ステップ7からは再びインテリアの組み付けになります。足回りも組み付けますが、塗装後に付ける場合も考えて仮組みを行ないつつ進めました。
インテリアの各パーツは、ガイド指示にこだわらず、部位に応じてそれらしい色を選んでカラフルに塗り分けてゆきました。操縦席シートはトルコの赤とし、他のパーツはそれぞれのカラーにしました。
組み付けた状態です。車内にどういった部品があって何の部品なのかが一見して分かること、女子高生の戦車道チームの車輌らしく、オシャレ感も追加してみること、といった方針で塗りました。
例えば、燃料タンクのA3はガイドの指示ではホワイトですが、アイボリーに変えました。それでタンク前の防護板A8がより引き立っています。
操縦席周りの各装置も分かりやすくしました。車内の基本カラーがホワイトであるのを生かして、操作レバー系はグレー系、床面の操作系統は黒鉄色にしてみたところ、それぞれが浮き上がるように目立ちます。乗員が触れる部分は全てトルコの赤に塗り、乗員の存在感を演出してみました。
現存する実車の操縦席の画像です。操作レバー類がそのままキットパーツ化されていることが分かります。キットでは、計器パネルのパーツは上部車体側に付けますので、上下の車体を貼り合わせれば、上図と同じ状態が再現されます。
足元のペダル類もなかなかリアルです。右よりアクセル、クラッチ、ブレーキであるようです。
作業中に時々手を止めて、インテリアを眺めることもしばしばでした。戦車の内部構造がよく分かり、見ていて楽しく、飽きないからです。
ですが、もともと時間のかかる作業なので、あんまりゆっくりもしていられず、とにかく塗料と筆を色々持ち替えて塗装を進めました。
砲塔下の空間の床板A7は茶色に塗りました。丸い穴は、ちょうど車体底面の脱出用ハッチB13の位置にピッタリ合います。それで脱出用ハッチの位置が分かるように床板A7は茶色に塗ったわけですが、同時に車内の隔壁が無い理由にも気付きました。
従来の資料類では、操縦席の後に隔壁があっただろう、とするものが多いですが、現存車輌はいずれも隔壁がありません。今回のキットによって、隔壁がもしあったら、操縦席から脱出用ハッチへ移動出来ないことが理解出来ました。だから、隔壁はもともと無かったのだろうな、と思いました。
どんどん組み付けて、インテリア部分の組み立ては完了しまました。
続いて、足回りの転輪を全て取り付けました。サスペンションの取り付け基部が少しズレたりするので、定規をあてて一直線になるように調整しましたが、完全に是正するには至りませんでした。
なので、連結式履帯の組み立ての際にもズレが出て、繋ぐのにちょっと手間取りました。
ステップ8では、先に組み立てたエンジン部分を組み付けます。車内インテリアの組み立てのラストにあたる重要なステップですが、A18およびA19の組み付けがしっくりこないため、組み立て前に各パーツの接着面を削って調整する必要がありました。
起動輪の車軸です。これも仮組みで試したところ、キツキツでしたので、両端を少しヤスっておきました。
塗装を施しつつ、エンジン全体がきっちりとおさまるかを調べました。おさまることはおさまるのですが、起動輪がキツキツで入りにくいのと、ギアボックスカバーのA18およびA19が指定位置にしっかりと入らず、パーツの肉厚がオーバー気味であると分かりました。それでA19の底部に削り調整を行ないました。
調整の結果、なんとかおさまりました。エンジンシャフトの前端をギアボックスカバーの穴にきっちりとはめ込めば問題ないのですが、約0.5ミリほどズレていたため、穴を削って拡げ、シャフトと繋ぎました。
ギッシリと詰まったこの密集感がいかにも戦車の内部という雰囲気です。各パーツを干渉させることなく、この狭い空間に納めるのですから、インテリアの製作はなかなかに大変です。塗装も並行して行いますから、気が抜けません。でも、個人的には面白くて仕方がありませんでした。これはハマるな、と思いました。
とりあえず、車内インテリアの組み立てはこれで完了しました。初めてのカラフル仕上げの試みも、なんとか達成出来たようです。
梅原屋のNさんのこだわり基準に合わせれば、もっと細かい部品つまり導線や細パイプや金具類も再現することになるのでしょうが、今回はあまり細部にのめり込まないようにしました。砲塔内インテリアのほうで細部の作り込みが難しいことが予想されたからです。
細部まで作り込む方法は、今回の軽戦車クラスですとサイズ的に難があります。重戦車および中戦車クラスならば、なんとかやれそうかな、というのが個人的な感想です。
この時点で、ひとつだけ疑問が残りました。車内に砲弾ラックが全く無いので、砲弾をどのように収容していたかが分かりませんでした。現存車輌の写真でもそれらしきものが全く見えず、ネット上の英文の説明記事では、弾薬箱を車内に運び入れた旨の記載があります。
なので、砲弾は箱に入れて外から運び入れていたのだろうと仮定し、後で砲弾の箱を自作することにしましたが、今度は砲弾箱の詳細が分からないのでした。そしてそれ以前に、この戦車の21口径37ミリプトーSA18の砲弾のパーツがキットにもありませんでしたので、まず砲弾をどう再現すべきか、という問題に直面したのでした。
それで、しばらく考えて色々ネットでも検索して調べ、さらにツイッター上で交流があるガルパン仲間と質疑応答を行った結果、リトルアーモリーシリーズの銃弾のパーツが転用出来そうだと分かりました。37ミリ砲弾はパーツとしては径1ミリ程度のサイズになりますが、リトルアーモリーシリーズの7.62ミリ機銃弾がちょうどそれぐらいのサイズでした。
そこで先方にリトルアーモリーシリーズのパーツの入手方法例えばバラ売り等について訊ねたところ、バラ売りは聞いたことがないが、手元に余剰があるのでさしあげます、との返事をいただきました。ですが、ただ貰うのも申し訳ないので、手元にある、ずっと積んだまま作る予定も全く無い戦車のキットを提供して交換の形にしてもらいました。
かくして、なんとか砲弾および弾薬箱も再現製作出来る目処がたちました。 (続く)