狸便乱亭ノート

抽刀断水水更流 挙杯消愁愁更愁
          (李白)

審査風景

2006-10-26 19:32:30 | 本・読書


審査は、厳正公正忠實に行われた。勿論今日は、部門審査であり、一応今日の審査結果は判ったのだが、これからそれを参考にし、「教育委員会」と称する学識経験を積む、おいら方が最終的判断をすることになる。

僕は今日の段階で、「ボツ」となってしまったが、ブロ友noaさんの要望もあるので書き記す。
本文に忠實ではあるが読点と、易しいと思われるかな書きは漢字に改めた。何箇所でもない。
作者は小4年生。最終決定になるまで、名では名前を伏せてある。勿論僕も知らない。

イシガメの里を読んで
      406(作品番号)
この本は「イシガメ」の生態について、一人の男が一年間にわたり、自然と一体になって貴重な写真を撮り続けた話です。

イシガメは、その名前の通り陸の上での生活が多く、だいたいペットとして家庭で飼われている亀(カメ)とはちょっと違うようです。水中にいる時の行動は、他の亀(カメ)と変わらないのですが、陸上での生活に関しては、まだまだ一般の人達には知られていません。特にイシガメの産卵については、時期や場所、行動のパターンなどは、謎(なぞ)が多いようです。
イシガメは、人間の世界で言う「日光浴」をとても好んでするようです。僕も日光浴は好きですが、あまりやりすぎると皮膚癌(ガン)になってしまったりするので、「イシガメは大丈夫なのかな。」とも思いました。

 十月のある晴れた日に、男性が歩きなれた道で、道端に視線を移すと、このあたりではとても多い、からすへび(烏蛇)が何かを口から飲み込んでいました。よく見ると、イシガメの子供を丸飲み(のみ)しているところでした。男性はとっさに「子亀(ガメ)を助けてあげたい。」と思いましたが、蛇(ヘビ)だって食べなければ生きていけないので、「人間が手を出してはいけないことなんだ。」とも思いました。

 ぼくも前にお父さんから聞いた事があります。「生き物の世界では、弱肉強食が自然なんだよ」と。弱い者は強い者の為に滅(ほろ)ぼされる事らしいです。でもぼくだったら、「助けてあげるかもしれないな。」とも思いました。

 自然の中の生き物も必死で生きていることを改めて知り、ぼく達がペットとして飼っているのは、生き物の本当の姿ではないんだと感じました。ぼくの家にもポメタニアン犬のラリーがいますが、
「犬の世界は大丈夫かな」とすこし複雑な気持になりました。

 最も撮影が難しいと言われるイシガメの産卵の季節がきました。イシガメは水辺(水べ)から数百メートルも離れた陸上で卵を産みます。足で土を掘り起こし、卵を産み、その上に又土を器用に乗せるらしいです。本を見るとウミガメの産卵シーンを思い出しますが、イシガメの場合は、人や敵の気配を感じると産卵をしないそうです。でも男性は見事に写真を撮ることに成功しました。長い間、男性がイシガメのおつき合いをしてきたから、この人は
「信頼(信らい)出来る人間なのかな。」と思ったのかもしれないのです。とてもすてきな事だと思いました。

 男性が長い時間を使ったからこそ、イシガメと仲良くなり、お互いに分かり合えた気がして心が温かくなりました。
 ぼくはこの「イシガメの里」を読んで、全ての生き物が自然の中で、当たり前のようにせいいっぱい生きていることを学び、命の大切さを改めて教えてくれたような気がして、とてもうれしく思い、ぼくもイシガメに会いたくなりました。

小生の読後感

〇難しい漢字を使いこなし、内容も立派です。
☆☆☆☆←昔の岩波文庫の☆を真似た。 (tani)