りゅーとライフ

(MiddleTown Dreams)「りゅーとぴあ」と「ビッグスワン」をフランチャイズに新潟生活を楽しんでいます。

名盤再聴。ピンク・フロイド リマスター「炎 あなたがここにいて欲しい」

2011-12-26 23:25:42 | ロック

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 ピンク・フロイド リマスターシリーズ、第2弾として「炎 あなたがここにいて欲しい」を購入。前回「狂気」での反省もあって、今回はデラックス・エディションをチョイス。

 サウンド的には「狂気」ほどではなにしても、格段にクリアーになっていて、そんじょそこらの「なんちゃってリマスター」とは格が違うな…という感じ。時間をかけて、納得するものを出してくるところは「流石、フロイド…。」というところか。特に、当時、メンバーが拘ったムーグ・シンセの音が格段に良くなっている…ということで、亡くなったリック・ライトに聴かせてやりたかった…という感じ。
 ボーナス・トラックのディスクⅡは有名な74年のウエンブリーでのライヴ音源(ライン録音)がメイン。ヘヴィーでソリッドなサウンドは、フロイドがスタジオ・ギミックに頼るスタジオ・バンドではなく、一流のライヴ・バンドであったことを証明する演奏になっていると思う。
 
 …で、この「炎」、リリース当時は、前作「狂気」に比べ、内容が内面的過ぎる…とかなんとか、あんまり評価されていなかったような気がするのだが、(私は「アニマルズ」からリアルタイムなのであんまり自信がないけど…)その後、「狂ったダイヤモンド」を始め、繰り返し演奏されるうちに、今ではちゃんと「傑作アルバム」と評価されているようで、「ロックもクラシック同様、長いスパンで見れば、良いものはちゃんと評価されるんだな…。」と言う感じだ。(実は売上げ的にも「狂気」「ザ・ウォール」についで第3位とか…。)

 フロイドの中でもとびきり美しい本アルバム、やはり傑作だ。プログレ嫌いの方にも是非聴いていただきたいと思う次第である。


NHKスペシャルドラマ 坂の上の雲に思うⅢ。国力維持は大変だ。

2011-12-26 22:28:26 | 映画

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 NHKスペシャルドラマ 坂の上の雲、最終回「日本海海戦」を見終わる。いろいろ批判はあったようだが、ラスト、やや走り気味ながら、「巧くまとめたな…。」と言う印象。戦闘シーン、CGについては、日本のテレビドラマもここまできたか…の感もあり、根本的なところは別として、これ以上の仕上がりを求めるのはちょっと無理かな…と言う高水準な作品だったと思う。

 しかし、本作を見てみると「明治時代の日本は颯爽としているのに、昭和になると政治家や軍人達は硬直化してどうしようもない…」という司馬史観(そんな単純じゃない?)を再認識させられた訳だが、実際の話、昭和のダメダメ陸海軍への道は、この時期、既に始まっていた訳で、国家経営というのは本当に難しい…と改めて考えさせられてしまった。

 「明治-昭和」同じように、戦後、吉田茂から高度成長期まで、同じように「坂の上の雲」を追って目標がしっかりと見えていた時期は、政治も行政(官僚機構)も上手く廻っていた訳だが、一端、先進国となって目標を失ってしまうと、とたんに迷走仕出し、高度経済成長期のフレームワークを直すことすらできない現在の状況を見てみると、歴史は繰り返すというか、一端頂点に達した国力を維持・メンテナンスしていくことは、国を作るよりも実は大変なことなのではないか…そんなことを思ってしまった。(これは国だけでなく、どんな組織にも言える事かも知れないが…。)

 本作品、第1部、第2部、すっぽかした回も結構あったので、レンタル・ショップで第1回からしっかり見直すことにしたいと思う。