北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「犬のしっぽを撫でながら(小川洋子著・集英社文庫2009刊/2006版の文庫化)」を読んだ。---------
小川洋子(おがわようこ1962.3.30生れ)女史は、1977岡山朝日高校入学/1980早大(第一文学部/文芸専修)入学。1984.3早大卒/倉敷市の川崎医科大学(中央教員秘書室)に就職。1986川鉄エンジニアとの結婚を機に退職。1988“揚羽蝶が壊れる時”で海燕新人文学賞/1991“妊娠カレンダー”で芥川賞/2004“博士の愛した数式”で読売文学賞を受賞。2006“ミーナの行進”で谷崎潤一郎賞受賞。---------
この本「犬のしっぽを撫でながら」の目次は次の通り。“数の不思議に魅せられて(博士の愛した数式を巡って/数学者と美しさについて)”、“書くと云うこと(アルルの出版社/大地を踏みしめる足元と果てを見つめる目)”、“アンネフランクへの旅(アンネフランクが書き残した言葉/アンネフランクハウス/たった一人の少女)”、“犬や野球に振り回されて(回る/かさぶた)”、“家族と思い出(雲丹とお相撲/人間の手/花にまつわるあれこれ/真夜中/図々しかった頃/工場見学/本を買う贅沢/涙の通り道/編物おばさん/本を読む人が好き/1984雪/曲がった鼻/手書きのサリンジャー)”----------
この本「犬のしっぽを撫でながら」の裏表紙の抜き刷り文は次の通り。数に隠されている神秘と美しさ。偉大な真理に向き合う芸術家とも云える数学者たち。一つの作品を生み出す切っ掛けや/小説への溢れる想い/少女時代のアンネの日記との出会いと/アウシュヴィッツへの旅。天真爛漫な飼い犬や大好きなタイガースのこと。日々の中の/小さな出来事や出会いを/素晴らしい作品へと昇華していく小川洋子の魅力溢れる珠玉のエッセイ。----------
小川洋子女史は/根っからの文系諸兄姉とは違って/理系の教科(数学と理科)にもお強い方だと思った。でなければ/藤原正彦の本など読む筈が無いし/読んでも意味が分からないだろう。大方の戯作者は生成AIに負けてしまうだろう近未来/益々科学の発展する時代の中で/小川洋子女史の活躍を祈りたい。