風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

サイン帳

2012-02-18 22:25:19 | 友情
      アルバムに続いて、押し入れの中の古い手紙の整理を始めた。

        自分でもまったく忘れていた60年も前の、
         中学卒業時のサイン帳なども出てきた。

        山の好きな風子さんが、いつか富士山に登れますように、
          というのから、
        歌の上手な風子さんの声を忘れません、
          などというのもある。
        今となっては、ハテナと本人が首を傾げる。

        私と風子さんは、切っても切れない親友です、
         と書いてくれたのはセキチャン。

       遠く離れて暮らすから、会う機会はめっきり少なくなったが、
         数年前に上京したときは、
    待ち合わせた地下にあるレストランの入り口がわからないといけないからと、
         舗道で待っていてくれた。

       セキチャンは風子の知りあいの中で、
        もっとも上品な奥様である。
     
      彼女は、子供のころから、自分のことを、
       ワタクシとしか言わなかった。
      風子の母のことは、オバサマと呼び、
       別れるときは、ゴキゲンヨウである。

      これがサマになっていて不自然でないのは、
        風子のまわりで、あとにも先にも彼女くらいなものである。
 
      ベランメエ調の風子とはちぐはぐコンビで、
        これが意外と相性がよかった。

        楽しかったよね、セキチャン。

   どうするかなサイン帳、捨てるかなあ、と一向に整理は進まない。
      終活も思った以上の難事業である。

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