奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その768)

2018-10-01 08:15:00 | 奈良・不比等
「大坂堂島米市場~江戸幕府VS市場経済(高槻泰郎著・講談社現代新書2018刊)」を読んだ。高槻泰郎(たかつきやすお1979生れ)氏は、慶應大学卒で、阪大大学院修士課程を修了し、東大大学院博士課程も修めて博士を取得し、現在は神大准教授である。専門はミクロ経済政策分析とのこと。-----
「大坂堂島米市場」では、博士論文のエッセンスを新書化して一般にも分かるように平易に解説してくれている良書であると思った。米切手の話を古文書を元にして延々と解説してくれるので、江戸時代の米市場の様子が手に取るように分かると云う仕掛けになっている。江戸期の始まりと終わりで人口は1700万人から3400万人と2倍になるが、米作の石高も各藩が新田開発を進めて2倍となっている事を解説してくれていて、計量経済学でもあるのだなと感心した。------
物流は船が基本であったと書いているが、江戸時代から急にそうなった訳ではなくて、古代からずっと物流は船であったことが、弥生時代の貝の腕輪の考古学的発掘からも分かると、NHKの番組で紹介されていた。しかしながら学問的に江戸時代を古文書から研究するのは大切で膨大な各藩の遺して来た古文書はこの方面の学者からすると江戸時代の経済活動をリアルに再現できる宝の山であるのに違いないのだろう。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 古都奈良・修学旅行と世界遺... | トップ | 古都奈良・修学旅行と世界遺... »

コメントを投稿

奈良・不比等」カテゴリの最新記事