SAILIN' SHOES

デジタル一眼、ライカ等でのスナップ写真や、カメラ、音楽、鉄道・車、子育ての日々雑感です。

徒歩1分の風景(シリーズ高架下07) 02

2009-10-30 | スナップ
前にも書いたかもしれない。
小さな頃、たぶん3歳とか4歳の頃だった。
家族で誰かの家に遊びに行った。
どこか遠い場所だった。
高架下の雑居ビルのような家だった。
お茶の間で親父が何か話している場所には、うちと同じぐらいの年頃の兄妹が
遊んでいる。
ママゴトをしていた。
頻繁に電車が通るたびに、轟音と振動でちゃぶ台の上の茶碗やらが
カタカタと音を立てる。
その兄妹は茶碗にお金を入れて遊んでいる。
コインがチャリンチャリンと音を立てる。
一緒に遊ぶことも無く、それをじっと見ていた。

それほど長居をするでもなく、御いとました。
高架沿いに駅に向かう途中、電車のうるさい音がする場所で父が言う。
「本物のお金をおもちゃにしたらダメだ。」と母に言ったのか
僕たちに言ったのかは判らなかったが、ちょっと怒った顔だった。
「だからあの人はダメなんだ。」
と独り言のように言っていた。

そのシーンが頭に残っている。
先日、次男の運動会に母親が来た際、この件を聞いてみた。
「うーん、覚えてないなあ。高架下の家に行ったことも記憶に無い。」
実は親父と私だけで行ったのかもしれない。
記憶は変わる。
ただ電車の音と振動だけは絶対だ。
絶対に高架下だったのだ。



*4歳だったとすれば、恐らくは大阪鶴橋駅界隈の高架下だったのかもしれない。
父親は近鉄奈良線で鶴橋に行き、国鉄環状線に乗り換えて京橋で更に京阪電車に乗り換えて、淀の京都競馬場に私を連れていっていたからだ。
その頃、近鉄奈良線の終点は上本町だったので御堂筋線は使わなかったのだ。
どこだったのか親父に聞いておけばよかった。
いや、まったく大した話でもなんでもない。
それでも生きているうちに聞いておけばよかった。





さて前の続きだ。
会社から10分強の場所だ。




さらに5分歩けば、行き止まりだ。
川端に出ることができる。
ここは誰も居ない。
一人っきりで、いつまでも川を見ていることができる。




高架の逆サイドを歩いて戻る。








高架下建築は密かなブームであるが、
この町では当たり前の風景だ。


あの高架下の兄妹は今はどこで何をしているのだろう。



SONY α900、AF17-35mm/F2.8-4.0(D)
コメント (10)
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