昨年、受け渡しまで終わっているレザークラフト製品を紹介する。
以前のエントリを見てコンタクトしてきた如月雪さん(♀)のオーダーによるポストイットホルダーである。そのエントリにさらに多津丘〆葉さんという方が興味を示していただいたので参考になるかと思ってアップすることにした。
私の革モノづくりは、納期も約束できず、ビジネスとしてやっているわけではないので、くるオーダーをすべて受けるわけではない。
如月さんは、ある機器メーカーの営業職で、自分のビジネスユースとしたいということが受注の一つの決め手になった。
私のものづくりは原則として「持ち歩いて使うもの」を対象としている。そしてユーザーに使い倒してもらいたいと思っている。だからハードユーザーの存在はうれしいことなのである。
そして、依頼されたのがポストイットホルダーであることも受注を後押しした。
これまで、ペン付きポストイットホルダーは6種類作っている(うち一つは純粋なホルダーではなく携帯電話ケースにポストイットホルダーが付随したもの)。改善を加えながら作っているうちにだんだんと完成度が高まってきており、もっと完成度を高めたいという欲が出てきていた。
メールで打ち合わせしてオーダーの大まかな内容を固めた。
・ 75mm×50mmのポストイットを使用する
・ ペン、台紙つき
・ ペンはプラチナの「ポケットボールペン ミニ」
・ 色は黒
・ ステッチは革と違う色にする
こんなことを決めたのち、
ペンホルダーの位置とスナップの見せ方について、こちらから提案させてもらった。
まずペンホルダーを内側に設置することにした。これまでのものは外側にあったため、ストラップのスナップを留めておかないときに、たまにホルダーからペンが抜け落ちることがあったためだ。内側にすることでスナップを止めていない場合でもホールド力がUPし、簡単には抜け落ちにくくなる。
スナップについては、ボタンの表面をそのまま「あらわし」にするのではなく、ちょっとオシャレな感じにしてみたかった。
ポイントは「月」。如月というHNからイメージした。三日月の形に革を抜き、いぶし金のスナップボタンの表面がのぞくようにした。冒頭の写真で確認してほしい。
ステッチの色はベージュにしたが、ストラップ部分だけは黒い糸にしている。「月」を邪魔しないよう配慮したつもり。