「王様?まだそんなミージシャンやっているの?」言う人もいるかもしれないが、その重さ、楽しさは超一流。
今回、呼んだのはクラシックCDショップ コンチェルトさんと言う話だが、その起動力、行動力にはただただ見事と言うしかない。
今回は入院の関係で行かれなかったが、次回は是非…と思った次第である。
石丸由佳さんのデビューアルバム発売記念サイン会の後、せっかくだから…と、りゅーとぴあで行われた「茂木大輔のオーケストラコンサート」に足を運ぶ。(結局、楽しんでるじゃんって感じで北フィルの方スイマセン。次は絶対行きますので…。)
11回目を迎えた本シリーズ、今回は「モーツァルト、クラリネットが彩った最後の年」と題してモーツァルトが生涯最後の年に作った曲とモーツァルトが好んで使った当時のクラリネットに焦点を当ててのプログラム。やっぱり人気のモーツァルトということなのか、いつもよりもお客さんは多め、テレビ収録用のカメラも入ってテンション高くコンサート開始。
指揮&解説:茂木大輔 演奏:もぎオケ交響団
ソプラノ:渡辺恵津子、メゾソプラノ:相可佐代子、テノール:村上公太、バリトン:浅井隆仁 合唱:もぎオケ「レクイエム」合唱団
「アヴェ・ヴェルム・コルプス」K.618
歌劇「魔笛」より
序曲 第2幕第9曲:「僧侶の入場」 第2幕第17曲 他
3つのバセットホルンのためのディヴェルティメントK.439b第4番より第5楽章
歌劇「皇帝ティトゥスの慈悲」より
第1幕第9曲、第2幕第23曲
クラリネット協奏曲K.622 バセットクラリネット 伊藤圭
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レクイエム K.626より(モーツァルト真筆部分のみ演奏)
生涯最後の年、「魔笛」、「皇帝ティトゥスの慈悲」という二つのオペラ、それにクラリネット協奏曲などの名曲を連発、凄まじい創作活動を展開したモーツァルト。本コンサートでは、有名曲をスクリーンを使いつつ、解説付きで演奏、そして当時使われたバセットホルンやバセットクラリネットの説明など、いつものように盛りだくさん。(楽器ヲタクの方にはたまらない展開だったんじゃないかな…。)
そして第2部ではもぎオケ「レクイエム」合唱団も大健闘、茂木さんもスコアを落としつつ汗だくで指揮、「やっぱ、モーツァルトって凄いわ…。」ということを再認識させてくれたコンサートは4時から始まり6時50分終演とほとんど3時間コース。演奏は勿論だが、素晴らしいスクリーン構成、豪華な解説プログラム…こんな手間暇かけたコンサートを地元に居ながらにして聴けるとは…、りゅーとぴあ事務局さんに感謝!!って感じ。(いつものパターンでスイマセン。)
ワン&オンリーの素晴らしい「茂木大輔のオーケストラコンサート」、今後も是非、りゅーとぴあで続けて欲しい…と思った次第である。本コンサートにかかわった全ての方に感謝したいと思います。本当にありがとうございました。
仕事を終え、りゅーとぴあに車を走らせオーケストラ・アンサンブル金沢 新潟公演を聴く。今回は「北陸新幹線開通記念」と言うことで、金沢、長野、新潟での3公演、世界のMIDORIこと五嶋みどりさんがソリストとして登場。観客の入りは7割行くか行かないか…と言ったところだが、平日公演なので結構頑張ったんじゃないかな…と言ったところ。(やっぱ、MIDORI効果なんだろうな…。)
ウェルカム・ロビーコンサート(ブラームスのクラリネット五重奏曲だったと思うけど、なかなかの熱演。)を楽しんだ後、本公演へ。
指揮:井上道義 ヴァイオリン:五嶋みどり
プログラム
ロッシーニ:歌劇「シンデレラ」序曲
シューマン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 WoO.23
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ブラームス:交響曲 第2番 ニ長調 Op.73
