えしぇ蔵日記

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ギルガメッシュ叙事詩

2018年03月07日 | Weblog

いろんな文学作品を読んできてちょっとネタ切れ感のある昨今、ふと思った。「現存する最古の文学作品ってなんだろう?」。そして調べてみると、その可能性が高いということで行きついたのが「ギルガメッシュ叙事詩」。 古代メソポタミア文明が生んだ文学作品だ。

1849年に、アッシリア帝国の都ニネヴェでアッシュールバニパル宮廷図書館の遺跡が発掘され、そこで楔形文字が記された約2万枚の粘土板が発見された。それらは大英博物館で解読され、それがきっかけで古代メソポタミアの楔形文字が読めるようになったらしい。

1872年に同じニネヴェで発掘されたある粘土板から、遺物修復係のジョージ・スミスという人がある一文を発見する。それがこの物語の一部だった。
その後、他の部分も徐々に発見され、今ではほぼ半分ぐらいが復元、解読された。それを矢島文夫さんが日本語に訳したのがこの「ギルガメッシュ叙事詩」というわけだ。

170年近くに渡ってたくさんの人が発掘、復元、解読、翻訳に奮闘してようやく出来上がったわけだ。まだ欠落した部分が多いが、物語の全体の内容はほぼ把握できる。

驚くのは、聖書の「ノアの方舟」とほぼ同じ内容の箇所があることだ。果たしてどちらが先なのか?この部分が明らかになった時にヨーロッパで大騒ぎになったのは言うまでもない。

書かれたのはおそらく紀元前3000年紀ではないかと言われているが、そんな途方もない大昔に既に人を楽しませる物語があったことに非常に感動を覚えた。そして多くの人の長年に渡る努力が、こうして気軽に読める本にしてくれたことに深い感謝を覚えずにはいられなかった。



「粘土板」

粘土板 遥か太古の ワードかな

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