車椅子で卓球@渡邊剛

2013年より車椅子卓球をスタート。備忘録の意もこめてここにブログを綴ります。
内容は基本パラ卓球、時々食文化。

久々のメダル獲得!

2022年09月15日 22時31分27秒 | 日記
フィンランド大会に行ってきました。

シングルスと男子ダブルス4にエントリー。

シングルスでは銅メダルを獲得することが出来ました。

ダブルスは初めてのパートナーと初めてのクラスでのエントリー。

トーナメントは無く5チームでのリーグ戦となったのですが、接戦をものに出来ず全敗の5位となりました。

シングルスでは予想していた組み合わせが外れ、7年ぶりの対戦となる格上と、新人を含む未知の選手2人の計3人との予選リーグとなりました。

初戦はその未知の選手でした。

ランキング的には格下になるのですが、もちろん気を抜くことなど出来ません。

相手の弱点を見抜けたとしても、偶然やアンラッキーなどたまたまの一本で流れが大きく変わるのが卓球の常。

案の定、出だしは優位に進めたものの、途中からポンポンと点数を奪われ気が付けば6-9の追い込まれる展開に。

ここでセットを奪われて、そのままの流れで負けてしまうのが僕の負けパターン。

でも今回はそこから逆転し11-9で第一セットを奪うことが出来ました。

後の2セットは終始自分のペースで運び、結果は3-0での勝利。



今大会、この初戦の1セット目が大きかったように思います。

その後の新人との対戦も終始自分のペースで運べたのは、初戦のこの1セット目の勝ちがあったから。

それは技術やフィジカルではなく、思考と感情のコントロールが出来ていたからだと思います。

まさにトレーニングの効果でしょう。

自分で言うのもなんだけど(笑)



以前、あるコーチから「格下には絶対負けないでしょ」と言われたことがあります。

そんなことは無いのだけれど、ただ、その時何故そのコーチがそう言ったのか、それがずっと気になっていました。

最近そう言われた理由が少しずつ自分で理解出来てきたようにも思いますが、今回はまさにそれを象徴するような結果だったと言えます。

自分で言うのもなんだけど(笑)



でも逆に、予選での格上の選手への対応は今一つでした。

それは負けた準決勝戦にも同様のことが言えます。

「向かっていく」時にどうあるべきなのか、どうするべきなのか、それをちょっと判断ミス、選択ミスをした感があります。



ただ、自己評価では悪くも無かった。

身体の大きさや腕の長さに違いはあったとしても、そこで差を感じることは無い。

フィジカルと技術、それは間違いなく通用するし、勝っている点も多々ある。

ただ、ちょっとボタンを掛け違えちゃった。

だから負けた。



逆に掛け違えずに成功したのが準々決勝。

7月のタイでも同じ準々決勝で対戦し負けた相手でした。

お互いに直近の対戦経験もあったので、彼が僕に対して高い警戒感を持っているのは明らかでした。

だからチャンスと思っていましたが、それで力んでしまっていたのか1セット目こそダメダメで、相手に余裕を与えるような負け方をしました。

がしかし、2セット目からも焦ることなく自分のプレーを徹底させた結果、流れはずっと自分にあり、相手の焦りなど心理面も手に取るように分かるので、終始有利に、ある意味思い通りに試合を進めることが出来、結果3-1で勝ったのでした。

この勝利は嬉しかった。

久々の格上への勝利とメダル獲得となったのですから。

でも、負けた試合は残念なものであり悔しいものです。

もっとこうしていれば良かったと反省点が複数見えます。

それが素晴らしい。

自分で言うのもなんだけど(笑)



