えしぇ蔵日記

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久々の麻婆豆腐

2016年09月21日 | Weblog

(夏目漱石風 その3)

妻は火曜日と水曜日の帰りが遅いので、そのどちらかの夕食は私が何か作るということになって以来、ずっと伊太利亜料理ばかり作っていたが、それでは和風や中華の料理をすっかり忘れてしまいそうな気がしたので、今日は久しぶりに麻婆豆腐を作ってみようと思い立った。麻婆豆腐を選んだのには理由があった。 先日、休みの昼にペペロンチーノを作ったのがあまりいい出来ではなかったので、何かおいしいものを作って挽回したい思いから、過去のレシピの中で評判のよかった麻婆豆腐を選んだというのがそれだ。

幸い材料はほとんど揃っていたので、豆腐とひき肉だけを近くのスーパーで買ってきた。妻が帰るまではまだ時間があったが、なにしろ久しぶりの麻婆豆腐なのでレシピを入念に見直した。
ご飯は妻が用意していたので、麻婆豆腐と一緒に作るのは味噌汁とオクラの和え物。味噌汁の具は玉ねぎだけだが、最後に茗荷を入れるように妻から指示されていた。オクラの和え物に使う酢醤油の割合を妻に尋ねると、そういうのは自分の感覚で覚えるものだと言わんばかりに、「適当よ」という答えが多少突き放すような調子で返ってきたので、私なりに「適当」に作ってみた。

周到な準備がよかったのか、思ったほど苦戦せずに料理が出来上がり、妻の帰宅とちょうど同じ時間に出来上がった。妻の反応は上々だった。

「麻婆豆腐は久しぶりね」
「たまに作らないと忘れちまうもんだね」
「もうレシピ見なくても大丈夫でしょ」
「とんでもない。きみ、そんなわけにはいかないよ。僕なんざぁ本当に下手くそだからね」
「冷蔵庫のきのこ入れてくれたのね。おいしいわ」
「エリンギと舞茸は全部入れたよ。えのきは入れなかったけどね」

妻が味噌汁を飲んでも何も言わなかったので、さては濃すぎたかなと私は心配になった。

「味噌汁は濃すぎやしないかい」
「ううん。ちょうどいいわ。おいしくできてるわ」
「そうかい。そりゃあよかった。薄いのはともかく濃すぎるのはどうしようもないからね。味噌を少しづつ入れては何度も味見したよ。いやぁ味噌汁は単簡に見えて難しいもんだね」
「赤みそと白みそを混ぜるともっとおいしくなるわよ」
「なるほど。ぢゃあ次回試してみよう」
「茗荷がきれいに薄く切れてるわね。薄くないと食感が悪くなるから」
「茗荷の切り方をネットで調べてから切ったよ。ははは」

全部きれいにたいらげた妻は満足そうな笑みを浮かべていた。これでペペロンチーノの失敗は挽回できたと私はほっとする思いだった。

「迷い」

足すべきか 足さざるべきか 味噌の量

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