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『恐竜2009』 ~砂漠の奇跡その3

2009-10-02 23:25:35 | 美術館&博物館など

              


 終わってしまった『恐竜展2009』の記事をまとめます(遅すぎた?)。入場料(2500円!)は割高でしたが、
数は揃っていたし、これくらい空いていれば元は取れる?
 写真はドラコレックス・ホグワーツィア(白亜紀後期)。種小名の「ホグワーツィア」は、ハリ―・ポッターが
通っていた学校に因んでつけられたそうです。自分は、この頭骨から「デビルマン」(漫画の方)に出てきた
「デーモンの歴史書」を思い浮かべました。悪魔の像をかぶると、太古の歴史が映し出されるのです。
 ドラコレックスの頭骨をかぶると、恐竜たちの在りし日の姿が見えてくるような気がしてなりません。


 スピノサウルスの横で和むジュラシック親子(実は水槽の中に可愛い亀がいます)


 ナイトミュージアム開館10分前・・・スピノサウルスも目を覚ました?


       

(左)ギガントサウルスに頭から食べられてしまったオヤジ。合掌!
(右)お嬢さんも油断していると・・・(スピノサウルスより危ないヒトが背後に?)


   

 初公開のグアンロン(ジュラ紀)。ティラノサウルスの祖先にあたる。全長3.7m。羽毛を持ったこの恐竜は、
大型化して最後で最強の肉食恐竜になるものと、鳥類に進化して現在の繁栄に至るものへと二分化した?


   

 ティラノサウルス界のアイドル=「ジェーン」(推定年齢11歳)。全長7mと小柄だが、脚が長く、
敏捷に走ることができた。ティラノサウルスの亜生体なのか、進化したティラノサウルス(ナノティランテス)
なのか、意見が分かれている。


    

 今回の一番の目玉は、恐竜のミイラ『ダコタ』(エドモンドサウルスの仲間)だったが、ミイラと化石の区別が
つかず??? ある意味一番驚いたのが、これ。「肺魚を追うスピノサウルス」(全長7m)。
 折り紙作家のまつもとかずやさんの作品です。まつもとさんは、全長17mの実物大スピノサウルスも、
この会場で折ってくれたそうです。すごいですね~♪


    

                 

 折り紙「ジェーン」と「マメンキサウルス」も展示されていました。折り方知りた~い!


『恐竜2009 ~砂漠の奇跡その2』

2009-09-23 23:59:00 | 美術館&博物館など


 次のステージでは、内モンゴルで発見された巨大竜脚類の全身復元骨格模型が展示されています。圧巻は、全長35mのマメンキサウルス(写真)。展示場の壁に背中を貼りつける感じでカメラを構え、24mm相当の画角にしたところ、マメンキサウルスの全身がファインダー内に収まりました。広角レンズの特性から首が異常に長く見えますが、実際も16.9mと体の半分近くもあり、全長33mのスーパーサウルス(首の長さ12.6m)と比べても、首の長さが際立っていることがわかります。推定体重は49.795トン。今のところ世界一重く、二冠達成です。


 全長17mのクラメリサウルス(左)と、20mのファベイサウルス(右)。ファベイサウルスは向かいに並んでいたシンヘサウルス(全長24m)と共に初めて日本に上陸した。


 カモノハシ竜の仲間=ハドロサウルス類に属するニッポノサウルス。1934年、当時日本領だった樺太(サハリン)の豊原(ユージノサハリンスク)で発見された。厳密にいえば、ニッポノサウルスは日本にいた恐竜とはいえないが、戦後は有名なフタバスズキリュウ(首長竜。国立科学博物館にて展示)を始め、肉食恐竜のミフネリュウや、巨大竜脚類のタンバリュウなど、多数の恐竜化石が発見されている。


 狛犬や狐、あるいは金剛力士像のように並んで立つシンヘサウルス(左)とファベイサウルス(右)。彼らの間に立つと、自分の小ささがよくわかる。悠然と佇む生前の姿が見えるような気がした。このあと登場する肉付けされた恐竜よりも骨格だけの方がリアルに感じるのは自分だけかしら?

