狸便乱亭ノート

抽刀断水水更流 挙杯消愁愁更愁
          (李白)

堕落論

2006-05-27 21:48:04 | 怒ブログ
 半年のうちに世相は変わった。醜の御楯といでたつ我は。大君のへにこそ死なめかえりみはせじ。若者たちは花と散ったが、同じ彼らが生き残って闇屋となる。ももとせの命ねがわじいつの日か御楯とゆかん君とちぎりて。けなげな心情で男を送った女たちも半年の月日のうちに夫君の位牌にぬかずくことも事務的になるばかりであろうし、やがて新たな面影を胸に宿すのも遠い日のことではない。人間が変わったのではない。人間は元来そういうものであり、変わったのは世相の上皮だけのことだ。    坂口安吾「堕落論」より

すぐ近くに居を構えるボクの義兄は「サンケイ新聞」を取って(購読して)いる。
理由は購読料が他の新聞と比べ安い理由による。年金生活だけでは、新聞と云えども家計に与える影響は甚大であることはいうまでもない。

ボクだって年金生活の悲哀はいやというほど味合わされている。しかしまだ朝日新聞から、産経や東京新聞には踏み切れないのが実情だ。両紙の購読はあまりにも負担が多すぎる。家内はどうしても朝日だという。「折々のうた」や、以前「花折々」を切り抜いていたからである。

産経と朝日の喧嘩は面白いといえばそれに違いない。ボク自信「産経新聞」見たさに義兄宅に行くこともあるし、「つくる教科書」問題が論議された頃には随分切り抜きをさせてもらった。
今日また昨日の産経(総合版)を頂いてきた。
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安倍氏  自主憲法の制定必要
麻生氏  教育勅語徳目を肯定
 教育法特別委  持論を展開
安倍晋三官房長官は二十六日の衆院教育基本法特別委員会で「個人としての感想」と断わったうえで
持論を展開。憲法改正の必要性を力説した。麻生太郎外相も、明治天皇の名で国民道徳や国民教育の理念を明示した教育勅語に関して自説を披露した。

安倍氏は「私はもともと改憲論者だ。それには三つの理由がある」と指摘。「一つは憲法の制定過程。占領下に(連合国軍総司令部の左派グループの)若きニューディーラーを中心に原案がつくられた。そして制定から60年近くたって、現状と必ずしも合っていないところがある。三つめはやはり、私たち自身の手で憲法を変え、時代を切り開く精神こそが新しい時代をつくっていくからだ」と訴えた。
 また、「自民党も(昭和三十年の)結党の精神は、占領体制化でつくられた枠組みである憲法や教育基本法は、自分たちでつくっていこうと掲げていた。しかし、これが後回しにされてきた。しっかりとした決意を持って教育基本法改正に臨んでいる」と強調した。

麻生氏は「教育勅語は私の世代にはもうなかった」と断わりながらも「朕思(本文は旧字)フニ…」で始る教育勅語をそらんじてみせた。「お父さん、お母さんに孝行しなさい、兄弟、夫婦は仲良くしなさいと当たり前の事が書いてある。ここまでは全然おかしくない」と指摘した上で「『天壌無窮(テンジョウムキュウ=永遠に続くこと)ノ皇運(コウウン=皇室の運)ヲ扶翼(フヨク=助けること)スヘシ』と書いてあるのが引っかかる。『国運』ならばよかった。しかし、戦争に突入したこととの関係はなかなか見いだせない」と解説した。5.27付産経新聞(総合)