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坂の上のピアノ教室

おうちの方にレッスン室の様子、日頃思っている事をお知らせするためのblogです。

何回も弾ける

2018-11-13 | 伝えたいこと
ピアノ教室には、大人の生徒さんも何人かいらっしゃっています。

現在も、過去も、大人の生徒さんは子ども時代にある程度ピアノのお稽古をしていた方が多いです。

ソナチネや、ショパンのワルツくらいまで進んでいた方もいます。

私のところに来るようになった最初の頃、大半の方が

「そんなに どの音も、どの音も、キッチリかっちり弾いてくたびれませんか‼️」と、言うような弾き方をしています。
はっきり言って五月蝿い🙏

聞いてみると案の定

「はい、ハノン1曲を最後まで弾いたら、腕のスジが痛くなって、2回は弾けません😓😓」

とか、「練習曲の半分まで来たら腕が痛くなって、大変です😢」

とおっしゃいます。
実はワタシもそうでした!
チェルニー30番や40番や50番、、、弾き始めて次のページの半分くらいまで言ったら、くたびれて4や5の指が上がらなくなってました。

今、みんなに目指してもらっているのは、
「何回弾いても、疲れない弾き方」

昔、「キッチリ、くっきり、はっきり、しっかり」が良いと教わってきた大人の生徒さんや

大きな音楽教室で、短い限られた時間で、「弾ければOK!」のレッスンを受けてきた子どもちゃん、


脱力、と言葉で言うのは簡単ですが、これがなかなか難しいです。

「よい意味で、いい加減っぽい弾き方してください。」
「っぽい」が大事。
真のいい加減、じゃなくて、
いい加減っぽい(笑)

子どもの場合は、
弾くのをやめてもらって、
何か楽しい話をしたり、
外に出て公園のブランコに乗って帰ってきてもらったり、

弾くことから、気をそらすと、ちょっと変わります


何年もかかる場合が多いのですが、ちょっと弾いたらくたびれちゃう五月蝿い音の行列が、
ある日、スーっと、力が抜けて、

「あら、なんか変わりましたね!」と言う日が来る(はず)

そんな日に出会えたらしあわせです


音符以外の大切なこと

2018-09-04 | 伝えたいこと


3年生くらいになった生徒たちに、お誕生日プレゼントとして

小さな音楽の事典をあげています

見た目が 可愛い表紙・・・・・少し年齢の高い子には表紙は

少し大人っぽいディズニーだけど 内容は同じ事典です(多少配列が変わったりは
していますが・・


でも、これ ほとんど プレゼントしっぱなしでしたww

時々 必要があって「あれ持って来てね」と言っても

「家でどこかにいっちゃった・・・・」

「わからない楽譜の言葉は おうちで あの事典で調べてみてごらん」 

「どうやって使うのか どこにコノ言葉が書いてあるか わかんない~」



そりゃそうだね  辞書なんか使ったことないものね

まして  普段は 全く見ない 記号や イタリア語 だったり


と言うわけで  「この事典は ピアノバッグに入れっぱなしにしておいてね」


それで、少しでも 使う場面があったら 調べられるように




先日のグループレッスンでは この事典を使うこと比較的なじみの多い

速度と 発想標語をいくつか 調べて 書きだしてみました

(ブルクミュラーに出てくるような言葉です)



そして  

学年の高い子たちには 自分のレッスンしている曲を1つ選んで
(バーナムでもハノンでも良いので)

《自分で選んだ速度  自分で選んだ「気持ち」で 弾いてこよう》


という宿題を出しました

曲のイメージとは かけ離れた 記号を選んだ子もいます

それでも いいのです

少しでも 音符以外の事に注意を払うきっかけになれば  ね













器用なことがアダにならないように

2018-08-26 | 伝えたいこと

子供でも 大人でも 全てに たくさんの個人差があります

器用だったり、そつなく物事をこなせる、ということを

プラスにとらえてしまうことが多いのかもしれません  が

私は その反対かな~~って思います

完成の 遅い子や

時間をかけて仕上げたものの方が充実している事が多かったりするので




譜読みが 速くて どんどん新しい曲を 器用に弾いてくる小学生

でも  その子たちが速いのは 「音符のたま」「ドレミ」を読む事

それを 鍵盤で 弾く事  に関してだけの事が多いです


強弱は もちろんのこと  アーティキュレーションが全くついていません



**アーティキュレーションとは、音楽の演奏技法において、
音の形を整え、音と音のつながりに様々な強弱や表情をつけることで旋律などを区分すること。
フレーズより短い単位で使われることが多い。
強弱法、スラー、スタッカート、レガートなどの記号やそれによる表現のことを指すこともある。
ウィキペディアより


このことがちゃんと出来るか出来ないかで 全然違う音楽になっちゃいます

大きくなって 難しい曲を弾くようになってから 気をつければいいの??


