「 トリストラム・シャンディ 」 5・6巻は、
史実上でも実際相当に売れ行きが悪かったらしく、
初版は4000部だったらしいのですが、
再販が出たのは、最終巻を出した1767年だったそうです。
8巻の第6章を書いている段階では、
「 まだ荷車10台分の在庫があって、どうやって売り捌いたらいいのか分からない。 」
― とか、書いてありました。
…いったいどこが悪かったんでしょうか?
やっぱり、情緒より頭脳に訴える書き方をしていたから?
それから、
戦闘ごっことか、
頭脳に自信満々な方々がみんなで集まって議論とか、
艶々ばなしとか、
― マッコテ男祭りで、
当時台頭著しい、
女性読者が疎外されてるとか、
見下されてると感じてしまう内容だったんでしょうね。
「 ル・フィーヴァー中尉の話 」
すらも肝心の泣き所で、
シャンディさんが機知をひけらかして余計な事を言い、
ブチ壊しのオチにしてしまったりして、
「 泣かせなさいよ! 」
― と、がっくりした人もいたのでしょうな。
ちなみに、 「 ル・フィーヴァー中尉の話 」 を、
スターン聖下が献呈した相手のスペンサー伯爵夫人って、
故ダイアナ元妃さんのご先祖様で、
キーラ・ナイトレイさん主演映画の主人公の、
母親だったっていう人じゃないかって?
…ふと思ったのですが。
作者だって、
大人気猫まんが 「 くるねこ 」 で、
仔猫の引き取り手がみつかり、
くるさん with 愚連隊のみなさんとの別れの時が来たって辺りで、
または、拾った仔猫が看護の甲斐無く衰弱死してしまう辺りで、
くるさんがシャンディ的オチにしたら、
きっと怒りたくなるに違いない!
( 今の所、そーゆう事は全くありませんが。 )
…でも、もしかしたらシャンディさん、
自分が泣いている時に、
助けてもらえないどころか、
指を差されて嗤われるなんて事すらされたっていう、
屈辱の経験があるのかも。
自虐ネタで苦難を乗り切れたりすると、
人は心が強靭になれるのかもしれませんが、
案外、人の気持ちが分からなくなり、
辛い立場の人の気持ちへと素直に寄り添えなくなります。
品性も低下して行き、
海援隊の 「 贈る言葉 」 の歌詞が、
心にじーんと沁み入って来る事もありません。
う~ん、それにしても、
「 トリストラム・シャンディ 」 、尼将軍様によりますと、
今時の歴女様方々や腐女様方々でも萌えん感じの、
…よく分からん、言語化できんが、何かが足らん…。
――だとの事です。
〈 次回の更新は、7月9(金)・11(土)日の予定。 〉
次回から3週に渡って、お手紙公開!