漫画/ハリソンさんはカノ紳士 Mr.Harrison is THE GENTLEMAN ― フランス通過編 ―(前半)

18世紀欧州が舞台の歴史ロマン。アヴィニヨンの薬屋小町クレールとハリソン&マルセル主従との運命の出会い。

どこかのお姫様にも同じ事言ってんでしょう?

2010年06月20日 19時14分07秒 | 第16話/天才少年と手紙

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* * * この物語は、基本的にはフィクションです。 * * *



 モーツァルトさん、 「 ベルサイユのばら 」 の中にも、
それは出て来たし、
モーたん映画の中にもよく出て来るようですが
― とはいえ、 「 アマデウス 」 では出て来た記憶が無いけど、
― それはともかくとして、有名なエピソードなんですが、
6歳の時、御前演奏をするため、オーストリアの皇居を訪れた時に、
すっ転んだのを助けてくれた、

7歳だった、
かのアントワネット様にプロポーズしている。


― のでした。

 で、お姉さんが、その事をシッカリ覚えていて、
吹き出しているんですけどね。

 その後、ご存知のように、アントワネット様、
この物語終了後の2年後くらいに、
フランス王太子妃になって、
フランス革命で首チョンパの刑に処せられてしまうのですが、
最後に過ごした牢獄で歌っていたのは ―― 、

…ハイドンさんのある交響曲の第2楽章だったらしいです。

 モーツァルトさん、
大人になってから、雇用主のザルツブルク大司教さんとケンカして、
パリへと転職活動をしに行ったのでしたが、
その時は、子供の頃とは打って変わって、
王妃となっていたアントワネット様とは会う事すら無く、
もっと下の貴族階級の方々からも、
軽くあしらわれてしまうのでした。

 死の前年くらいに、
困窮状態を見かねた年の差友人であるハイドンさんが、
一緒に英国に行こうと誘うのでしたが、
ある映画では、

「 その頃まで生きていられるか分からない。 」

― と、モーたんが断っていました。

 ハイドンさんが、自分が老い先短いからかと誤解して、

「 おいおい、私はまだ長生きするつもりだよ! 」

と、憤慨する所か、逆に朗らかに言うのでしたが、
モーたんが、

「 いえ、僕の方が…。 」

― と、寂しげにつぶやいたのでした。

 ハイドンさん、モーたんに、
「 あんまり深刻に思い詰めない方がいい。 」
と言って励まし、帰って行ったのでした。

 その後、モーたんは、 「 魔笛 」 が大ヒットして、
これから事態が好転するかと思いきや、
上記の映画では、気を良くしたモーたんが、
行きつけのお食事処に行って、
店主へと仕事の成功を嬉しそうに語る一方で、
子供の将来の心配もしてたりしつつ…。

 その後一人で祝杯をあげていた時、
突然ワインを吐き出して倒れてしまい、
自宅に担ぎ込まれて、
医者や家族に囲まれて手当てを受けたけれど…
と、いう感じで完結してしまいました。

 ― そういう訳ですし、
アレックスさんと呼ばれているお嬢さんも、
モーたんが、たとえハイドンさんと1791年に渡英できていたとしても、
もう、誰かの奥さんになっているのかもしれません。


 〈 次回の更新は、6月26日 ( 土 ) ・ 27日 ( 日 )の予定。 〉

ハリソンさんが、ヴィオラ・ダ・ガンバを弾いて、
居候先のシンプソン家の人達とホーム・コンサート。