訪問先に行くために都営地下鉄に乗っていた。
座っていたのだが、左隣に一席空いていた。
神保町で私に左に男性が座った。
手にはたくさんの本を持っていた。
片岡義男さんだった。
座席は満杯だったので、密着する形になった。
前の座席に座っている女の子も片岡義男さんに気が付いていた。
最近の若い子も知ってるんだなと感心した。
私は九段下で降りたのだが軽く会釈した。
片岡義男さんも私に目線をくれた。
すごく嬉しかった。
なぜなら私が一番好きな小説家、エッセイスト、写真家だからだ。
中学、高校、大学の頃だったろうか、片岡義男さんにずいぶんとはまった。
角川文庫から数十冊の小説が順次出版され、他社からはエッセイや翻訳本も出版されてそれらもほとんど読んだ。
そもそものきっかけはGrateful Deadのジェリー・ガルシアとチャールズ・ライクの対談を訳した「自分の生き方をさがしている人のために」を読んですごく感銘したことだ。この名著は今でも宝である。その後、大学時代にはGrateful Deadのコピーバンドにも参加できた。
同じ草思社からは「ビートルズ革命」というジョン・レノンのインタビュー訳の本も出版されている。
その草思社も今年民事再生法適用になってしまった。
川島令三の『全国鉄道事情大研究』や徳大寺有恒の『間違いだらけのクルマ選び』シリーズで有名な出版社である。
さて一方でFMでは「きまぐれ飛行船」という名番組を安田南さんとやっていた。
これは最も楽しみなFM番組だった。
しゃべりは決して上手くないのだが、ゆっくりとぽつぽつとセリフを選びながら話す口調が素敵だった。一方の安田南さんがハキハキ話すので、その組み合わせがとても好きだった。
大人の会話が展開されていたという感じだった。
アメリカの話、JAZZの話、クーペって何?みたいな話。
かかる音楽も素敵だった。
小説には大きくは二種類あって、一方は青春小説で一方は大人の風景を綴った小説。どちらも淡々とした展開のストーリーが好みだった。
わざとなのか人柄なのか、敢えて起承転結を採用しない作風で、それが好きだったのだ。
まるで一枚の写真から展開されるような小説だと思っていた。
後にその作風は写真にも及ぶことになる。
片岡さんはオリンパスOM-1で撮影なさっているのだが、
その写真集が出版された。
小田急沿線や東京の街角のさりげないスナップだ。
古い中華料理屋や古い喫茶店、洋品店の外側のスナップや、
交差点の電柱の写真。
あまりにもさりげない街の風景なのだが、なぜだか魅力的だ。
小説のように、ある瞬間を切り取った空気感に魅かれるのだろう。
その後、田中長徳さん、坂崎幸之助、東儀秀樹、なぎら健壱さんたちと、偽ライカ同盟にも参画され、その対談等はすごく面白かった。
ロックミュージシャンとの対談、青春小説、FMのDJ、大人の小説、映画、スナップ写真と、私の人生とずっと一緒だった片岡義男さん。
とても嬉しい出会いだった。
考えられませんわ。せいぜい見かけてもJリーガー
くらいでしょうか。^^;
片岡義男さんというと単車に乗ってた頃に読んだ
「彼のオートバイ 彼女の島」が真っ先にイメージ
されました。
ちと懐かしくなりましたわ。...( = =) トオイメ
毎日忙しくお仕事をしているfunamyuさんだから そんなよい事がおきたのではないでしょうか。
私ではいつもボヤっとしているから気がつかなかったかもしれません。
絵描きさんや小説家さんの撮る写真は独特の空気を感じますよね。
同じ場所のスナップを自分が撮っても何かが違います。
南佳孝さんの歌う曲と共に映画化されましたね。
うぉんちゅー、おーれーのーかたをー だーきーしーめーてーくれー
名古屋では、有名人に会うことはほとんどありません。
写真関係では、名駅で阿部さんと馬場さんをお見かけしたぐらいです。
写真は、木の葉が宙に浮いているように見えますが、高速シャッターでの写し止めでしょうか。
何だか踊っているようで、不思議な感じです。
1週間に1回は少なくとも会います。
昨日もオリンピック選手に会いました。
でも、それが何ってことでしょうが。
でも相当数の著名人に会うってことは、
東京も意外に狭いってことか、800万人程度の
人口なら大したことないとも言えるかもです。
だったら宝くじに当たるのも有りうるかもしれません。(笑)
今の40代は片岡義男を少なくとも1回は読んでるか、
映画で見てるでしょうね。
私は、全部読んだかもしれません。
あのあっさり感が好きなんです。
いろんな人に会います。
スナップ写真を撮る人って、そんな人が多いかも。
片岡義男さんは小さい頃、瀬戸内に住んでた少年時代からミノルタのニューSR-1で撮っていたんですよ。
その後、キヤノンQL-17、そしてOM-1でずっと撮ってらっしゃるんです。
写真集は10冊ぐらい出てるんですが、とてもさりげない街角スナップでおもしろいです。
小田急線沿線が多いのも玉川学園に住んでるからなんですね。
彼は神保町から新宿に向かい小田急で帰ったのでしょう。
そんな普通な感じも好きなんです。
派手じゃないところが。
数本映画化されましたが、「スローなブギにしてくれ」はよかった。
南佳孝も大好きで全部持ってましたよ。
7th Avenue Southはすごくいいです。
どうも片岡義男さんというと浅野温子と山崎努がかぶるなあ。
そうです。
200mmで高速シャッターで風で葉が舞う瞬間を撮りました。
相変わらず歩きながらチョコチョコ撮ってます。
20代の頃よく片岡義男さんの本を読んでました。
私らの世代はかなりの人が影響を受けてますよね。
作家の喜多島隆さんなんかも多分その一人だと思います。
私がfunamyuさんのblogを拝見したのも「片岡義男」のkeyward検索がきっかけでした。
そうか、以前にも書いたんですね。
実は会ったのは3回目です。
若い頃になにかサイン会のようなもので会いました。
そして2回目は新宿東口で歩いているのを見かけました。
神保町の古書街ではよく目撃談があります。
今回は完全密着でした。(笑)
喜多島隆さんは確かに影響多いですね。
特に海系で。
ミュージシャンにビートルズの影響が大きい人が多いように、エッセイストや小説家にも片岡義男さんの影響が見える人は多いんでしょうね。
そしてカメラ通っていうのも親近感がわきます。
基本は一枚の写真からストーリーが始まってる方ですから。