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347:小野塚大輔と山本藤光

2019-04-17 | 小説「町おこしの賦」
347:小野塚大輔と山本藤光
 生涯学習センターの内覧会前日、小野塚大輔と山本藤光は標茶を訪れた。翔和学園大学の教室を見てもらったあと、瀬口恭二と長島太郎は二人をタイ料理ミユへ案内した。
「立派な教室で、感激しました。おまけに二教室もできたのですから、私どもも責任重大です」
小野塚はおいしそうに、ビールを飲みながらいった。山本が続けた。
「生涯学習センターという、ネーミングが気に入りました。おまけに壁面には、私の文章が貼られていたので恐縮しています」

人間力のある人には意欲がある
意欲のある人には夢がある
夢のある人には目標がある
目標のある人には努力がある
努力のある人には失敗がある
失敗のある人には反省がある
反省のある人には経験がある
経験のある人には智恵がある
智恵のある人には人間力がある

「山本先生の文章に、余分なものを加えてしまい恐縮しています」
「いや、失敗を入れた方が、文章が整っていますよ」
「大阪にはいくつか、生涯学習センターがあります。しかし標茶は町ぐるみの取り組みですから、パワーを感じます」
 小野塚は、焼酎の水割りに変えている。
「小野塚さんにそういっていただけると、ありがたさが倍増します」

「瀬口さん、知は無形の資産です。そこに着目したのは、すばらしい発想ですよ」
「山本先生の、人生の三つの山がヒントでした。学生期はいいとして、会社期と老齢期の人のために、何かをしなければならない。そう考えたすえに、生涯学習センターに行き着きました」
「来月は、うちの梅田キャンパスもオープンします。お互いに負けないように、頑張りましょう」
 小野塚の差し出したグラスに、恭二は力強く自分のグラスを合わせた。

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