「あぁ~、やっぱり曇りかぁ~。」
前日の天気予報は「曇り」の予報だったので、日の出は狙わんかったけど、出来れば晴れて欲しかった(^^;
抜けるような青い空。まばゆいばかりの新緑。
そんな写真が撮りたいんじゃけど、お休みの日と天気がうまく一致せんけぇ今年も撮れそうにない(T.T)
とりあえず、出かけようかぁ(^^♪
いつもの下道を、マイペースで走る。私の車は鈍足じゃけぇ、スイスイというわけにはいかんのんよ(^^;
芸北に入ってきた。
「おやぁ、対向車がワイパーを動かしよる。もしかして・・・雨?」
私の車の窓には、ちょっとだけ水滴がついている。
八幡の方は雨なんかなぁ。まぁ、雨降りセットも持ってきてるし、とりあえず行ってみよう。
八幡に着いた。
雨はどうやらやんだようだ。
しかし、掛頭山も、臥竜山も霧は出ていないようだ。
「よっしゃ。ほんじゃ作戦通りあそこへ行こう(^^♪」
以前から考えていた場所へ行くことにした。
「雨上がりなら、また、それっぽいものが撮れそうじゃ(^^)」
平日の尾崎沼は、誰もない。
鳥のさえずりだけが響き、時折、風で草が揺れる音がする。
もしかしたら、ジャングルの中にまぎれ込んでいるんじゃないか?
なんて、思ってしまうほどだ。
足下の小さな草花を見落とさないよう、ゆっくり歩く。
よう知らん花じゃけど、みょうにシベが長くてイソギンチャクみたいじゃ。
水滴がついていて、雨上がりっぽいなぁ。
そんなことを考えながら、歩いていた。
「ガサ、ガサ。ガサ、ガサ。」
「うわぁ!、ヘビじゃ!! しかも、まむし!!!」
あわてて、あとずさりした。
そいつもびっくりしたようで、急いで逃げていく。
「あ~、良かった。」
逃げていく後ろ姿をしばらく見ていた。
「あっ、写真を撮ってネタにせんといけん(^^;」
まむしが藪に逃げ込んでから撮ったから、こんな写真になっちゃった(^^ゞ
前にまむしに出くわしたのも、確かこのあたりじゃった。
「そういえばあの時は、まむしと熊の両方に注意しながら歩いたなぁ・・・」
そんなことを思い出した(^^)
このときは、まさか、本当に出会うなんて思いもせんかった。
一時間ほど歩いただろうか。
尾崎沼の出口までやって来た。
川のほとりにツツジが咲いていたので、近づいて撮っていた。
「ガサ、ガサ。ガサ、ガサ。」
「うわぁ~!今度の音はでかい!!!」
さっきのヘビの足音なんか比較にならないほどでかい音じゃ。
音の先をじっと見ると、なにやら黒い生き物がいる。
「クマじゃ!!!」
200mmのレンズでノートリミングじゃけ、かなりの至近距離だってわかるじゃろう。
距離は、5、6mか?
コグマのようにも見えるし、大人のようにも見える。
とりあえず、念のためもう少し撮っておこう。
「あいつ、俺のことに気づいて無いなぁ。もうちょっと、近づいてみよう」
私とクマの間には先ほどの小川が流れている。
この写真は、トリミングしています。左側に、耳が見えます。
「顔をあげてくれんと、クマだってわからんよなぁ・・・。」
そのときだった。
クマが顔を上げた。
クマと目があった。
「やべ~、近づきすぎ。」
俺は、フリーズしてる・・・
あいつも・・・フリーズしてる。
でも、飛びかかれるような距離ではない。
間に川もあるし。
そんなことを考えていると、クマはクルリと向きを変え、奥に向かって走っていった。
「あぁーーー、また、シャッターをきれんかった。」
俺は、カメラマンにはなれんのぉ。
大事なときはいつもフリーズじゃ(^^;