ハリソンさんは、サンジェルマンのカフェ・ブルトンに英語講師として雇われ、
上階で暮らしていた時に、マリアンヌに岡惚れ しちゃいまして、
恋愛小説大好き娘のマリアンヌの気を引こうとして、
「君が僕の書いた本を読んでくれたら―と思います、マリアンヌ。
今、君が興味を持っている英語の勉強にもなると思うし、
君の好きな恋愛の話だしね。
僕にとっては、『英国の至宝』シェイクスピアを、
ささやかながらも―拙いながらと言った方がいいかもしれないけれど、
―海を越えた先の人へと紹介できる光栄に浴する事となるのだし、
何よりも僕の読者が一人増えてくれるのだからね。」
…とか何とか言っちゃってる手紙を添えて、マドモワゼル・ブルトンへと
(ロンドンの版元から送ってもらった在庫を自腹で)プレゼントしたのでした。
こらーっ!人の純情を笑い物にするんじゃありません。
ママンはあなたをそんな風に育てた覚えはありませんよ!
明日は、ハリソンさんからシェイクスピアの超有名&人気悲劇作品の
小説化の仕事を奪い、彗星の如く1759年の英国文壇に登場した天才青年作家の話。