

最近、体力の低下に伴い記憶力にもかなりの衰えが目立つ千恵子選手だが、
絵手紙に向かう時だけは意欲や楽しさがいっぱいの元気な笑顔を見せている。
先日、千恵子選手がいつにも増して明るい表情でテーブル上に絵手紙の
道具を置いて取り出したハガキの空白の部分をじっと見つめていた。
暫くするとハガキをテーブルの上に置き、顔を上げ天井を見つめた後、
意を決したように(?)顔彩と筆を執った。
描こうとしていたものは大きな梨と小さなギンナン(実)・・・
ギンナンには柄と言うのか軸と言うのか細い茎のようなものがついていた。
ギンナンの実の表面は少し緩みかけており、あの独特の匂いも・・・
千恵子選手は暫くの間大きな梨をじっと見つめ、描き始めてからも
何度も何度もじっと、じっと、じっと、梨を見ながら時折顔を上に向け
何かを思いだしているような表情で筆を動かしていた。
2枚の絵手紙が完成すると『お父さん、ポストまで行ってくる・・』と
やけに嬉しそうな顔でハガキをひらひらさせながら玄関へ・・・
私は『ちょっと待て・・嬉しそうなハガキだからパソコンに・・』と
出かけようとする千恵子選手を引留め早速スキャンして保存したのである。
それが上掲の2枚・・・
絵手紙は絵の巧拙は問題外だという。
『ヘタでいい、ヘタがいい』という決まり文句のようなものもあるようで、
一番大切なのは『相手のことを想って描くこと』だという。
千恵子選手は言う・・・
25年もやってきたが未だに未熟・・でも気にしない。
ただよく見て、相手のことを思って描けば何となく気持が伝わるような
気がするのだと。
素朴とも思える絵と短い言葉で相手を想う・・言われてみれば
そうなのかな?と思うが・・・
でも私は絵も苦手過ぎて描ける気がしない。
ただ、自分では書けなくてもブログ友たちの文章や掲載写真や動画などに
感動するのと同じようにこの日は大きな梨からも小さなギンナンからも心を
潤すような豊かな喜びを感じるひとときであった。
最近は郵便もかなり日数がかかっているが今日か明日には千恵子選手が
大好きで大切な友の元へ届くかもしれない。
今日の千恵子選手の『絵手紙コーナー』
(青の太文字はfumiel-shimaの一言)
毎回千字文で文字の練習から

今日感じた「秋」
名残り惜しそうに咲く葛。 目立たずひっそりと


今日の「野菜コーナー」
形より新鮮さと味で勝負! どんな料理にも活躍!
本当に美味しい茄子だ。 頼りがいのある助っ人


今日の「果物コーナー」
手書きの良さもアピール 可愛い小鳥にプレゼント


あの人って? 生い茂る葉に隠れて
才槌頭ならぬ無花果頭? かぶりついたらしい


完熟のイチジクの香りとその甘さは忘れられない