オープニングはロッシーニの歌劇「シンデレラ」序曲。颯爽とミッキーこと井上道義さんが登場、派手なアクションで初っ端からノリノリ、軽快な滑り出し。
昨年4月から半年間咽頭がん治療のため活動休止、その年の5月、ラ・フォル・ジュルネ新潟に出演予定もキャンセル…と言うことで、「ヨロヨロのミッキーなんて見たくないよ。」と心配していたのだが、元気一体、溌剌とした指揮振りで復活を強烈アピール。「おかえり、ミッキー!!、元気でなにより。」と言ったところ。
続いては、ほとんどの人のお目当て、世界のMIDOEIこと五嶋みどりさん登場。曲はシューマンの「ヴァイオリン協奏曲」。
恥ずかしながら生で五嶋みどりさんのヴァイオリンを聴くのは初めてなのだが、そのやわらかな音色、滑らかな響きにびっくり。(使用ヴァイオリンはグァルネリ・デル・ジェス「エクス・フーベルマン」とのこと。)。
テクニック云々など私には語る資格はないが、如何にもシューマン!!という響きは実に説得力あるもので、「流石、世界のMIDORIと言われるだけのことはあるな~。」と思っているうちに壮大なフィナーレへ。ブラボーともに惜しみない拍手にふさわしい演奏だったのではないだろうか。(個人的には第2楽章のゆったりとしたヴァイオリンソロが印象に残った次第。)
第2部はブラームスの交響曲 第2番ニ長調 Op.73。
「なんだかんだ言ってもOEK、フル・オーケストラじゃないからな~、そこあたり考慮して聴かないと…。」などと思っていたのだが、音量的にも不足なし、クリアーさと迫力とが上手くバランスして曲は進行、オーボエ始め、管楽器のソロも綺麗に決まり、「流石、OEK、良いトップ持ってるわ…。」と感心しているうちに、フィナーレへと雪崩れ込み「綺麗なブラ2を聴かせていただきました。」とブラームス好きの私も大満足のうちにコンサートは幕となった。
オーケストラ・アンサンブル金沢を聴いたのはフランチャイズ石川県立音楽堂を含めて今回で5回目だが本公演がベスト。「北陸新幹線開通記念」とか言わず、定期的に新潟に来てくださいよ…と思った次第である。
東京交響楽団第90回新潟定期演奏会を聴きにりゅーとぴあへ。ブルックナーの第7番…ということで、今シーズンの東響定期の中で一番楽しみにしていたプログラム。マニアックなプログラムの割には「結構入っているな…。」という7割近い入りで喜ばしい。
指揮:ジョナサン・ノット コンサート・ミストレス 大谷康子
プログラム
メタモルフォーゼン(変容)~23独奏楽器のための習作:R.シュトラウス
交響曲第7番 ホ長調(ノヴァーク版):ブルックナー
第1部は弦楽器23人によるR.シュトラウスの「メタモルフォーゼン」。
とにかく東響の弦の美しさは言葉にできない程素晴らしい。「メタモルフォーゼン」はともするとひたすら暗く、陰鬱度100%…という感じの演奏になりがちだと思うのだが、ノットは最後希望を抱かさせてくれるような明快な響きで聴かせてくれた。シュトラウス・ファンの私も「これ以上のメタモルフォーゼンは聴けないんじゃないかな…。」という納得の演奏。ブラボーも当然という名演だったと思う。
そして第2部、メインデッシュとも言えるブルックナーの第7番。
一言でいえば、精緻で緻密、それでいて伸びやかなブルックナー…という印象。
冒頭の弦の囁きの美しさにいきなり鳥肌。スダーン時代からブルックナーの演奏には定評のある東響だが、スダーン時代の精緻さに加え、絶妙なバランス感、広大なダイナミクスを感じさせる演奏は如何にもノット!と思わせるもので、「これ以上のブルックナーって聴けないかも知れない…。」という感じの名演だったと思う。
「地元にいながらにして、このようなブルックナーが聴けるとは!!本当に東響新潟定期があって良かった…。」と幸運を噛みしめながらりゅーとぴあを後にした次第である。