 


『恐竜2009 ~砂漠の奇跡』 その1

2009-09-19 23:28:00 | 美術館&博物館など


 写真がたまる一方ですが、27日で終わってしまう『恐竜展2009 ~砂漠の奇跡』展の記事から書いていきましょう。写真はニワトリさんが最も好きな(剣竜)ステゴサウルス。明日明後日はナイトツアーも計画されています。もしかすると、彼らが動き回っているところが見られるかも? 休日は混んでいるかもしれませんが、是非!


 最初のステージは、恐竜学が確立されたカーネギー発掘地(ユタ州)から。カーネギーホールで有名な大富豪カーネギーが資金面でバックアップしていた。あたかも、ディプロドクスが右後方のアロサウルスに襲われて倒れたかのように、全身復元骨格模型が展示されている。ガラスケースの骨盤はディプロドクスのもの。大腿骨も展示されていた。


 成長すると、最大20mに達したカマロサウルスの亜成体(子供)。1925年に発掘され、最初に復元されたカマロサウルスで、最も完全な竜脚類の全身骨格の一つ。


 1920~22年に発掘されたステゴザウルス。カーネギー発掘地から、アパトサウルス、ディプロドクス、バロサウルス、カマロサウルス、アロサウルス、ケラトサウルス、トルボサウルス、ステゴサウルスなど、350トンの化石の中から20種類以上の恐竜の骨が掘り出された。


 第2ステージは、全国の少年たちの憧れの地だったゴビ砂漠から。写真のプロトケラトプスは現在までに100体以上発掘されている。


 恐竜展の目玉の一つが、この巨大な羽毛恐竜ギガントラプトル。全長8m体重1.4トン。体重=数キロ、子育てをしていたことがわかった恐竜=オヴィラプトル(卵泥棒の意)から進化した。なぜ巨大化を選んだのか?


(右)ギガントラプトルの想像図。羽毛恐竜は小さいというのが定説だったが、この大きさにはびっくり~!
(左)最近、映画で一躍有名になったヴェロキラプトルにも羽毛が生えていたことがわかった。完璧主義者のスピルバーグは、作品を手直しするのだろうか?

 金曜夜は、久しぶりに朝帰り(4時)になってしまいました。猫が起きる時間だなあ~と思ったら、やっぱり起きて、色々悪さをしていました。


『向島 墨東の色町』

2009-09-16 11:03:00 | 美術館&博物館など


 【テプコ浅草】では、山本高さんの名作『向島 墨東の色町』と『見世物小屋の立つ縁日』も、360度どの方向からも見えるよう展示されていました。青梅の【昭和幻燈館】で何度も見ていますが、正面からの展示だったので、写真集でしか見られなかった細部の細部を確かめることができ、最高でした! この後、作品は【昭和幻燈館】に戻るのでしょうか? その際は、同じような展示の仕方にしてもらえたら幸いです。


 のら猫に餌をあげる女性。とても好きな図なのですが、この角度で見られる機会が訪れて大喜び! 縦で撮ろうか横で撮ろうか散々悩みました。漆喰&タイル貼りの一階と二階の木造部分が対比できるように、縦でも撮っておけば良かった・・・しかも女性に気を取られて、ハート形をした明かりとりが電柱で隠れてしまっています。家に戻ってから、プロが撮影した写真集を見て、自分の腕のなさにがっかり。それはともかく、カレーの広告や木製のゴミ箱も懐かしいですね。あったあった、こんなの・・・。


(左)ちょうど大正モダンの頃だったのでしょうか、和洋折衷の魅力的な建物です。タイル貼りは遊郭独特の装いだったそうですが(今だと高速インターを降りたところのホテル街が毒々しくも不思議な魅力を醸し出していますね)、その時代を知らない自分には、単純に美しく心惹かれる佇まいです。売春禁止法が成立して、ここに描かれている玉の井を始めとする遊郭は跡形もなく姿を消しましたが、ほんの少しだけ当時の面影を偲ばせる建物が残されている場所もあるとか・・・このあたりをくまなく歩いてみようかなあ? 実はこの写真の奥の路地で、女性たちが紺色の上着を着た男性に声をかけていて(かすかに洋服が見えてます)、写真集では凄くいい感じに撮れていました。素人とプロの差だね・・・。
(右)防火水槽と木の電信柱にかけられた裸電球。小さい頃に自分も見た覚えがあり、ノスタルジアを感じます。



