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親の文学

2009年05月06日 | Weblog
いつも大体この時期、GWの最中5月5日が結婚記念日で今回24回目、来年銀婚式らしく、われながら「ヘー」という感じですが、5月は長女の生まれた月でもあり親暦23年でもあります。今回は特に長女の学生時代が終わり社会人1年生で孤軍奮闘中、とのこと。そこでいつもこの時期読み返している本に「グレート・ストーン・フェイス(巨巌の顔:きょがんのかお)」という本の解説があります。10年以上もなんとなく何度も読み返していますが、そーいうことか、と今回ようやく合点がいきました。以前もこのブログで紹介していますが、要約すると、アメリカのある山村での話。谷間のにアーネストという少年がおり、村から見える山腹に大きな岩がそそり立っていた。その岩は遠くから見ると人間の顔にそっくりで、ある日の夕方村の百姓の母親と少年が戸口に腰を下ろしその母親が少年に話を聞かせた「いつか将来この近辺に子供が産まれ、その子供は偉大で高貴な人物になる運命を担っていてその顔は大人になると「巨巌の顔」によく似てくるだろう」と。そして毎日少年は一日の百姓の仕事が終わるとじっと何時間もそれを眺めていたとの事。それである日村を出て大金持ちになった人が村に帰ってくると聞きその大邸宅に会いに行きました。迎える人々は「彼こそ巨巌の顔そのものだ」、しかしアーネストは悲しそうに目を背けました。歳月が過ぎアーネストは若者となっており、いつものように巨巌の顔を見ながら黙想にふける毎日で大金持ちは亡くなり人々の記憶からも消え去っていました。今度は兵隊から名高い将軍になった人、そして有名な政治家になった人が村に帰ってきてもアーネストは目を背ける、その間アーネストは歳を重ね中年になっており、いつも村人に「道」を説く人になっていました。清らかで素朴な彼の思想が善行となって現れ、言葉となって流れ出し、人々の生活に影響を与えていたのでした。村人は隣人であるアーネストは凡人以上の何者でもないとしか感じていませんでした。そしてこの地にこの村の出身の一人の詩人がやってきました。大変有名な詩人で人々の心を揺さぶる作品を百姓の戸口で読み始め「この人こそ巨巌の顔の偉人だ」と誰もが感じました。そこでこの詩人とアーネストが交際し語り合い、アーネストも感動し、詩人の顔を見てその後山腹の岩を眺めまたため息をつく、アーネストはずーと予言の方が来るのを待っているがこの人、という人が現れない、と。そこで語り合っているうちに夕刻となり夕日がアーネストの顔を照らすと同時に「巨巌の顔」と重なった瞬間、詩人が村人に「見よ。アーネストこそ、「巨巌の顔」の写しだ!」と。村人は驚いてじっと見比べそれが真実だと分かりました。しかしアーネストはいつもの演説がおわってしまうといつものように家に帰り、誰か賢明な徳の優れた人がいつか現れるだろうといつものように望んでいました。
・・・とかなり長い文章ですが、なかなか大変な文学だと。親暦23年やってますが、本当に感激です。青年に大志を抱け、という前に最近の青年の親に読んで聞かせたい名文ですよね。

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1 コメント

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同感 (田中)
2013-07-03 21:52:58
私は今年58歳になります。ずっと長い間、時に触れ、「巌の顔」を思い出していました。人間としていかなる人生を送ることが大切か示してくれた物語です。
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