車椅子で卓球@渡邊剛

2013年より車椅子卓球をスタート。備忘録の意もこめてここにブログを綴ります。
内容は基本パラ卓球、時々食文化。

ドイツ・バイロイト・オープン2017

2017年06月21日 02時19分46秒 | 日記
満を持して行ってきました。

がシングルスは予選敗退。

団体戦は日本人ペアで組むつもりが急遽クラスの異なる日本人の先輩も加わることになり3人でチームを構成。

僕は団体戦の勝利はダブルスにありと意識しているので直前まで自主練習をしていたのですが、先輩方でダブルスを組むということになったので僕の団体戦での出場はシングルスのみということに。

でも海外の複数の選手から「なぜお前がダブルスに出ないんだ?」と聞かれたのが、少しは認めてもらえているのかなと嬉しかったのでした。

その団体戦は予選を2位で勝ち上がり1勝すればメダル確定という組み合わせに。

対戦相手は僕からすればランキングは遥かに上のヨーロッパのベテランペアで、甘いボールはバチンバチンと打ってくる攻撃的な選手2人。

オーダーはダブルスの後、シングルス1番手に日本のエースと相手チームの2番手が当たるという組み合わせで、上手くいけば2-0と期待。

逆に3番手まで回ってくれば僕と相手エースという絶対的に不利な状況に。

僕はベンチで祈っていたけど、相手ダブルスはかなりの強敵ながらフルセットで見事に勝利。

でも次のシングルスは相手の危機感から来る猛プッシュで落とし、1-1で僕に回ってくる。

でもこの時点で「勝てばメダル」とかそういう雑念はなく、シンプルに「いくぞ!」という意識で挑めたのは良かったと思う。

相手エースは2月のイタリアでも見ていて、正直その時は「これには敵わない」と思った選手。

でも今回対戦して全くそうは思わなかった。

むしろ「いける!」と思えた。

1セット目は序盤から良い出足で9-4と5ポイントのリードを奪うところまでいった。

でもそこから勝ち切れなかった。

2セット目3セット目も同様で、リードする展開がありつつもそれを維持できない。

そしてそのまま敗退。

全般的に競った試合は内容的にも全く悪くはなかったと思う。

練習でやってきたこともちゃんと出来ていた。

見てくれていた日本チームのみんなからも凄く良い試合だった、惜しかった、1セット目が取れていれば・・・という声を多くいただいたし、「しっかりと(僕の)プレーを見るのは初めてでしたけど、好きですよ、あの卓球」とまで言ってもらえたり、自分自身の成長は実感できたので良かったけれど、チームに貢献できなかったのは悔やまれるし情けない。残念なこと。

この試合で特に学べたのはいわゆるベンチワークのような視点と考え方。

プレー云々も大切だけど、ゲームを俯瞰するような感覚も持っていなければそのゲームそのものを支配できない、勝利を掴めないと痛感。

タイムアウトのタイミングにしてもその判断と実行にしてもそうだし、相手を見る目と相手ベンチの考えをも見抜くような目を持たねば、クールな頭脳を持っていなければ卓球という競技で勝利をあげるのは難しい。

でも今回のドイツに行く直前にそのことを学び始めたばかりなので、だからこそそう思えたのかもしれないけれど、僕が手をかけた扉は間違ってはいなかったと確信できたのは嬉しい。



シングルスは4人の予選ブロックで僕は4番手。

対戦相手は全て格上。

初戦の相手はこれまたイタリアで見たヨーロッパの強豪選手。

でも終始リードを奪う展開が続き1セット目と3セット目はセットポイントを先に僕が奪ったほど。

でも勝ち切れなかった。

初見のアフリカ大陸代表の選手からは1セット目を奪いリードする展開に。

それ以降も競った内容でプレーするも逆転負け。

予選ブロック1位の選手はヨーロッパのベテランで世界ランキングも1ケタの選手。

シングルスでの対戦は初めてだけど、その強さは十二分に知っているつもり。

でも1セット目は良い展開でもう一歩で奪えるところだった。

でも2セット目以降は相手が戦術を変更し自分の思うようなプレーをさせてもらえなかった。

そこがやはり格の違いというか上手さの違い。

持っている引き出しの数が桁違いだった。

でも相手にならないというわけではなく、通用するものがあったからこその戦術変更であり、それは逆に一瞬でも危機感を抱かせたからと勝手に受け止める(笑)