 開口された1階の待ち合い(左)と二階の部屋(右)。この面も、なかなか正面から見ることができません。やり手婆さんとハゲ親父が、いかにも・・・といった感じ。


 またしてもカメラを向けてしまった美しい娘(左上)と、屋台でおだをあげている?荷風先生(右中)。荷風先生は橋の上にもおられます(左下)。永井荷風原作の『濹東綺譚』は、1960年(監督=豊田四朗、主演=山本富士子)と1992年(監督=新藤兼人、主演=墨田ユキ)に映画化されています。「ぬけられます」の看板も有名で、神代辰巳監督が宮下順子主演で『赤線玉の井 ぬけられます』(1974)という題名の映画を作っています。

 今日&明日を乗り切ればひと息つける? 来週の大ヤマに備えて準備もしなければいけないのですが、何とかなるで乗り切るしかない! くるみさんはタンス・ベッドでずっと寝ています・・・。


「浅草ロック座」

2009-09-14 11:11:11 | 美術館&博物館など


 ヂオラマ作家の山本高樹さんの新作『浅草ロック座』を【テプコ浅草】で見てきました。角度によってはガラスケースに外の景色が写りこんでしまい、良い写真が撮れませんでしたが、凄い凄い楽しい凄い! いつまで眺めていても飽きません。
 普段は青梅にある『向島 墨東の色街』などもこちらで展示されていて、通常だったらなかなか見ることのできない奥や裏側まで、あらゆる角度からじっくり見ることができました。


右手は舞台裏。生き生きとした情景が描かれています。


建物の裏もこのとおり! 詳しい資料が残されていないので想像力で再現したとか・・・


左手は、レビューの真っ最中。満員御礼ですね~♪


 出番前の踊り子と楽屋で歓談する荷風先生、舞台の袖から仲間を見守る踊り子・・・駆けてゆく踊り子はどこへ向かっているところでしょう? ヂオラマの中に小さなドラマが幾つも内包されています。
 『墨東の色町』でも新たな発見があったのですが、もう時間がありません。それについては明日にでも・・・


あふたぬーん・みゅーじあむ ~恐竜2009

2009-09-11 22:53:00 | 美術館&博物館など

来場者は20万人を突破、でも今日は待ち時間なし・・・確かに奇跡です。


 午後から海浜幕張まで電車に揺られ、『恐竜2009 砂漠の奇跡!』展に行ってきました。
 夏休みや土日は人でごったがえしているだろうから、行くなら今日しかないと思っていたのですが、
奇跡のように空いていました。
 14時50分と会場入りは遅かったけれど、余裕を持って見学することができました。閉館30分前の1
6時30分頃から写真撮影も容易になり、最後の10分間はほぼ貸し切り状態! 
 会場を逆走する私を不審に思ったのか、スタッフの兄ちゃんが「どこへ行かれるんですか?」
などと聞いてきたので、「時間まで好きな恐竜と一緒にいたくて」と無邪気に答え、
(瞳は「どこにいようと、お前の知ったことじゃないだろう」と脅していましたが)
大好きなステゴザウルス、マメンキサウルス、スピノサウルスと一対一で過ごしました。
 『ナイト・ミュージアム』ならぬ「あふたぬーん・みゅーじあむ」だけど、そのとき奇跡が起こりました。
妄想ではありません。誰もいなくなったのを見計らって、彼らは動き出すんですよ~♪


 全長35m!のマメンキサウルス。長~い首だけで16.9mもある。全長8mの肉食恐竜シンラプトルや
ニンゲンと比べると、その巨大さがよくわかります。


 全長17mの巨大スピノサウルスも今回の目玉の一つ。この恐竜なら、『ジュラシックパークⅢ』のように
ティラノサウルスも倒せそうだが、顎の力が強くないので実際は勝負にならないらしい。
 ワニのように獲物をくわえて捻る動きはできず、サギなどの水鳥が水中の生きものをついばむ感じで
魚を捕えては、鳥と同じように丸呑みしていたとか。
(恐竜展の詳細はのちほど・・・)

 『恐竜2009 砂漠の奇跡』の公式HPは、 → ここをクリック


青梅猫町通り ~昭和幻燈館

2009-09-05 23:55:00 | 美術館&博物館など



 赤塚不二夫会館に入る前に、昭和幻燈館に顔を出したのですが、山本高樹さんの新作『青梅猫町通り』が展示されていました。やったね~♪


 それでは、猫町通りをご案内いたしましょう。「爪研ぎサロン」「山猫写真館」「Cafe またたび」「BAR みけ」「お食事 玉」「スナック しっぽ」といったお店の看板が灯り・・・当然ながら、猫町にも永井荷風先生がおられます(猫だけど)。私も、くるみさん用に「じゃれ紐」を買いに行こう~と!


