風子ばあさんのフーフーエッセイ集

ばあさんは先がないから忙しいのである。

訃報

2014-11-23 11:43:42 | 友情

 

喪中挨拶が届く昨今である。

中学から高校まで一緒に進んだ友人の死を昨日知った。

中学生になったときから、伯母の家の養女になったひとである。

三人姉妹で、真ん中の自分だけがなぜ養女に出されたか、

彼女は悩んだ。

養家の伯母を看とったあとの晩年は、一人で寂しかったはずである。

 

宅配の弁当業者が、異変に気付き、通報して中に入ると

玄関近くで倒れていたという。

服用した薬などの状況から、死亡は前日。

解剖の結果は、心筋梗塞。

治療は受けていなかったが、

心臓への血管がかなり狭くなっていたそうである。

 

喪中挨拶は、養家の兄でなく、実家の妹の名前で届けられた。

妹さんに電話をすると、

一人で死なせて可哀想なことをしたとしきりに悔やまれていたが、

数奇で、孤独な人生を生きた彼女に、

悔やんでくれる肉親がいてよかったと私は嬉しかった。

仲良くしてました、と実妹は言った。

お墓も、実母のいる墓に入り、

いずれ私たちも一緒に入りますと妹さんが言った。


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