違います




小さい時から  なんでも一緒に 音にするクセをつけておかないと

大きくなってから やればいいや  は  出来ないんです


でも、特に器用に とっとと 先を弾いてきてしまう子に

これが出来ない傾向にあるので、いつもいつも言っています


 「ドレミを弾いただけでは違う音楽になってる事もあるんだよ」

「音符のアクセサリーも ちゃんと見て、つけてあげてね」


中には その事を 真摯に受け止めて アクセサリーを付けなおして練習してくる子も

たくさんいます


が、中には 「ちゃんと 弾いてるのに なんで また止められるのか??」

「なんで  マル○にならないの?」と悲しそうになってしまう子も


100パーセント できなくっても いいよ

でも気持ちは 「アクセサリーも 付けてあげよう」と 心から 思ってくれるといいなー




慣れないこと

2017-12-30 | 伝えたいこと

40年以上もピアノの先生をしているので 

後輩にあたる少し若い先生から相談を受けることがあります

そういう時、必言い添えることがあります

「私だったら こうするかもしれないけれど

それは あくまでも参考材料の1つにしてくださいね

明日になったら別の事を思うかもしれないし。。」

私だって 1つの最善の答えを出すことはできません



Aちゃんには こう言おう

でも  Bちゃんには その方法では全く通用しない。。。なんて事もたくさんあります



たくさんの引き出しを持って、中身いっぱいにしておかないと十人十色に対応できないから

今でも勉強に行きます

でも、引き出しの中身を整理して 必要なものを出して使う能力がないと

意味がありません

それは 学んで得られる事とはちょっと違う先生個人の資質みたいなものかしらん?

あふれている物や情報にあっぷあっぷしないでいられる人であるよう育ててくれた両親に感謝ですし

大人になってからは、心根が強くあるよう育ててくれた息子たちや(育児は育自っていいますからね)

ピアノの生徒ちゃん、生徒くん、おうちの方がたにも大感謝です

でも、そんなベテランであることに 慣れないでいたいと思います


ところが


最近、すっかり慣れてしまっている自分がいます

使う教則本がすっかりパターン化してしまっています

これはいけない怠慢です

一人ひとりの個性や能力に応じて 柔軟に多様に教則本を使っていくのが

私の信条なのに・・・

来年は心して 初心に戻ります

















みんながやっている

2017-12-30 | 伝えたいこと

こどもの頃

「みんなが持ってるからほしい!」

「みんながやってる・・・・」 などと駄々をこねて 

両親から「それは クラスの全員が持ってるの??!! 」

「100人の人がみんなやってるの?!違うでしょ」


とダメ出しをくらいました。


わが子も同じような事を言い  そのこどもも同じような事を言っては


「まわりの全員じゃないでしょ!!」と 同じ押し問答しています




大人になったら 少しは判断力があるから


なんか流行ってるな?? と思っても

一時的なものかも?