左手の「Cafe マタタビ」では、チャイナドレスのお姉さんが猫なで声で通行人に話しかけています。




右手では「ねずみ料理 鼠」が営業中。青梅なので、映画の看板も飾られています。


    

 「明智君、残念ながら気づくのが少し遅すぎたようだね・・・」。怪盗の手に落ちた令嬢は、このまま連れ去られてしまうのでしょうか、それとも明智に秘策が? 展示物も展示物の配置も変更され、いつもに増してじっくり見ることができました。

 今日は仕事でしたが、高尾山に登ってきました。最後に登ったのが高校生のときです。なかなか疲れましたが(結果的に3万歩超え)、楽しかったで~す! でも、もう、眼を開けていられません・・・おやすみなさい!


『天才バンザイ猫・菊千代展』 ~青梅 赤塚不二夫会館

2009-09-04 21:48:00 | 美術館&博物館など


 続いて、町田街道を北上して青梅までひた走り、あんこさんが教えてくれた『菊千代展』に行って参りました。
 ここ青梅の赤塚不二夫会館では、赤塚不二夫さんの一周忌(もう一年経ってしまったんですね~)にあたり、『菊千代展』が開かれていて、不二夫さんの溺愛した愛猫=菊千代の秘蔵写真&映像が、今月27日まで展示されています。不二夫ファンはもちろん、猫好きの方も是非お越しくださいな~♪
 不二夫さんと菊千代の蜜月については、Angela さんのブログ『そしてどこへ行く』から、 → 「赤塚さんちの菊千代」 をご覧ください(中でも、バカボン・パパの扮装のまま菊千代と眠る写真がいい!)


 菊千代の名前は、映画『七人の侍』の三船敏郎に因んでつけられました。三船さんが演じた菊千代のように「野性味があって上品」だったのが決め手になったとか・・・ならば、最近いよいよお転婆になってきた我が家のくるみさん(かなり大人っぽくなりましたが、スリムです!)は、同じく黒澤作品の『隠し砦の三悪人』で海千山千の武将=三船敏郎(六郎太)にさんざん手を焼かせた雪姫(演じていたのは上原美佐。間違ってもリメイク版の長澤まさみではありません)に改名した方がいいかしら?
 菊千代は、バンザイをして眠るネコとして知られていて(うちの猫もお腹を見せてくれますが、あまりにも無防備で、「女の子なんだから少し考えなさい」と説教したくなる?)、大物俳優とのCM撮影も楽々こなすなどして稼いだお金を(「飼主よりギャラが高いとは・・・」と不二夫さんがぼやいている)ネコとして初めて銀行に預金します(法律改正により、現在ネコは銀行口座を開設できない)。赤塚さんは借用証を書いて、たびたび菊千代からお金を借り、飲み屋のツケを払っていたとか・・・。


 不二夫さんの一周忌と菊千代の十三回忌に、もりやじんさんが作った「招き菊千代」像。他に、赤塚漫画の主要キャラもネコ化して飾られています。菊千代がMGM映画のライオンのように「みゃあ~」と鳴いて幕が開くホームビデオは、あんこさんが書いてくれたように最高に楽しい~! 赤塚さんがあれだけ噛まれているなら、こちらも多少のひっかき傷は我慢我慢・・・?




最近はタンスのベッドがお気に入り。たった今も、ここで眠っています。


 驚異の部屋へようこそ!展 ~町田市国際版画美術館

2009-09-03 23:57:57 | 美術館&博物館など


 先日、町田市国際版画美術館に行ってきました。今まで全くノーマークだったのですが、ここ国際版画美術館は世界でも数少ない版画を中心とする美術館で、(バブル経済が始まる直前の)1987年に開館しています。奈良時代から現代まで古今東西にわたる所蔵作品は、現在2万点を超えているそうで、これには驚きました。
 美術館は駅から徒歩15分の閑静な芹ヶ谷公園の一角にあり、鑑賞後は公園内の緑とせせらぎに置かれている彫刻を鑑賞しながら散歩するのも楽しく、大変気に入ってしまいました。批判の矢面に立たされている「箱モノ」だけれど、こうした「箱モノ」なら大歓迎ですね。企画展示展&常設展示展は頻繁に様変わりするそうなので(何しろ2万点もあるのだから・・・)、これからしょっちゅう通うことになるかも?(アオガエル君で行けば、1時間かからずに着ける)


