車椅子で卓球@渡邊剛

2013年より車椅子卓球をスタート。備忘録の意もこめてここにブログを綴ります。
内容は基本パラ卓球、時々食文化。

トレーニング

2015年12月10日 00時19分51秒 | 日記
先日練習をしている時、体育館のフロアで車椅子バスケの選手が練習しているのを遠目で見ていた。

時々お会いする方とはまた違うチームの方のようだった。

その日見た方は恐らく僕と同じ程度の障害だと思われる方だった。

だからこそその動きや車椅子の操作技術、また車椅子そのものも注意深く拝見させていただいた。



車椅子バスケに限らずラグビーもテニスも陸上も、選手の身体能力は恐ろしく高い。

体つきももの凄くマッスルだ。

上半身なんてとんでもない体つきをしている。



車椅子バスケの場合、専用の車椅子でプレーをする。

あの車椅子、一度乗ったことがあるけれどもの凄く軽やかに動く分くるくる回って落ち着かない。安定しない。

真っすぐ走ることですら簡単ではない。

そんな車椅子にのって、動きを妨げようとする相手選手が複数いる中その車椅子を器用に操作して動き回り、あんな重たいボールをあんな高さのゴールに向かってシュートを打つ。

しかももちろんブレーキなどしない不安定な状態でシュートを打つ。

とんでもない身体能力とチェアスキルが必要とされるのは明らかだ。



バスケに限らず他競技の選手も間違いなく競技の練習とは別に個人でもフィジカル・トレーニングを欠かさず繰り返しやっているはず。

少なくとも僕の知る選手はそういう人達ばかり。



そういう競技に対して車椅子卓球は車椅子そのものの動きはそれほど多くを求められない。

むしろブレーキをかけた方が安定して出来るからそうした方が良いというアドバイスまで存在するほど。

だから競技に伴うチェアスキルという考え方も恐らく国内ではないと思う。

少なくとも僕は耳にしたことが無い。



卓球においてブレーキの有無がどうなのか、チェアスキルの必要性などをこの場で意見するつもりは毛頭ない。

ただ、同じ「車椅子競技」として考えた場合に見る立場からすれば「車椅子をあんなに器用に操作して不自由な身体を精一杯動かしまくって懸命にプレーする姿に感動する」から評価や支持を得られるのであれば、ここは僕も卓球選手として出来る限りそうしたプレーヤーになることを目指さなければならないと思うのだ。



そこで、チェアスキルをより高くするためにはやはり基本となる筋力が必要となると思う。

だからどの競技の選手もマッチョな上半身なんだな、きっと。

それをベースとして、その先に各競技ごとの技術、スキルが求められるのだと思う。



卓球の場合、ある先輩にその話をしたら「筋肉をつけると身体が重くなって動きが遅くなる」と言われたことがある。

確かに一理ある。

プレーヤー同士が向かいあってやる競技としてもっとも距離の近いのが卓球。

自分が打ってボールに対し相手が返球して自分のコートに返ってくるまでに1秒かからないことなんてざらなこと。

素早い判断と反応が求められるので身体の動きが遅いと言うのは致命的だ。



でも健常者のトップ選手は誰もがしっかりした体格をしている。

ヨーロッパの選手だけでなくアジアの選手もそうだし、日本人の選手も同様だ。

先日実際に見た日本のトップ選手(障害者ではなく一般)もオーラを漂わせるほどの体格をしていたし、現役を退いたコーチ陣でもやはり体格は「アスリート」している。

そうした選手やコーチの動きは決して遅くはない。

むしろ超速い。

尋常じゃない速さだ。

海外の車椅子選手もはやり動かせる部分はマッチョな体つきをしていた。

そして動きも速かった。



僕は全然細い体つきをしているけど、僕がこの目で見たもの凄く速い動きをするアスリート体系の方々の体格に比べれば全然足りていない。

だからもっともっと筋肉をつける余白はたくさんある。

動きが遅くなるようなことはないだろうし、そうならない質の高い筋肉をつけるべく質の高いトレーニングをすれば良いだけの話なのだ。



だからやっぱりフィジカル・トレーニングは必要不可欠だという結論に行きつく。



同じ車椅子と言っても一人一人身体の状態は違うので同じトレーニングがどこまで効果を発揮するかも人それぞれとなる。



だから自分で考えながら進めていくしかない。



多少遠回りをする結果になったとしても、積み重ねた努力は嘘をつかない。



少なくとも、海外の連中はずっとずっと多くのトレーニングを重ねて今の身体を作り上げているはず。



持って生まれてきたなんてラッキーなものじゃぁない。



やつらの努力の証のはず。



そいつらと対等にやりあうためにはまずその土台を作らなきゃいけない。



卓球も立派なスポーツだ。



そんなに甘くはない。



だから来年は今まで以上に身体づくりもしっかり取り組んで、他の競技の選手にも対等に見てもらえるようになろうと思う。