漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

第9話/なぐさめと励まし 予告編

2008年06月30日 06時42分23秒 | 第9話/なぐさめと励まし

 18世紀欧米小説最大のヒット作は、
ジャン・ジャック・ルソー(1712-1778)の
「ヌーヴェル・エロイーズ」でした。

 1760年の年末に、オランダで印刷され、
61年の1月28日に発売されました。
英国のロンドンでも売られたのだそうです。

 スイスに住む男爵令嬢ジュリは、
家庭教師のサン・プルーと恋愛関係になり、
子供も授かりますが、
両親の反対で引き裂かれ、流産の後に、
父の友人で30歳近くも年上のロシア人貴族、
ヴォルマール男爵の妻となり、男の子が2人生まれます。

 世界旅行から帰ったサン・プルーは、ヴォルマール家に
迎えられ、子供達の教育係となります。
サン・プルーはヴォルマール氏と互いに尊敬し合いつつも、
ジュリへは未練があり、危険と背中合わせの生活でした。

 やがて、サン・プルーは恩人の英国人ボムストン卿の
イタリア行きに同行しますが、
その間に、ジュリは湖に落ちた子供を助けようとして
亡くなります。

 サン・プルーの元へは、愛の告白が
書かれたジュリの遺書が届くのでした。

 手紙形式で書かれたこの恋愛小説は、1761年から1800年までに、
約70版を重ねました。
英国では、当時増加して来た女流作家達にも大きな影響を与え、
ジェイン・オースティン(1775-1817)の6大恋愛小説へと繋がって行くのでした。

 マルセルは、カフェ・ブルトンが主催する「英語の会」へと、
ゲストとして招かれ、好意を持つマリアンヌに接近しますが、
彼女が大好きな「ヌーヴェル・エロイーズ」を知らなかったために、
連れなくされた上、彼女の取り巻き達にもバカにされてしまうのでした。





 

この記事についてブログを書く
« 前の記事へ | TOP | 第9話登場人物紹介 »

Recent Entries | 第9話/なぐさめと励まし