    

 ひと口に「版画」といっても、版の素材と技法によって多種に分類されますが、大まかにいうと、凸版(木版画など)、凹版(エングレーヴィングやエッチング等による銅版画など)、平版(リトグラフ=石版画)、孔版(ステンシル、スクリーンプリントなど)の四つに大別されます。左の版画は、版画で刷られた植物図鑑の最高傑作とも言われている『フローラの神殿』(1800年頃)に収められている「夜の女王」の図で、微妙なグラーデーションが作り出せるメゾチント(凹版直刻法の一つ)という技法で版が作られ、非常に手のかかる多色刷(一部手彩色)で印刷されています。右の版画は、1493年!に刊行された『年代記』より「死者の踊り」という図絵で、木版で彫られています。


 18世紀には多くの解剖図鑑が刊行されましたが、こちらの奇妙な図絵は、オランダの解剖学者フレデリック・ルイシュの著作集に収められた銅版画です(エッチング&グレーヴィング)。生物の臓器や組織がオブジェのように飾られています。ハンカチを眼窩にあてて泣いている骸骨は何を意味しているのでしょう?
 この図に限らず、この時代の解剖図鑑では、内部組織や筋肉がむき出しになった人物や骨格標本が、モデルのようにポーズを取っています。どうして?
 今回、18世紀の解剖図鑑の第一人者であるゴーティエ=ダコティの図絵が8点展示されていました。残念ながら、「解剖学の天使」と呼ばれている有名な図絵は見られなかったけれど・・・。


 町田市国際版画博物館のエントランスです。なかなかいいですね~♪
 9月23日まで開催されている今回の企画展は、版画の世界の奥深さを知ってもらうために、解剖図、動物図鑑(一角獣やドラゴンまで)、植物図鑑、怪異な空想絵図、ダンテ『神曲』の挿絵本、だまし絵、ナポレオンが作らせた『エジプト誌』などを、15~18世紀のヨーロッパで流行した「驚異の部屋」にならって展示させたとのことで、現代のオフセット印刷では絶対再現できない多色刷銅版画の精微な美しさにも、驚異の目をむけることになるでしょう。圧巻は、『エジプト誌』の挿絵になる「フィラエ島の神殿内部」と「テーベのメムノニウム神殿」。版画にこめられた情報量の多さにびっくり! ここまで描かれたら、もう笑うしかない?  
 多色刷木版画&銅版画の魅力を教えてくれたのは、澁澤龍彦、荒俣宏、鹿島茂の三氏でした。今回展示されているソーントン編『フローラの神殿』も、ナポレオンの『エジプト誌』(全26巻。19年かけて刊行)も、『人体構造の解剖陳列』も、ヨンストン『動物図鑑』も、ショイヒツアー『神聖自然学』も、ミルトン『失楽園』やダンテ『神曲』地獄篇の挿絵本などは書物なので、古書店やオークションなどで手に入れることが可能です(荒俣さんは全部持っておられますね・・・)。もしも宝くじが当たったら(買っていないので、当たるわけないけど)、メーリアン女史の『スリナム産昆虫の変態』と、ル・ドゥーテの『薔薇図譜』を手に入れたいな~♪ 

 町田市国際版画美術館について知りたい方は、 → ここをクリック


国立科学博物館 ~地球館のティラノサウルスと・・・

2009-05-27 23:38:50 | 美術館&博物館など

恐竜界の王者ティラノサウルス(色温度を変えてみました)