今回は期間中コンディションも良く、帰国もスムーズに行えるようになったので、ストレスも無く移動を含め期間中の時間は実に穏やかで良い時間を過ごすことが出来ました。

その背景には遠征先がフィンランドだったというのもあるのかもしれません。

これはもちろん僕の個人的な意見であり、個人的な感覚ですが、初めて訪れた北欧フィンランド、その空気感が僕にはものすごく心地よかったからです。

その自然の美しさ。

空の色、緑の色、湖の色。

自然だけではありません。

その中に「共存」する人口建造物の自然との調和。

人間が自然と対応な立場で共存している様を目の当たりにしたような、ある意味衝撃を受けました。

「自然を大切に」というスタンスが上から目線ではなくあくまでも自然とイーブンの立場で実践されている。

それが要所要所で感じ取れる。

自然をさらに大きなスケールの環境として大切にしていこうという日常の取り組みがスタイルとして成立している。

自然に対してそんなスタンスだから、もちろん人に対しても同様にナチュラルかつジェントルでスマートに接することを基本としている。

それは道路を走る車の運転にも良く表れていると思いました。

それがものすごく心地よい。

そんな環境だから、滞在先の食事もまたすごく良かったのでした。

別段凄いものがあったわけではありません。

スタンダードなメニューが並ぶブッフェなのですが、その内容ひとつひとつがナチュラルで良かったんです。

一番最初に食べたゆで卵でそれを実感しました。

それは卵黄の色です。

今や日本の卵は鶏のエサにパプリカ色素を加えてオレンジに近いような、黄色味を濃くするようにしてあります。

その方がより栄養価が高いイメージ、より高級な印象を与えるから。

いやいや、パプリカ色素という添加物が加わっているだけですから(笑)

対して今回のフィンランドのゆで卵、僕が子供の頃食べたゆで卵と同じ淡い黄色をしていました。

あぁ、ナチュラルな色だと嬉しく思いました。

サラダの野菜たちもそうです。

フレッシュの野菜を厨房でカットしメランジェ(混ぜ合わせる)しているんだな、調理しているんだなっていうのが想像できます。

例えばサラダの具材のタンドリーチキンなどは仕入れてカットするだけなのかもしれない。

魚のフライなども同様かもしれない。

でもラグーなどは明らかにこの厨房で作っているものだなと思えたし、その作り手の顔が見えてくるような味わいで、効率を求めない、見栄も張らない、あくまでも自然なスタイルで「これが私たちよ」と言わんばかりに胸を張って料理を提供している。そうしたナチュラルなスタンスの厨房の在り方が想像できて、そこから生み出される料理が素晴らしいなと思えたのでした。

だから、朝のチーズやヨーグルトも、それに使うベリーのソースも「ナチュラル」なもので美味しかったし、ハムもコーヒーも毎朝同じものを美味しくいただきました。

パンは人によっては「パサパサで美味しくなかった」とも言ってましたが、そりゃぁ日本のパンとヨーロッパのパンとでは常識が違うので(気候の違いからか求める水分含有量が異なる)致し方ないでしょう。

僕はライ麦パンやチーズのパンなどを食べてましたが、いずれも美味しかったです。



そしてなによりもまず、水が美味しかった。

通常、大会ではミネラルウォーターが配られるのですが、今回は空のボトル(水筒)が配られ、「水道の水を飲んでください」というものでした。

最初は違和感を覚えましたが、飲んでみるとこれが実に美味い。

日本の水よりもずっと美味しい印象です。

この水の味わいもまたナチュラル。

自然との共存が成立しているからこその味わいなのかなぁと想像していました。

そんな環境だったから、より良いコンディションを維持できたのだと思います。

ムーミン誕生の理由が分かる気がします(笑)



余談ですが、今回は仲の良いイタリアの友人とも再会出来ました。

そして彼は僕のコーヒー好きを覚えてくれていて、僕の好きな彼の地元名産のコーヒー豆と、エスプレッソ抽出ポットをプレゼントしてくれたのでした。

あまりの感動に思わず「I Love you」と伝えておきました(笑)

側には彼の奥さんもいたのですが(笑)

そうした海外の選手達との交流もすごく楽しく嬉しいものです。

今回は新たな仲良しも出来たし、コロナが落ち着いてくればこれから先はこうした交流が更に増えていき、以前のように世界の距離と、人と人との距離がもっと縮まっていくことでしょう。



そして僕は次のポイントへ向かいます。

照準をしっかり合わせて、トレーニングを重ねていきます。

一攫千金を狙うのではなく、毎日コツコツと積み重ねていく。

積み上げたものが武器になるって歌詞の曲があったな。

日々の積み重ね、それしかないし、僕にはその方が性に合っている。

今はムーミン顔になっていてもいい(笑)、頑張っていこう。

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