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年金制度議論の神髄

2012年12月02日 | Weblog
今日はここ銀座も冷え込み外の温度は5度です。日曜の朝ということもあり人出はまばらですが、今のところ澄み切った青空でようやく黄色がかってきた銀杏の色と青空のコントラストそしてビルの風景が何ともいえない都会の美しさを醸し出してくれています。そういえば神宮外苑の銀杏並木、今が一番きれいな時期かもしれません。行ってみようかな、という感じです。

私は企業年金について10年以上取り組んできましたが、つまりこれは退職金、企業年金という退職後のことだという認識が一般的です。で、私は毎度のように様々な立場の方に申し上げいています「退職後のことだけではなく、今の働き方の問題なんです」と。ここ50年を考えてみても今後50年の社会システムが大きく変わろうとしている。戦後から高度成長期、デフレ時代の50年を経て時代が大きく変わろうとしている、ことに対応していかなければなりません。

社会構造が変わり働き方は変わりますが、人の心は変わらない、と私は思います。今、国民年金制度は「積み立て方式」を主張する勢力が勢いよく主張しています。特に若い人たちが多い(とはいっても30代、40代でしょうか)政党は自分の年金は自分で、というわけです。
3階建ての企業年金または個人年金ならその議論もわかりますが、日本国民が日本国の中で品位ある人生を全うしてもらうためにはやはり「積み立て方式」より現在の「賦課方式」のほうが長いお目で見れば優れていると思います。

日本の年金は老後だけではなく、障害を負った時にも支給されます。歳を重ねると人間も動物ですから「弱く」なります。また、お金だけあっても人としての尊厳がなければ、いい方は悪いかもしれませんが「飼い殺し」です。賦課方式は現役世代が年金世代を支える制度です。
確かに世代間格差是正をお金の件だけで計算して、払ったお金ともらうお金で比較検討してそれなりに理論立てていますが、年金制度という国家、国民の基本を司る最も重要な制度ということを考えると「自分のことは自分で」という歴史がこの日本社会にあったでしょうか、そういうことで日本社会が発展してきた歴史があったのでしょうか。そして生活できない人は「生活保護」でという議論ですね。

日本の歴史が仮に2000年とすると今の賦課方式が一番厳しいのはここ20年くらいでしょうか、私たち日本民族は「支えあう」とか「絆」とか「調和」という他の国々にはない文化を作り上げてきました。日本の年金制度は世界で一番すぐれた(約束を守っている)制度です。公的年金制度を開発したのが鉄血宰相のビスマルク、しかし戦争やら何やらで結局約束は反故、でした。約束を守る、ということは人類が発明した最大の遺産ではないでしょうか。日本では「約束が守られる」という信頼感、安心感が世界に広まれば世界からも信頼され尊敬される、核武装しなくてもそういう国を攻撃する大義名分が成り立ちません。ここで20年間、何とか工夫し知恵をつかい努力し今の年金制度を維持できればお金に代わる誇り、自信、尊敬という新し価値が日本から発信されます。給付を減らし掛け金を上げ受給年齢を上げる、これは誰でも考えることですが、日本の知恵者の総力を結集すれば今までの歴史と同じく乗り越えられる、という自信を持つことが肝要であると思います。

今、選挙の争点で色々な党が公約を発信していますが、社会保障制度特に年金制度についてはこのような観点でまた私どものこのような考えで世間の動きを見ていただいたらいかがでしょうか。

公的年金制度、という人類が発明した社会福祉制度を東亜の一角の小さな国が守った、続けている、そして平和であるということが新しい人類発展の起爆剤になるかもしれません。

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