 白亜紀に登場したティラノサウルス(暴君竜)の全長は平均12m。大きなものだと15mにも達した地上最大&最強の肉食恐竜は、骨がかなり重かったことから「敏捷な動きは不可能」とされ、極端に退化した前肢からもハンティングには不向きで、[主に屍肉を漁っていたのだろう」と、一時期言われていました。映画『ジュラシック・パーク』では、縦横無尽に暴れ回っていたけれど、「目がよく見えず鼻も利かない」という制約を負わされていたっけ・・・。
 実際のティラノサウルスは、森やブッシュに潜んで獲物を待ち伏せし、強力な顎と平均15cmもある恐ろしい牙を武器に獲物に襲いかかっていた、と考えられています(近い例だと、ワニさんスタイル)。狩りの成功率はそれほど高くなく、屍肉を食べたり、他の肉食恐竜が捕えた獲物を横取りすることも多々あったでしょうが、食物連鎖の頂点にいたことは間違いありません。通常は単独で行動しますが、母親は子供がある程度大きくなるまで子育てをし、幼体は体温の低下を防ぐために鳥のような羽毛に覆われていたことも、最新の研究から明らかになりました。


(左)地球館B1F展示室入口。人間とバンビラプトルの骨格標本が出迎えてくれる。ジャンプしながら「こっちに、おいで」と手招きしているようにも見えるが、「人間もバンビラプトルも飛べなかった」ことを意味しているらしい。骨にポーズを取らせて寓意を込める手法は、バロック期の解剖学や博物学図鑑に多く見られた。荒俣さんが監修してたりして?
(右)バンビラプトルの生体復元模型。恐竜と鳥はジュラ紀後期に枝分かれして、別々の進化を遂げた。白亜紀後期に登場したバンビラプトルは鳥にならなかった恐竜の子孫であって、その意味で始祖鳥とは決定的に異なる。


(左)肉食恐竜は確かに格好良いかもしれないが、昔から草食恐竜が好きだった。中でも、特撮の神様=レイ・ハリーハウゼンのストップモーション・アニメーションで肉食恐竜と戦い、これを倒したトリケラトプスは贔屓の恐竜だった。
(右)今話題の「草食系男子」の草分け的存在のニワトリさん(単に草食動物が好きという意味だけど)の一番好きな恐竜は、映画やテレビで何度となく肉食恐竜に襲われ命を落としてしまうステゴサウルス!だった。手前のアンキロサウルスも悪くないが、背中の甲冑がかなり身を守ってくれた点で、ステゴサウルスの無力さに敵わない。ステゴザウルスも、尻尾のスパイクを振り回して必死に戦うけれど、抵抗空しく倒されてしまう・・・草食系を好む傾向は哺乳類でも同様で、キリン←ブラキオサウルス、ゾウ←ディプロドクス、サイ←トリケラトプス、カバ←ステゴサウルス?、アルマジロ←アンキロサウルス、シャチ←クロノサウルスから来ていたりして・・・肉食動物も好きだけど、百獣の王ライオン(特にオス)は、はっきり言って嫌い!


 地球館B1ホールは、「恐竜大進撃!」の様相を呈しているが、全長18mのアパトサウルスや、かつては入口ホールにいたティラノサウルスには狭苦しい感じ。アパトサウルスは首を折り曲げずに展示して欲しいし、ティラノサウルスはトリケラトプスと向かい合うとか・・・ステゴサウルスは、一人悠々穏やかに草を食んでいて欲しいナ~♪


 地球館B2Fには、水の中で暮らした絶滅種や、恐竜以前以後の生き物たち、そして人が展示されている。頭上を泳いでいるのは手前から、全長19mのバシロサウルス(左側。クジラの仲間)、同じく19mのティロサウルス(右側。爬虫類)、真ん中右に魚竜(レプトニクス)、中央にガメラ(アーケロン。全長4.5m)、後方にステラー海牛(全長6m)。ステラー海牛は1785年に絶滅した。


 復元骨格が語りかけてくれる地球の歴史に耳を傾けたい。生命はこれまで何度も大量死を迎えてきたが、それはあくまでも天変地異によるものだった。今度のジェノサイドは人間がもたらそうとしている・・・。


 左写真=アメリカマストドンとデイノテリウム(手前)。右写真=コロンビアマンモスとアルシノイテリウム(手前)。彼らはどのように生き、どのように滅んでいったのか?


(左)B1Mに展示されていた魚の化石。自然が造形した奇蹟の芸術作品だ。
(右)常設展は一部しか見学しなかったが、お昼を大きく回ってしまっていた。雨に濡れる「カエルの噴水」の横を通って、中央通りを秋葉原まで歩いた。

 国立科学博物館のHPは、 → ここをクリック