山小屋に行ったら、材木が転がしてあった。
松である。
そういえば父が、遠縁の親戚筋の改築にともなって切り倒した庭木をもらうというようなことを話していたのを思い出した。
見れば結構な太さがあり、そのまま捨てられるのは忍びなく、もらって正解だったと思う。
それに地松というものは購入しようとしたら高い。ほくほく顔でもらってきたようだ。
ここにある皮をむいた丸太のほかに、一部は製材屋に板に引いてもらっているという。
父にどうするのか聞いたところ、「今度は東屋(あずまや)をつくる」とうれしそうにのたまった。
松は梁にするのにむいている材であるが、柱その他にも使うそうである。
普請道楽は一向に終わる気配はない。