釣った岩魚だそうです。


魚のチカラでは遡上できない滝(魚止め)の上に、何故魚がいるのか?
長い年月をかけた地殻変動の際に、陸封されたものなのか…
また、その昔に普段は農業をし、冬の間だけ山にこもって狩猟を行う“マタギ”と呼ばれる猟師達が食糧を確保するために下から魚を上げたという説もあります…

謎ですね!ロマンですね!
実際に、岩魚は産卵で死ぬことはなく、寿命は長くて8年~10年と考えられていますが、正確には解明さえていないそうです。

いずれにせよ、湖やダムの岩魚のように小魚を食べて大きく育つ環境とは異なり、虫や小型の山椒魚などをエサに細々と生き続けて来た“46.5cmの源頭岩魚”が、どれだけ貴重な魚なのか…容易に想像出来ます。