もう一つ、カエル絡みの記事を・・・
東京新聞に隔週連載されている『のんびり旅鉄道』は、沿線の魅力的な風景を、そこに暮らす人々や歴史を中心に紹介し、「テツ」よりもむしろ「非テツ」の人を鉄道旅行に誘う優れたコラムです。右も左もわからない「テツ」になりたての頃、『鉄子の旅』か『のんびり旅鉄道』で紹介された鉄道を乗りに行ったものです。
先週の木曜日の『のんびり旅鉄道』では、岳南鉄道が紹介されていました。今年の正月を懐かしく思い出しながら記事を読んでいたら、いきなり頭をガーンと殴られました。「アカガエル」の愛称で少し前(平成12年)まで走っていて、現在岳南富士岡駅の引込線に留置されている「東急5000系」8両(前後に運転席を持たないため、2両編成で走っていた)が、現在解体中だと書いてあったのです。
風雨にさらされ赤錆の浮き出た姿は確かに痛々しかったけれど、立ち並ぶ工場の煙突から吐き出される白煙を背景に佇む姿はそれなりに様になっていて、ずっとこのまま静態保存されてくれることを祈りました。でも、それから半年後、その願いも空しくついに解体されてしまうことになってしまいました。作業がどれくらい進行しているのか不明ですが、アカガエルの写真が一緒に掲載されているので、8両全てが解体されてしまったわけではなさそうです。お別れをするなら今のうちかもしれません。
救いがあるとしたら、解体されたアカガエルの製造ナンバー、プレート、ブレーキ、ハンドル、吊革などが、12月に予定されている岳南鉄道60周年記念日に販売されることでしょう。解体作業は1か月かけて行われ。「欲しい部品があったら、値段も含めて相談に応じる」そうです。ちなみに、パンタグラフでも2~3万円で発売するつもちだとか・・・せめてもの記念に、吊革でも買おうか?
「お宝市」の題字とは裏腹に、涙がこぼれそうなニワトリでした。
(記事は、かぐや姫伝説発祥の地=竹採公園(比奈)、大河ドラマの主役にもなった山本勘助の墓のある医王寺(岳南富士岡)、東海道吉原宿で創業320年を超える鯛屋(吉原本町)など、コンパクトにまとめていて、さすがです)
解体される岳南鉄道のアカガエルと、全国で唯一現在も走っている熊本鉄道のアオガエル。元々は同じ東急東横線の渋谷~横浜間を走っていた。うまく言えないけれど、機械も生きていると考えるならば、熊本鉄道のアオガエルに絶対乗るべきだ。熊本まで乗りに行って、本当に良かったと思った。もう一度乗りたい・・・
上熊本~北熊本間を黙々と一人、一日14時間27往復するアオガエル
”機関車トーマス”で解体寸前の機関車をほかの機関車が助ける話がありますが、もうちょっと整備してきれいにして長生きしてもらいたいと思うのは勝手なのかなぁ・・。
でも、去年の夏、熊本で、アオガエルと対面したとき、1日乗っていたいと心底思いました。冷房は相変わらず装備されていなかったけど、誰一人文句を言うことなく、扇風機の風を浴びながら電車に揺られていました。
岳南鉄道のアカガエルは数があるのですから、せめて1両だけでも静態保存してほしいと、それこそ機関車トーマスみたいに切望しますが・・・