いずれにしても「勝てないことはない」と確信できた試合ばかりだったので、ここから先はむしろ自分自身と向き合って努力していく段階なのかなと思えた。



僕はまだ海外で勝てない試合が続いているけれど、僕の試合を見て応援してくれた日本チームの先輩方からは「(僕が)積み重ねてきたもので勝てる日が近いことを確信していますよ!」と言ってくださった。

「積み重ねる」ということの大切さを知る先輩方からそうした言葉をかけてもらえるのは実に嬉しいしありがたい。大きな励みになる。



でもまだ足りないから負ける。

だからもっと積み重ねなきゃいけない。

足りないものがなんなのか、今回は自分目線でも明確だった。

技術的な部分、それ以外の部分、これまでがcm単位でしか分からなかったものが今回はmm単位で理解できている気がしている。

コーチを始め、僕にはそれを確認し、実行、修正する環境もある。



道はまだまだ長い。

でも時間は長くはない。

海外の奴らはもの凄く頑張っている。

今回試合以外の部分でもドイツで見たものはまさに彼らの「頑張り」を表すのもで、彼らと同じステージに上がるためには今まで以上にやらないといけないと思い知らされた。



僕はまだまだ経験が足りない。

それはプレー以外の部分でもそう。

コンディショニングだったり、メンタルだったり、ベンチワークだったり、そういう部分でももの凄く勉強できた今回のドイツ。

だからこそ、卓球選手としてひとつ成長できた気がしている。

今回のドイツで今までとの一番の違いを感じたのは試合後の握手だった。

「ナイスゲーム」と思ってもらえたからだろうけど、相手選手もベンチも固い握手をしてくれたし、その試合以降も親しく接してくれた。

「もし別の大会で会った時は、団体戦一緒に組もうぜ」とまで言ってくれる選手もいたし、まだまだ高い壁がそびえてはいるけど、ようやくここまで来れたという気もしている。



勉強すること、努力することはまだまだたくさんあるけれど、そうすることで自分自身が成長できていると実感できるのは何よりも大きな喜びで、それがまた励みとなってさらに頑張っていこうと思える。

これは何も卓球やスポーツに限ったことではなく仕事でも趣味でも全ての物事に当てはまることだし、全ての人に共通する価値観だと思う。

僕はそのことを知っているし、今回またあらためてまた理解できたように思う。



努力する、頑張るというのは人それぞれ、その価値感や基準も人によってみんな違っている。

でも僕は自分なりではダメだと思っている。

少なくとも、他人と競う競技である以上、ライバルを上回る努力を積み重ねなければ勝てるわけがない。

だけどどれくらい努力しているのかを正直に全部語る選手はまずいない。

だからこそ、「こんなもんじゃダメだ」と自分に厳しく積み重ねていくしかない。

先輩方はそれを知っていて、実践し、積み重ね続けている。

そういう人とそうでない人は一目瞭然。

その違いを知るのに言葉は必要ない。

だから海外の選手の後姿を見ただけでもその積み重ねている努力の大きさが理解できる。

そういう選手は間違いなく強い。

オーラを漂わせている。

だからカッコイイ。



今まで以上に実に良い勉強が出来たドイツ・バイロイト。

海外の選手だけでなく日本チームの先輩方からも多くのことを学ばせていただいた。

この学びを活かすも殺すも自分次第。

世界の連中は僕の前をかっ飛ばしている。

必ず追いつきます!

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