しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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朝の露 <寄留者を愛せよ>

2024-07-29 | 申命記
「あなたがたは寄留者を愛しなさい。あなたがたもエジプトの地で寄留の民だったからである。あなたの神、主を恐れ、主に仕えなさい。主にすがり、御名によって誓いなさい。」(申命記10:19、20新改訳)

ここでふたたび、モーセは切々と訴える。あなたの神、主を恐れ、主に仕えなさいと。そしてとくに寄留者を愛し、大切にせよと。▼ふしぎにもイスラエルはこの二千年、離散者(りさんしゃ)となって世界を流浪(るろう)した。どこに行っても迫害され、神を殺した民族とさげすまれ、ゲットー生活を余儀(よぎ)なくされて来たのであった。モーセはまるでそのことを予見しているかのように、「寄留者を大切にせよ」と勧(すす)めている。そのとおりに迫害された歴史をたどったイスラエルだったが、同時に神の選民として大切にされたこともたしかであった。▼歴史の支配者である神は、寄留者としての彼らが、ほろびるのをゆるされなかった。想像を絶する苦難と迫害に会っても、彼らはイスラエルとしての特性を失わず、1948年には国を建て、それから約八十年が経った。聖書は将来、あとにも先にもない苦難がイスラエルにおそいかかると預言している。続いて聖書は彼らが徹底的に罪を悔い改め、メシアなるキリストを受け入れ、民族として回心し、全世界が待望してきた神の国が始まるとも告げる。私たちは聖書を見据え、世界とくに中東で行われていることから目をそらさないで、歴史の流れに注目していきたい。▼「いちじくの木から教訓を学びなさい。枝がやわらかになって葉が出て来ると、夏が近いことが分かります。同じように、これらのことをすべて見たら、あなたがたは人の子が戸口まで近づいていることを知りなさい。」(マタイ24:32,33同)