えしぇ蔵日記

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ローマ2日目

2013年04月28日 | Weblog

今回の旅にはいくつかの大きな目玉があったが、その一つが「ローマの休日」のラストシーンに使われた「コロンナ宮殿」に行くこと。
 
「コロンナ宮殿」は他の美術館や宮殿に比べると外側は地味で目立たない建物だが、中には壁にびっしりと絵画が飾られて豪華絢爛という感じだった。映画は白黒なのでわからないが、広間のまばゆいばかりの鮮やかさには圧倒された。オードリー・ヘップバーンが立った場所から広間全体を見た時にはまさに鳥肌が立った。そしてグレゴリー・ペックと同じようにゆっくりと歩いて、最後に一度だけ振り向いた場所に立った時にはまた鳥肌。あぁここで撮影したんだ、ここに二人がいたんだ、そう思うと感動は途切れなかった。既にオードリー・ヘップバーンもグレゴリー・ペックもウィリアム・ワイラーもいないけど、彼らの残した名シーンは永遠に残るのだ。そして永久に人を魅了するのだ。ここはいわば感動が生まれた場所。もうこれだけでローマに来た甲斐があったと言える。
 
「Rome. By all means, Rome. I will cherish my visit here in memory, as long as I live.」
 

 
ローマは街の中に名所があるというより、名所の中に街があるというほうがふさわしい。どの位置にいてもそこからそれほど歩く必要なく何らかの名所に行ける。だから目的地を決めていたとしてもつい目に入ったものに立ち寄ったりして寄るところが増えてきりがない。

「ジェズ教会」は元イエズス会の総本山でバロック様式のファサードが見事だった。ここの天井画は浮き上がって見えるらしいが、暗くてよく見えなかった。ここはリサーチしてなく、たまたま見つけたので寄っただけ。だからいろんな見るべきものを見逃していたようだ。なんでもフランシスコ・ザビエルの右手があったらしい。まぁそれを是非見たいのかと言われれば微妙なもんだが。
 

 
「サンタマリア・ソプラ・ミネルヴァ教会」
はミケランジェロの大理石像「十字架を運ぶイエス・キリスト」が有名だが、ワシはそれよりもここであのガリレオが異端審問で地球は回っているという自説を放棄をさせられた場所として興味があった。偉大なるガリレオの屈辱の場所だ。しょうがない、否認しないと火あぶりだからな。それは避けたいわな。
 

 
「パンテオン」は紀元前25年に初代ローマ皇帝アウグストゥスの側近マルクス・ウィプサニウス・アグリッパが建設したが、今あるのはそれではなくハドリアヌス帝が再建したものだ。それでも西暦120年前後の話だから十分過ぎるほど長い歴史を生き抜いている。頂上部分にはオクルスと呼ばれる明かりとりの開口部がある。オクルスとは目という意味だ。当時の最高の建築技術を駆使したことだろう。見事なもんだ。
 

 
「サン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会」は何と言ってもカラバッジョ!ワシの大好きな画家、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョの有名なマタイ三部作「聖マタイの召命」「聖マタイと天使」「聖マタイの殉教」がある。行ってみると他にも宗教画はたくさんあったが、観光客のほとんどはこの三部作の前に集まっていた。ワシもなんとかその人ごみの中で写真を撮ってきた。あぁこれぞキアロスクーロの傑作!光と影を自在に操るカラバッジョの神業を生で見れるこの幸せ!
 

 

 
「サンタゴスティーノ教会」にもカラバッジョがある。「巡礼の聖母」だ。これもまた有名な絵だ。それから柱に描かれたラファエロの「預言者イザヤ」もある。小学校の先生がラファエロの絵について子どもたちに説明していた。この子たちは巨匠の絵の本物を見て勉強できるわけだ。そりゃ感性も育つわな。素晴らしい教育環境だ。
 

 
ここで昼食休憩。イタリアの料理はとにかく量がすごい。それに意外と味が濃いことが判明。だがうまいから別に問題なし。イタリアの人にとって昼食は大切なリラックスタイム。昼過ぎにシャッター下している売店が夕方にはまた開いていたのであれ?と思ったらなんと昼の休憩だった。2時間くらい休むらしい。そのゆるさ、好き。

「バチカン美術館」はとにかく人多過ぎ。多過ぎ。多過ぎ。うんざりするほど人多過ぎ。中は延々と人の行列。たくさんの作品を見ながら長い長いルートをちょっとずつちょっとずつ歩いて先に進む。逆に行けないし迂回路もない。とにかく流れに身を任せるしかない。狭い通路では息がつまりそうだった。正直ゆっくり見たいというより早く出たいという気持ちの方が勝っていた。
だがラファエロの間の「アテネの学堂」にはさすがに感動。人物にはそれぞれモデルがいたらしい。ダビンチやミケランジェロもいる。ちなみに右端の方に控えめに自分もいるらしい。
 

 
そしてついに「システィーナ礼拝堂」へ。天井画には圧倒されたがここも人の渦。天井はミケランジェロが描いた人間でいっぱいだが、床はそれを見上げる人間でいっぱいだ。これだけの作品ならじっくり1時間ほど眺めていたいところだが次々に人が入ってくるのでそうもいかない。さっさと出ないといけない。なんとも慌ただしい鑑賞だ。
 

 
バチカンで思ったことだが、ローマはやはり世界の観光地だ。とにかくいろんな人種が集合している。様々な色の肌、眼、髪の人間が様々な言葉でしゃべっている。バベルの塔もさもありなんだ。すごいもんだ。
だが共通しているのはみんなスマホとデジカメを持っていること。現代ならではの文明画一化の一端というところか。
 
夜は適当に見つけたピッツェリアでピザとステーキとワイン。これがまたうまいんだな。ワシはここのステーキにはかなり感動した。イタリアの飲食店は活気があってそこにいるだけで楽しい。陽気な民族はいいもんだ。
 
「懐かしむ」

名優の 演じた場所に 佇みて
この先何度 懐かしむやら

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