八幡市ゆかりの人物、歌人で劇作家でもある吉井勇(1886-1960)の文学碑が松花堂庭園を入ったところにある。戦後僅かに3年しか在住していなかったがこの地で数々の作品を残した。彼は昭乗が住んでいた地にいることを詠んで和歌に残した。そして京都をこよなく愛し数々の歌を残している。そして松花堂を詠んだ歌も数々。女郎花塚は松花堂の中にあり謡曲でも謡われている。
昭乗といへる隠者の住みし蘆 近くにあるをうれしみて寝る
松花堂好みの露地幾うねり 郁子の雨にも濡れにけるかも
女郎花塚のあたり雲雀鳴き 夕日のなかを雲水の来る
聴くほどに心かそけし松花堂 すむしあたりの松風の音
昭乗といへる隠者の住みし蘆 近くにあるをうれしみて寝る
松花堂好みの露地幾うねり 郁子の雨にも濡れにけるかも
女郎花塚のあたり雲雀鳴き 夕日のなかを雲水の来る
聴くほどに心かそけし松花堂 すむしあたりの松風の音
謡曲では、シテ、ワキ、ワキツレ、子方、の役柄があり、謡には、強吟、弱吟があって、それぞれ、うたい方が異なります。
女郎花の曲では、ワキは旅僧、シテは女郎花でこの二人のやり取りが絶妙でなんとも言えない雰囲気をかもしだしている物語です。
これハ九州松浦潟より出でたる 僧にてそうろう 我いまだ 都を見ずそうろうほどに この秋 思ひ立ち都に 上がり(のぼり)そうろう と云うワキ(旅僧)の言上から始まります。
機会が有りましたら謡曲の話でもしたいとおもいます。