と思ったり

 
騒いでいるのは 一部の人だけだろう  と考える事ができます

もちろん、すごく多くの パーセンテージで 「みんながやってる」ものもありますけど・・・


ピアノ教室の指導法や 教材もしかり


みんなが やっているようにみえても それは 表面に見えているごくごく一部の現象の事も多いです


今はなんでも ネットで伝わって 大勢がワーーーっと同じ方向を向いたりするけれど

それも冷静に見たら ネットの氷山の一角の人たちから見た「みんなやってる」現象だという事が多いんだなあ

と経験上わかります だって65年も生きてるんだもん


世の中の 9割がたの人がやっていて しかも (私にとって)素晴らしい事柄なのか

世の中の 1割しかやってないけど (私にとって)(私の生徒たちに、個々にとって)素晴らしい指導法なのか

それを判断できるように たくさんの事を知って 学ぶことは必要だけど

「いまは これこれの時代だから これこれしていなければ ダメよ」と

後輩を不安にさせるような言い方はしたくないな













トーンチャイム

2017-12-11 | 伝えたいこと




12月に入って だいぶ寒くなってきました。

2回目の日曜日は  地元のケアプラザで クリスマスコンサートが ありました。

ボランティアで色々な方が演奏なさいます。プロもいれば アマチュアのグループもいて

とてもバラエティに富んだ楽しい暖かい会です。


去年に引き続き ピアノの生徒とお母さんの有志18名で トーンチャイムを演奏しました。

私は 友人の声楽の伴奏もしました。



うんと昔  ミュージックベルというもっと気軽なハンドベルのおもちゃを使っていたのですが 

どうしても音が好きになれず・・・・音程も悪いし 


そんな時にトーンチャイムに出会い 美しい響きに (これまた)ひとめぼれ じゃなくて

ひとみみぼれ

友人たちと最初のセットを買いそろえました。

以降 もっと高音が欲しいなーー もっと低音も欲しいなー

生徒のみんなに ベル割りしたら、ひとり1音じゃあ 物足りないなーーー

と 買い足し 買い足し  増殖してきました。




トーンチャイムは みんなで練習しないとなかなか成果があがりません。が

習い事いっぱいの 生徒のみんな そんなには振り回せず。。。

こうしたイベントに誘うにも 躊躇してしまうのです。


でも 今年も やってみて良かったね。

一人で練習しても 全然訳がわからない音楽が

みんな一緒に合わせたら すごく素敵な音楽になる

なにより 響きが 美しい

この美しさを耳で 感じとり  ピアノの響きの美しさにも つなげてほしいな~~と

思います。




職人技

2017-10-24 | 伝えたいこと



昨日の 夕刊を開いたら 知っている方の仕事が大きく記事に取り上げられていました。

知っている、と言っても私が一方的に知っているだけで先方は私の事はご存知ないのですが。

轟千尋先生の楽譜が出版されて

そのお披露目講座があったとき、編集者さんとして横浜のヤマハに来て

編集者としてのお話や、ご自身の子供の頃のピアノのレッスンのお話など少しされていました。

その後も 出版された連弾の楽譜の紹介動画などで ピアノを弾いていらっしゃるのを

拝見したことがあります。








記事になっていたのは ピアノの楽譜の編集者としての仕事


その楽譜が出版されるまでの 楽譜の校正作業について 書かれていたのですが

ピアノを弾く人間として とても興味ある内容でした。


楽譜の校正という仕事は (10年以上も前だと思うのですが)

どこかのテレビ番組で知りました。

その時も 「演奏者が弾きやすい楽譜を作るために、 (例えば)譜めくりをする場所なども

考えて校正する。。」というような話を聞き  「そんな工夫があったんだ! そういう仕事があるんだ」と

とても印象に残りました。

とても弾きにくい難しい箇所で譜めくりをしなくてはいけないような場面に出会うと

「これはね、出版社の人が 弾く人の事を考えないで 楽譜を作ったんだよ」

なんて生徒に話すこともあります。

(コピーした切れ端を貼り付けるとか、 書きこんでしまう、とか自分なりの工夫は
出来るにしても)



メロディというのは(子供のおけいこの曲は特に)4小節の小さなフレーズが

積み重なって成り立っているのに、 紙面の節約なんだか 5小節ずつで段が変わっている

すごーく変な楽譜がたまにあります。

こういうのに出会うと 「この楽譜屋さん、さいあくだよー」とフレーズや楽節の話のネタにする事もあります。



今回の記事には それ以外にも芸術とも言えるような 楽譜編集のこだわり、、が述べられていて

すごくすごく興味深かったです。



『楽譜に使う書体も 曲や楽譜集の雰囲気に合わせて選ぶ』というあたりには

うんうん、と共感!


今は コンピューターでなんでもできてしまうけれど、

こういうこだわりは 芸事をする人は 持っていたいなあ。



わたくしは  ピアノの先生として
 
偏りなく たっくさんの曲を知っていたいので

自分の練習の合間に楽譜棚の 総復習





これを弾いて↑


ココまで来ました↓

シューマン「サンタクロースのお爺さん」は 怖い曲

本当は  Knecht Ruprecht = クネヒト・ルプレヒト サンタのお付きのルプレヒト

サンタは 良い子にプレゼント  ルプレヒトは 悪い子のお尻をたたきに来る!?




