看護士さんがその機械が乗ったワゴンを押してきた。
ひと目見たときにそれだと解った。
やがて先生がやってきて説明を始めた。
選択肢は三つ。
・明日再び来院して、別の薬を試す。
・この機械を使う。
・自然治癒力にまかせる。
それぞれのメリット、デメリットを説明された。
ここまで、2つの病院で同じ問診を受け、同じような検査を受け、
やっと投薬での治療が終わったが
結果が芳しくなかったため次のステップということで、この選択となる。
正直早く終わらせたかった。
「じゃ、これで。」
一番早く終わる方法を選択した。
すぐに、準備が始まる。
それは、テレビや映画でよく見る機械じゃった。
私「ひぇ~」
看「つめたいですかぁ?」
看護士さんが体にパットを貼っていく。
先「この準備をしているときに治る人もいますよ。」
私「わかるぅ。ドキドキするもんねぇ(^^;」
先「じゃ、麻酔を始めますよ。」
私「はーい。」
先「効いてきましたか?」
私「いえ、まだ何とも・・・あっ、なんか効いて☆△◇・・・」
話している途中で記憶が途絶えた。
次の瞬間、ドン!
誰かに肩をどつかれたような気がして目が覚めた。
先「おっ、治ったねぇ。」
看「そうですね。」
私「治りましたか?(^^)」
先「えっ?!もう気が付きました?」
私「はい。」
先「痛かったですか?」
私「いいえ。なんかドンって・・・」
先「今、終わりましたよ。ピッタリですね。」
徐々に頭が鮮明になっていく。
私「今考えるとさっきまでは、寝言を言っていたような気分じゃねぇ(^^)」
私「ETみたいに『ドン』の時に体が持ち上がりましたか?」
先「???」
看「???」
私「ET知りませんか?」
先「知ってますよ。」
私「あの中でNASAみたいのがやってきて、ビニールで覆われた部屋でETが死んで、
再び心臓を動かそうとして電気ショックでETの身体がドンって持ち上がった・・・」
先「・・・」
看「・・・」
私「あれれ??これって、昭和のネタじゃったですかぁ~?(^^;」
看「大丈夫ですよ。ここはみんな昭和ですから(^^ゞ」
看護士の女性は気を遣ってそう答えてくれた。
確かに平成生まれはおらんみたいじゃけど、ETをリアルタイムで見た世代もおらんみたいじゃ(^^ゞ
私のネタは流されたハハハ(^▽^)
今日、生まれて初めて除細動器を体験した。
ことのはじめは夜釣りじゃった。
都から帰ってきたおしんちゃんと、その同僚と3人で夜釣りに行った。
夜に備えて、お昼寝も少しだけしておいた。
あまり釣れないまま、何度か場所を変え釣りを続けた。
午前5時頃だったろうか、空が少し色を変え始めた頃
イカ釣りからキス釣りに切り替えた。
そのとき、何か心臓に違和感を感じた。
「キュン」とする感じ。
あの、切ない初恋のような(笑)
ここには「胸キュン」するような相手はおらんけどのぉ~ハハハ(笑)
その「胸キュン」はひどくはならないが、強くなったり弱くなったりしながらずっと続く。
「変じゃのうぉ~。」
違和感を感じながらも釣りを続けとった。
すっかり、夜も明けて雨がひどくなったので撤収することになった。
港に戻り、片づけをして家に着いたのは午前8時。
道具を洗い、借りた自転車を洗ってから部屋に上がった。
すぐに、風呂に入ってすっきりして出てきた時が不調のピークじゃった。
「うぅ~、胸が痛い。」
しかも、しんどい。
こりゃ、絶対おかしいわぁ
普段脈なんか診んけど、気になったけぇ診てみた。
「トッ・・・・・・・トッ・・・トッ・・・トトトト・・・・・・・」
えぇ~、心臓がさぼっとるじゃん。
素人の私でもわかる。明らかに異常じゃ。
当番医を調べ、病院をはしごした後に除細動器の件になる。
他の病気も考えられるけぇ、来週もう一度検査に行く予定になっとる。
原因を聞くと先生は
「一番に高齢。・・・」
#ヲイヲイ!高齢とか言うなよ。せめて年齢にしてくれん(笑)
そんな感じで、まぁポンコツじゃけぇ大事に使えってことかぁ~(^^ゞ