気分はガルパン、ゆるキャン△

「パンツァー・リート」の次は「SHINY DAYS」や「ふゆびより」を聴いて元気を貰います

新潟ビゲン高校 Strv m40L軽戦車 完成です!!

2019年12月20日 | ガルパン模型制作記

 塗装作業に入りました。サーフェイサーを薄く吹き付けた後、履帯を28番の黒鉄色で塗りました。車体色はアーセナル軍事博物館のアドバイスにしたがい、現存車輌の三色迷彩を参考にして塗装しました。

 アドバイスによりますと、第二次大戦中のStrv m40L軽戦車の基本車体色は始めは緑と紺の2色で、工場出荷時にはこの2色で塗装されていたそうです。その後、欧州でのドイツ軍などの戦訓を参考にして茶が追加された、ということだそうです。
 それでまず緑と紺を車体全体に迷彩の形で吹き付け塗装しておいて、茶を筆塗りで追加するという方法で、忠実に史実上の3色塗装を再現しました。

 カラーチャート図を使用して、アーセナル軍事博物館の所蔵現存車輌の塗装色を調べたところ、緑はミスターカラーでいえば364番のエアクラフトグリーンES283、紺は40番のジャーマングレー、茶は119番のRLM79サンドイエローにほぼ同じ、と分かりましたので、その3色を採りました。

 

 車外装備品の金属部分は28番の黒鉄色、木製部分は44番のタンで塗りました。スウェーデンを含む北欧地域の樹相は針葉樹を主体として木の断面色は白っぽくなるため、ウッドブラウンよりはタンのほうが適当と判断しました。

 

 車輪類にも迷彩をほとこし、転輪ゴム部分はポスカの黒で塗りました。

 

 119番のRLM79サンドイエローでの筆塗りは、2回行ないました。追加の茶色は、工場でなく配属部隊でペンキで適当に塗られたケースがあったそうなので、ペンキでの追加感をあらわすために筆で線をくっきり出しました。あとの2色はエアブラシ塗装なので、境界はぼやけています。

 

 アーセナル軍事博物館の所蔵現存車輌も、こんな感じの3色迷彩です。あちらの学芸員の方の話では、「実物はくすんでいて汚れもあるから全体的に黒っぽく見える、こういう模型のほうが戦車の塗装色の実態を分かりやすく示すことが出来ると思う」ということでした。

 確かに戦車だけでなく、飛行機や艦船でも、実物の色は全体的にくすんで見えます。模型のカラーのほうが発色が良いので綺麗に見えます。だから、その系統の博物館では、実車だけでなくその模型も展示して本来のカラーなどを説明しているケースがあるそうです。

 

 車外装備品4点を取り付けます。取り付け位置はアーセナル軍事博物館の所蔵現存車輌のそれを参考にしました。

 

 ハンマーとロッドは右側側面にセットしました。

 

 斧は左側面の御覧の位置に付けました。

 

 スコップは左側吸気口フードの下に取り付けました。

 

 背面左右のバックランプは47番のクリアーレッドで塗りました。

 

 砲塔の同軸連装機銃は、28番の黒鉄色で塗りました。

 

 デカールは、モデルカステンのガルパンデカールセットVol.3から適当なサイズの2枚を使用しました。

 

 砲塔の左右側面に貼りました。位置はコミックの作中車を参考にしました。

 

 これで、全ての工程が完了しました。

 

 側面観です。ベースキットのハンガリー38MトルディⅠ軽戦車の面影は、足回りのみに見られます。車体は前部の一部のみ、砲塔は後部のみが元キットのままです。スウェーデンのStrv m40L軽戦車がいかに大幅な改変設計により製造されたかが理解出来ます。

 

 アーセナル軍事博物館のアドバイス、監修による唯一の1/35スケール再現模型です。再三にわたる造形再現への指導、2度の修正箇所指摘により、現存車輌の外観に限りなく近づきました。

 ガルパンのリボンの武者の作中車はL型の改良型つまり後期型にあたりますが、Strv m40シリーズの完成形はエンジンを強化したK型であり、そちらは砲塔背面に予備転輪ラックが付くなど、外見も少し異なります。つまり作中車は、Strv m40シリーズの発展過程の一タイプとして位置づけられるわけです。

 

 以上で、新潟ビゲン高校チームのStrv m40L軽戦車が、「リボンの武者」第12巻のムカデさんチーム連合のセムラ隊長の搭乗車輌仕様にて完成しました。。製作期間は、2019年10月31日から11月4日までの5日間でした。組み立てに4日、塗装に1日をあてて短期集中工作にて一気に作りました。

 適応キットが無く、ネット上で調べても情報がなかなか集まらなかったため、実物を所蔵する本国スウェーデンのアーセナル軍事博物館に問い合わせ、様々なアドバイスをいただきました。その教示によってホビーボスのハンガリー38MトルディⅠ軽戦車のキットがベースとして使えることが分かり、一気に製作計画が具体化して、半スクラッチにによる再現へと繋がりました。

 製作にあたっては、かつて旧日本海軍の軍艦艦艇の1/700キットを作っていた時期に、戦中改修および武装強化状態などをプラ板の箱組みで再現していた経験を生かし、プラ板の箱組みによる外観の構築をはかることをメインとしました。事前に改造ポイントをまとめた図面も書き起こしましたが、実際に作ってみると誤差が続出し、ブラ板のトレースやカットを何度もやり直したりしました。
 それで、製作途中の画像をアーセナル軍事博物館に送り、再三にわたる丁寧な指導および修正指示をいただき、塗装の指示もふくめてほぼ全面的に協力いただきました。結果的には監修による製作のような状態になりましたが、そうでもしないとなかなか出来上がらなかっただろうと思います。

 なので、色々な意味で、私のガルパン戦車プラモデルの再現製作としては最も大変かつ困難な例、と位置づけることになります。同じものを二度と作れるか、と問われれば、絶対に無理、と返すでしょう。現物合わせでの改造や修正が多かったため、記録も実測図もきちんと作れずじまいとなったからです。

 ですが、総括的に振り返るならば、非常に得難い経験と可能性を数多く学んだ製作であったと思います。全スクラッチでの制作には及びませんが、似た車体をベースにしての半改造という作業のノウハウが、荒削りながらも会得出来たからです。これが、今後のガルパン戦車の製作とくに適応キットが無い場合において、なんらかの可能性を導き出してくれるのであろう、と自身でも期待してしまう次第です。

 


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