音楽の喜びを共有すること

2017-09-02 | 伝えたいこと




この夏、一番 感じる事の多かったことを書こうと思います


良い意味でたくさん感じる事があった出来事(コンサート)です

「感動しました!」「感激!」という書き方をすると なんとなく安っぽくなるので

やめておきますね




社会人1年生になったピアノ生徒が「会社の部長さん(女性)のファミリーコンサートで

ピアノを弾きます」と 練習していました


詳しい話を聞いて とても興味をそそられたので 

そのコンサートに行ってきました





生徒は 名前を聞いたら誰でも知っている 全国展開する英会話学校で講師を

しているのですが



就活をしていた去年、 面接で 「子供の頃から音楽とずっと一緒」

「それは ピアノと 中高大学と続けたSax 」 というような話をしたという事で

入社していない去年は そのファミリーコンサートで Sax を演奏し

今年は 「ピアノを弾こうかな」と言う事になりました



直接の上司ではありませんが

その主催者の方は ピアノの堪能な キャリアママ

2011年の 震災後、 思う事があり

同じくピアノをたしなむご主人、二人のお子さまとピアノ演奏を楽しむために

そして ごく身近な ご友人家族や 会社の若い人たちの ために

そのファミリーコンサートを提供されているようです


しかも 場所は 「おうち」でも はなく  成城の一軒家サロン

ピアノは ベーゼンドルファー


プロもたくさんコンサートに使うサロンなので 名前は知っていましたが


そこを借り切って ごくごく内輪の


会費もあってないような コンサートをなさる。。。




コンサートの全部を聴く事は出来なかったのですが


本当に プライベートな コンサートでした


主催の部長さんの 家族や姪ごさん

子供時代、塾時代の お友達一家

留学先でのご友人一家


会社の元同僚や そのご家族

会社の新入社員

なんと社長さんも ベートーヴェンの悲愴を2、3楽章弾かれました


すごく上手な人ばかりではありません


本当に 普通の人たち

子供が多いので 飽きないように ちいさなハンドベルで遊んでみるコーナーもあったり


ケーキや お茶の時間もちゃんとあります



最初に話だけを聞いた時は


時間も お金も 能力もある人の 道楽???かななんて思いましたが


良い意味で 裏切られました

ご自分の大好きな人たちと 大好きな音楽を 楽しむ時間を持とう
 

しかも ちょっと特別な場所で。。。



という素敵な心意気が あふれていました


誤解を恐れず 書くと


音楽に限らず お稽古事を 大人になるまで頑張った人や

発表することを仕事にしている人の一部には

「自己満足~~」に終始している方も少なくありません


難しいピアノ曲を フォルテで 速~く ガチャガチャと熱演して

満足してしまう・・・・

自己アピールばかりしてしまう

自分だけが 好きなものを 「いいでしょ! いいでしょ!」と押し付けの演奏




この部長さんには 全くそれがありませんでした

「この場所で 1年に一回集まって  音楽を楽しもうね」という素敵な優しい心にあふれていました



若い人の仕事の場は 以前にもまして 厳しくて 難しい事が多いと

思います

でも、この部長さんや(部長さんは ものすごく ピアノがお上手でした)
 

タジタジしてしまいながら、楽譜を見ながら、ソナタを弾き切った社長さん

この方たちの会社ならーーと  ちょっと親心も安心しました



そして


わたしも


もっと謙虚に 過ごしたい  と深く思いました







































 














慣れない

2017-07-08 | 伝えたいこと


先日、町内会の保健委員の動員で 「ウォーキング講座」に行ってきました。

たかが 「ウォーキング」と思って行ったのですが・・・

帰る時は 早くも 太ももの前が筋肉痛になっていました。

それに 想像以上に疲れた!




ふだん、おばあちゃんの体操教室に 週1~2回くらい通っています。


そこで 慣れ切って たらたらやっている事

なんて比較にならないくらい、ちゃあんと身体を動かしたって事でした


 
なんでも 慣れる事は 良い 悪い 両面あるんだ、と、 つくづく思いました



ピアノ教室も 同じ

長く通ってきてくれるみんなに

慣れてきた子たちだからできる素敵なこともたくさんあるけど

いつも新鮮な驚きを 与えられるようにも しないと 



ありきたり が 私には大切

2017-03-02 | 伝えたいこと



 

だいぶ前の話ですが、ムジカノーヴァの昨年11月~今年2月までの4カ月間、
「今月の1曲」の選曲をさせていただきました。





 「ありきたりだけど大切な曲」「誰が見ても ああ、あれ、とわかる曲」 という視点で選んでみました





もちろん、珍しい 人に知られていない 曲も 好きです。興味があります。

むしろそういう曲を発掘するのが好きです。

でも そうやって ありきたりでないものを追っかけたからこそ

ありきたりが 大切に思えます

とくに「エリーゼのために」は 特化してレッスンをします


誰でも知っていて

でもプロのピアニストの演奏で この曲を生で聴くことはほとんどない

弾きようによっては ピアノを習っていない人でも 最初の「みれ みれ みしれどら~~~」からの

10数小節は弾けちゃう



だからこそ

『ピアノを習ってる弾き方』で弾けるまで ガンガン突っ込みレッスンします

「なんちゃってエリーゼのために」は許さないのよ






真相はわからないけれど、エリーゼちゃんのモデルだったかもしれない数人の女性のお話をして

ベートーヴェンの気持ちを想像したり




「♪みれ みれ」のフレーズに 女子にもてなかったベートーヴェンの 

モジモジ感や ドキドキ感がこめられるように レッスンします




う~~んと前に このレッスンをしたときに、小学生の生徒が書いた面白い可愛いイラスト















すごく私の話をよく聞いてくれていて、意図するところも くみ取ってくれたイラスト(マンガ)です


「え~~ 、そんなの取ってあったんですか??!! 恥ずかしいから ダメ」

と高校生になった頃、言ってましたけど

大人になってレッスンには来れなくなったけれど、 あなたのこの走り書き まだ大事に
持ってますよー