狸便乱亭ノート

抽刀断水水更流 挙杯消愁愁更愁
          (李白)

われ「一日小学校教諭」の記

2006-10-17 17:39:01 | 本・読書

私の家庭にはもちろん小学生はいない。夏休みに約1週間、正月に数日東京から6年生の長男と、3年生になった長女が親子で来て逗留するが、わいわい騒いでいるばかりで、二人が書いた作文などまだ見たことがない。
今般、町の文化祭前後の行事として小学校中学年(3~4年)の読書感想文を読む機会を得た。考えていたものとは、だいぶかけ離れた、しっかりした感想文である。
 
うちの子供たちもこういうことが書けるのだろうか?だいじょうぶなのかい。オイ! 正月に気合を入れなければなるまい。喝!
それはそれとして、幸い、私はパソコンでの冊子作りは手馴れている。この機会に作品を美本(?)に仕上げ、子供たちに分けてあげたいと思っている。
しかし、ただちょっとひまいがない。25日までお酒を控えて頑張るしかあるまい。

今日打ち込んだ感想文1題。
「ロボママ」を読んで
307(3年生作品)
 ジェイムズのママは、家事が苦手です。おまけに、ロボットのけんきゅうの仕事がいそがしくて、ジェイムズは世話をしてもらえません。洋ふくのボタンがとんでしまうほど小さくなってなっても気がつかないし、ジェイムズがゆでたまごが好きだというと、毎日ゆでたまごばかりつくります。わたしは、ジェイムズがかわいそうになりました。だからジェイムズの家にロボママが来て、おいしい料理やきちんとした生活ができるようになったので、ジェイムズはとても喜んでいました。わたしも良かったなあと思いました。

 ロボママは、料理やそうじ、その他の家事もかんぺきにできます。わたしは、一年に二日だけ、ロボママをわたしの家にもかりたいと思いました。
それは、母の日とお母さんのたん生日です。お母さんは毎年、母の日に、お姉ちゃんとわたしに、
「母の日とたん生日はプレゼントはいらないから、一日中何もしないでのんびりしたいなあ。」と言います。

 わたしもお姉ちゃんもまだ家事の全部はできません。母の日は日曜日だから少しは手つだえるけど、おたん生日は日曜とかぎらないから、夕食を外で食べるくらいで、あとの家事はふだんと同じです。だから、ロボママがくればお母さんは朝から何もしないで、のんびりできると思ったからです。

 でも、わたしは、ロボママをかりるのはこの二日だけでいいです。なぜなら、わたしはロボットと一しょにくらしたいとは思はないからです。ロボママには思いやりとか、やさしさがありません。一しょにゲームをしても全部ロボットが勝ってしまうし、ジェイムズがころんだ時も病気になった時も心配してくれません。ロボットは、心がないから、かなしいとか、つらいという気持がわかりません。
思いやりもないから、最後にジェイムズの家を出る時、れいぞう庫の中はからっぽで夕食を何も作ってなかったのだと思います。

 ジェイムズが病気の時、ママは心配して帰って来てくれました。お友だちもきてくれました。ロボママは、べん利だけれど本当の家族にも友だちにもなれないと思いました。ロボママが来て、きちんと生活ができても心が通じないとジェイムズはかわいそうだと思いました。

ジェイムズはロボママとくらしてみて、心が通じるママとくらすしあわせが分かったとおもいます。ママは新しい仕事で又出かけてしまうので、ロボママが来ます。でも今度は、ママと心が通じていることが分かったから、さびしくないと思います。

わたしのお母さんも、母の日やおたん生日に、ロボママをかりるより、本当は、わたしとお姉ちゃんが手つだった方が、よろこぶような気がしてきました。それは、やっぱり家族だから、心が通じているからです。

○段落、読点、若干修正。漢字はママ)