トリストラム・シャンディ氏も、どうも「暴力的な事は苦手」らしいですな。
「カノ紳version.」の「スケッチ・ギャラリー」にもあるのですが、
トバイアス叔父さんは、昼ごはんの時に自分の周りをブンブン飛んでいたハエを、
決して叩き潰さずに、優しく捕まえて逃がしてあげたのでした。
その時に、
― This world surely is wide enough to hold both thee and me.
きっとこの世界はお前と俺の両方を入れるだけの十分な広さがあると思うよ。
― と言ったという感動のエピソードが第2巻12章にあります。
…う~っ、トバイアス大尉様、
泣けるじゃないですか~!
素敵じゃないですか~!、
辛い時には、あなたのこの言葉を思い出すと、素晴らしい励ましになりますな~!
女性の方も、こういう事言ってくれる人が夫だったらいいんじゃないかと
作者も想像するのですが…でも、「カノ紳version.」にも書いた通りで、
一生「独男」だったんだよな~。
他にも「スケッチ・ギャラリー」にある、濡れ衣を着せられて鞭打ちの罰を受けた、
「可愛想なてき弾兵」の話、ポルトガルで宗教裁判所に捕まって、拷問を受けているトリム伍長の兄の話、
― などからも、シャンディ氏が暴力に対して大いに反感を持っているのが感じ取れるのでした。
ジョージさん、今度も憧れのウォルポールさんに対しての優等生的返答ね。
上の作者の話と絡めて考えると、これもゴスヲタオヤジの「お探り作戦」の一環なのかな?
それにしてもこいつ、何かどーしてもキザに思えてしょーがないんだよな…。
ハリソンの言っている「羊飼い」というのは、
イエス・キリストがベツレヘムで生まれた時に、
野宿していた羊飼い達が、天使達から救い主の誕生を知らされ、
続いて天使達が神を賛美したという場面じゃ。
あっ、分った!
昔「8時だョ!全員集合」の
「少年少女合唱隊」のコーナーで、クリスマスの時期に、
「♪ あーらーのーのーはーてにぃー ゆーひーはぁおーちてー ♪」
― って歌っていた場面の事ね。きれいな歌で好きだったわ。
最後の外国語の部分が、「フランダースの犬」の主題歌の最初と最後の部分みたいに、
何て歌っていたか遂に分らなかったけど・・・。
Gloria in excelsis Deo
ラテン語で、「いと高き所では、神に栄光あれ」じゃ。
「フランダースの犬」は記憶が曖昧で、何て歌っていたのかわしも分らん。
昔のアニメソングを集めたCDの歌詞カードには書いてないのかしら?
どうじゃろう…?
それから「東方博士の礼拝」は、イエスが生まれた時に不思議な星を見て、
東方から3人の賢者(王)がベツレヘムへと訪ねて来たという場面じゃ。
レオナルド・ダ・ヴィンチも「マギの礼拝」というタイトルで未完成の絵を描いておる。
「奏楽の天使」はイエスや聖母マリアが天に昇った時の背景に描かれてあるようじゃ。
来週は、ハリソンさんが「聖人の殉教画」の残虐性・凄惨さに憤り、
ムキになって力説します。
― もし機会があったら最寄の図書館で、
中世・ルネッサンス時代についての美術書の図版で見て、予習しておいて下さい。
イタリア・フィレンツェ市にある、ウフィーツィ美術館収蔵品の衝撃度についても書く予定でいます。
〈次回の更新予定は5月31日・6月1日〉