ウィーン放送交響楽団りゅーとぴあ公演のチラシを見る。
ウィーン放送交響楽団…というと、なんかウィーンという名前で客を呼ぼうとする3流オケ…という印象を受ける方もおられるかもしれないが、フランス人指揮者ベルトラン・ド・ビリーのもと、最近、非常にレベルを上げてきたオケということで、個人的には結構、良いイメージがある。(依然、経営状態は大変そうだけど…。)
このウィーン放送交響楽団、2009年にキタエンコ、2010年にベルトラン・ド・ビリーの指揮で2年連続でりゅーとぴあに来ていて、実際聴いてみて、凄い!とまではいかないが、そこそこの満足感を得た…という印象が残っている。(東京でも1回聴いているので、計3回足を運んでいることになる。)
それで、今回、3度目のりゅーとぴあという訳なのだが、プログラムがブラームスの「大学祝典序曲」、「ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番 皇帝」、それに交響曲第3番「英雄」…。いくらなんでも、これはないだろう、「舐めているいるんか!」と叫びたい超弩定番曲が並ぶ。
それでBプロは…とネットで調べてみるとメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲とブラ1…。さっぱ変わらんわ、ダメだこりゃ…。
前2回のりゅーとぴあも「オベロン序曲」「運命」「ブラ1」、「エグモント序曲」「田園」「運命」という超メジャー曲集(だだし、この来日時のBプロは少しマニアックな感じ)だったのだが、今回も「ウィーンのオケという名前とメジャー曲集で集客しよう」という安直な魂胆が透けて見えてしまって、正直うんざり…という気分。実際、今回のプログラム、2007年来日時のAプロと序曲だけが違うイージーさなのである。
しかし、実際、主催者はこんな安直なプログラムで本当に客を呼べると思っているのだろうか?
実際、前回、前々回のりゅーとぴあでのコンサートは悲しくなるばかりのがら空き状態。半分はおろか、イチローの打率より低い?ぐらいしか入っていないんじゃないか?という感じ。(その少ない観客も招待券で来ました…というノリの方もかなり多かったし…。)
まぁ、ウィーン・フィルぐらいになれば、別にこのプログラムでも集客できるのだろうが、知名度で呼べるとはとても思えないウィーン放送響、あまりにもイージーなプログラム、もうちょっと工夫したら?と思ってしまう。
主催者側からすると、マイナーな東欧オケの地方公演は「せめてプログラムだけはメジャーに!それじゃなきゃ客は入らない!!」という思い込みがあるのかもしれないが、東欧オケの場合、来るオケ、来るオケ、毎回、耳タコのチャイコフスキーやベートーヴェンだと「もう、行かなくて良いや…。観客もガサゴソしている人が多いし…。」と言うのが、地方在住のクラシック・ファンの本音ではないだろうか?
まぁ、ウィーンなんだからブルックナーやシェーンベルクをやれとは言わないが、1曲はメジャー曲でそのオケの実力を、あともう1曲はそのオケの得意曲でちょっとひねった曲を…と少しは工夫してもらいたいと思う次第である。
ちょっとキツイことを書いてしまったが、この手の東欧オケ、意表をついてアタリの時もあって、特にアンコールの手慣れたナンバーなど「おぉ、流石本場!国内オケとはひと味違うわ…」と唸らさられることも多い。
今回、それを期待して、グレードの低い席が直前まで残っていたら(セコイ)りゅーとぴあまで足を伸ばそうかと思っている。
なお、本コンサートは2012年3月7日開催。絶賛前売り券販売中!(と最後に一応フォロー。)