風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

出張治療

2011-06-19 22:24:40 | 健康

   盲目のマッサージ師が
  美しい女性に手を引かれて、我が家のチャイムを鳴らした。

   訪問治療の勧誘である。
  腰の悪い風子ばあさんは関心をもって彼の話を聞いた。

   検討して必要なときは、またお電話しますねと言い、
  足もとの覚束ない彼を見送った。
 
  彼は我が家のお向かいさんも勧誘すべく、チャイムを鳴らそうとしていた。

 「あ、いまお留守ですよ」と教えてあげた。
  ついでに、
 「そちらは、整形外科のお医者さんのお宅です」
  というと、
 「あ、それはいかん……」

  何が、いかんのか、わからないが、白衣のマッサージ師は退散した。

   しかし、お向かいの整形外科の老先生も、
  近ごろは、どうやら腰をいためておいでのようで、
  車からの乗り降りの際など、かなり難渋しておられる。

  あんがい、いかん、ことはないのかもしれない。

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