(個人的に)大ヒット企画、東響定期+α「日本のオーケストラシリーズ」、第5回目として、ついに待望の札幌交響楽団が登場!ということで、期待に胸を膨らませ、秋深まるりゅーとぴあへと足を運ぶ。
指揮:尾高忠明 コンサートミストレス:大平まゆみ
シベリウス: 「カレリア組曲」op.11
グリーグ: 「ペールギュント」第一組曲op.46
グリーグ: 二つの悲しい旋律op.34
シベリウス: 交響詩「フィンランディア」op.26
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シベリウス: 交響曲第一番op.39
ホールおたくの私、最近は2年に1回ペースで札幌に飛んで日本最高との評価を受けているクラシック・ホール キタラで札幌交響楽団を聴いている…ということで、今回で4回目の札響体験。
過去3回はいずれも名演、とりわけ木管セクションの素晴らしさは個人的に日本最高と思っている程で、早くりゅーとぴあに登場してくれないかな…と願っていたのだが、指揮は音楽監督である尾高忠明さん、プログラムは得意の?北欧プロ…ということで満を持しての登場!…と言う感じで、こちらも心して聴く。
前半は有名曲4曲を並べた構成だったが、いきなりシベリウスの「カレリア組曲」の躍動感溢れる演奏にブラボーが掛かる。木管セクションのソロは見事なもので「これだよ、これ。」と一人にんまり。
続く、グリークの「ペールギュント」はシャープな弦が印象的。個人的には札響→木管というイメージが強かったのだが、弦や金管セクションも確実に強化されているという印象。
普段ハイレベルな東響を聴いている定期会員がメイン、ちょっとやそっとの演奏では大きな拍手は起らない…と言う雰囲気の中、これだけの拍手をを受けていたということは、やっぱり良い演奏だったんだろうな…と思っているうちにグリーグの「二つの悲しい旋律op.34」。
ここでもシャープな弦が曲にマッチしている…という感じで聴き惚れる。(有名曲だけあって、やっぱり良い曲だなと思った次第。)
そしてダイナミックな「フィンランディア」。ところどころアクセントをつけるあたりが尾高流か…と思いつつ第一部幕。
ロビーで「良かったね。」などという他の方の会話を聞きながら「そうでしょ、札響、レベル高いんだから…。」とすっかりサポーター・モード。(たった4回目でサポーター面するなよ!と言われそうだけど…。)
そして後半、メイン・デッシュのシベリウスの交響曲第一番op.39。
本当に切れの良い力感溢れる演奏で、一気にフィナーレまで聴かせてくれた…という感じの密度の濃いシベリウス、「ちょっと直線的なアプローチ過ぎるんじゃない?」という気もしないではなかったが、まさに全軍躍動、完全燃焼、札響の魅力を新潟の聴衆に強烈アピールした快演だったのではないだろうか?
尾高さんも疲労困憊…という感じだったので「アンコールはないのかな~。」と思ったのだが、「事務局の圧力で…。」などと言いつつ、ちゃんとエルガーの弦楽セレナードより第二楽章をやってくれた。個人的にエルガーの弦楽セレナードは好きな曲なので、本当に嬉しかった。先々週の東響定期同様、フラブラもなく、幸せな気分で終演となった。
東響とまた違った魅力を披露してくれた札幌交響楽団。全体的に若手主体のオケという感じだし、伸びしろが大きそう。今後の飛躍を期待するとともに、またりゅーとぴあに来て下さいね…と思った次第である。