ピンク・フロイド リマスターシリーズ、第2弾として「炎 あなたがここにいて欲しい」を購入。前回「狂気」での反省もあって、今回はデラックス・エディションをチョイス。
サウンド的には「狂気」ほどではなにしても、格段にクリアーになっていて、そんじょそこらの「なんちゃってリマスター」とは格が違うな…という感じ。時間をかけて、納得するものを出してくるところは「流石、フロイド…。」というところか。特に、当時、メンバーが拘ったムーグ・シンセの音が格段に良くなっている…ということで、亡くなったリック・ライトに聴かせてやりたかった…という感じ。
ボーナス・トラックのディスクⅡは有名な74年のウエンブリーでのライヴ音源(ライン録音)がメイン。ヘヴィーでソリッドなサウンドは、フロイドがスタジオ・ギミックに頼るスタジオ・バンドではなく、一流のライヴ・バンドであったことを証明する演奏になっていると思う。
…で、この「炎」、リリース当時は、前作「狂気」に比べ、内容が内面的過ぎる…とかなんとか、あんまり評価されていなかったような気がするのだが、(私は「アニマルズ」からリアルタイムなのであんまり自信がないけど…)その後、「狂ったダイヤモンド」を始め、繰り返し演奏されるうちに、今ではちゃんと「傑作アルバム」と評価されているようで、「ロックもクラシック同様、長いスパンで見れば、良いものはちゃんと評価されるんだな…。」と言う感じだ。(実は売上げ的にも「狂気」「ザ・ウォール」についで第3位とか…。)
フロイドの中でもとびきり美しい本アルバム、やはり傑作だ。プログレ嫌いの方にも是非聴いていただきたいと思う次第である。