家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

施主が選ぶ建築賞、施主が望む建築賞

2005年03月17日 | 家について思ったことなど
建築物や建築家に与えられる賞はいろいろある。
だいたいは自治体が主催し、業界団体が協賛する、というような形。そして審査員を見ると、大学教授、建築家、業界団体の代表などが名を連ねている。

運営の難しさをさておいて、妄想・願望ベースで好き勝手なことを言うと、個人住宅を対象に、施主達が選ぶ建築賞があったらおもしろいのではないだろうか。

 ケンチク業界人による建築学的な視点ではなく、生活者の視点で優れた住宅を選ぶ。

 対象も設計者だけでなく、ある個人住宅の施主、設計者、施工者をひとつのグループとして審査対象とする。設計事務所に限らず、工務店内、ハウスメーカー内の設計者だって審査対象にする。
施主がどのような要望を出し、設計者がそれをどう解釈し、施工者がどんな技術を使って実現したか、というような過程を開示する。
評価は、オリジナル性は重要視するものの、デザイン的な冒険、斬新さ、奇抜さよりも、暮らしやすさを重視する。

また、それとは逆にアカデミー賞に対するゴールデン・ラズベリー賞(サイテーな映画に与えられる賞)のようなものがあってもいい。ケンチク業界では高評価でも、一般人、施主連からはトホホな建築って実際あると思うのだ。業界内の賞を取った作品を審査対象にして施主連が評価を下す。
こちらは、ケンチク業界的な評価は考慮せず、「暮らしにくさ」を評価の重点に置くのだ。

興味本位の発案ではあるが、そういう賞があると案外役に立つことが多いように思える。
建築家が「生活する人のことを考えない自分の作品づくりに熱心な人」ばかりではないことを明らかできるだろうし、オブジェ的建築に走りがちな建築家をあぶりだすこともできる。「古臭い間取りしか考えられない」工務店ばかりではないことだってわかるだろう。あるいは、ちょっと特殊な施主の要望を意外と小器用に実現したハウスメーカーの存在がわかるかもしれない。

 賞のバリエーションとして、新築ばかりでなく、築10年、築30年、築50年なんて古い家を対象にするのもいい。
 新築時は高評価でなくとも、30年経って評価が上がったなんてことがあったら面白いと思う。工務店がしっかり作ったことの証になったりして、やはり依頼先を選ぶいい参考資料になる。
 築30年、築50年の家部門に、「あるハウスメーカー、ビルダーの家は何軒もエントリされている/一軒もエントリされていない」なんていうデータを私は見てみたいと思う。