コウノトリ ひな誕生 ~ 兵庫県立コウノトリの郷公園で♪ 

2007-05-22 00:14:14 | 自然&いきもの+ゾウのはな子


じっと朝食を待つ・・・


 見たくも聞きたくもないニュースばかりが流れる中、嬉しい知らせが飛び込んできました。「えっ、15才の少年がゴルフツアーで優勝したこと?」
 ノンノン、違います。もちろん快挙だけど、彼に負けたプロの方々にとっては「とても恥ずかしいお話」ですね。それにゴルフ場は、これからお話する生き物には不倶戴天の敵。ゴルフ場ができて住む場所を奪われたわけではないのですが、コース維持のために使われた農薬類が生態系を破壊し、彼らを絶滅に追いやったからです。
「ちょっと、待った。ゴルフ場で散布された農薬よりも、かつて彼らが暮らしていた里山の田んぼや畑で大量に使用された農薬こそが絶滅に追いやったのでは?」
 確かにそうでしょうが、無農薬で農業を営むことの困難さを考えると、農薬の使用を責めるつもりはありませんし、使うなとも決して言いません。でも、ゴルフ場に関しては、「農薬を使わないでほしい」と、これからも言い続けます。

 例によって話が脱線しましたが、私が「ツバメの雛が孵った孵った」と喜んでいたら(気づいた人々も皆微笑みながら見上げています)、兵庫県にある【兵庫県立コウノトリの郷公園】で、自然放鳥したコウノトリのつがいが温めてきた卵一個が孵化した記事が、今日21日の東京新聞の朝刊の何と一面に!(小さい囲みですが)掲載されていました。
 国内の自然界での「ヒナ誕生」は、1964年(昭和39年)に福井県小浜市で確認されたのが最後だというのですから、実に43年ぶりの出来事です。しかもコウノトリは、トキ同様、自然界では絶滅してしまった生き物だから、これは奇跡以外のなにものでもありません。胡散臭い霊能者がテレビを媒体に起こす「奇跡」とは次元が異なる話で、人知の及ばない(偶然&運命的な)奇跡とも違う、人々の長年にわたる活動が実を結んだものです。99%の汗なくして生じない「奇跡」でした。

 同公園内にある「豊岡市立コウノトリ文化園」館長で、人工繁殖に長年かかわってきた松島興治さんは、「四十年以上前、事業はゼロからスタートした。ここまで来たのは隔世の感がある。本当に良かった」と喜びを語った。

 ここ豊岡市では、1959年(昭和34年)以来48年ぶりの出来事とのことですが、県立コウノトリの郷公園で、コウノトリの人工飼育を始めたのが1965年(昭和40年)。豊岡市を始め地元住民の理解と協力を得ながら今日まで進めてきたプロジェクトが、42年後の春の日に実を結びました。
「人とコウノトリの共生」。書くのは簡単ですが、実践するのは難しく、地元の方々の苦労は並大抵じゃなかったと思います。人工繁殖に成功したのが1990年(平成元年)。以後は、毎年徐々に数を増やし、今では100羽以上が人工飼育されています。それだけでも大したことなのに、2005年から、当初の目的だった「自然放鳥事業」=(人口飼育したコウノトリを自然に戻す)に取りかかり、初年度に4羽、去年は9羽を自然に戻しました(+1羽の野生種=合計14羽が自然の中で暮らしている)。
 去年の4月も、最初に放鳥されたコウノトリが卵2個を産みましたが、孵化前に卵が巣から落ちて割れてしまったそうです。それだけに、今回初めてヒナが誕生したのは、この上ない喜びだと思います(今回のカップルは二期生同士)。

 (人の手によって)絶滅の危機に瀕した生き物を、今度は人の手をかけて数を増やし最終的に自然へ帰す。世界中で同じようなプロジェクトが組まれていますが、豊岡市のコウノトリのように、社会生活が営まれている人里で絶滅種を野生に復帰させる事業は、世界的にも珍しいそうです。
 ヒナの誕生は、新潟県で準備が進んでいる「トキ放鳥」事業をはじめ、絶滅が心配される多くの生き物の保護活動に従事している人を大いに勇気づけてくれたことでしょう。残る二個の卵も、無事孵化してくれるといいですね~♪

 兵庫県県立コウノトリの郷公園のHPは、 → こちらをクリック


                   

 (上)のインコは人なつっこく、(中)のインコは人みしり(眠い・・・)。(下)は、おとなしくて、人なつっこいカナヘビ。いつまでもこうしている。人肌が気持ちいいのかしら? こちらは、ひんやりしていて気持ちいいけど・・・そうそう、鳥の体温は高い! 指に止まったら、ほんわり温か~